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経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

常に前向きで、創造力と実行力を発揮しろ

2012-03-09 10:38:38 | 達人経理マンへの道

  経理に限らず日本のサラリーマンは保守的である。皆と異なった行動を取れば変人扱いされ、新しい提案をしてもなかなか受け入れてもらえない。
 またまた出版社時代の話で恐縮だが、当時毎週全員参加型の企画会議を行っていたが、私が提案した「インベーダーゲームの攻略本」や「プロレスの哲学」なる企画は全く編集者たちに相手にされなかった。ところがその後、各出版社からゲーム攻略本やプロレスエッセイ本などが、雨後の竹の子の如く出版されている。

  これは決して私に先見の明があったからではなく、自分がのめり込んでいたジャンルだったから、そうしたニーズを嗅ぎつけたに過ぎない。そして反対した編集者達は、そうそうたる学歴と編集経験を持つインテリだったが、それが逆に災いしたのである。自分達の知らない世界や興味のないものを馬鹿にしたのであろう。

 中小企業にとって、企画は命であり、旬の香りが漂っていなくてはならない。全員横並びになってしまったら、資金力と人材の豊富な大企業には絶対にかなわないのである。こんな簡単な理屈を実践できない企業は長続きしないだろう。事実この出版社もその後倒産している。
 とにかく常に前向きで、チャレンジ精神を持たないと企業は発展してゆかないのだ。経理の達人たるものは、常にそのことを念頭におかねばならないのである。

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もはやパソコンを駆使しなければ経理マンとはいえない

2012-02-22 11:55:52 | 達人経理マンへの道

  私が若い頃は、一部の大企業で大型コンピューターを導入し始めた頃であった。従ってパソコンなど夢のまた夢の時代であり、そのうえ中小企業に在籍していたため、大げさな大型コンピューターを使う必要もなく、どんな事務作業でも自分が手作業で処理したほうが速いとうそぶいていたものだ。
 ところが1982年にNECがPC-9800シリーズを発売し、一気にパソコン熱が浸透し始めたのが皮切りだった。その後ウィンドウズパソコンの市場独占と驚異的な普及により、もはや中小企業でもパソコンがなくては仕事が出来ない状況になってしまった。ことに経理の仕事の大部分はコンピューター化されてしまい、人間がコンピューターのアシストを務めているような気がしないでもない最近の状況である。

 もはやどんな偉い人でも機械オンチのオジサンでも、Eメールやインターネットの操作位は出来る時代になってしまったのだ。まして実務担当者にいたっては、エクセル、ワード、パワーポイントの三種の神器が使いこなせなくては話にもならない。またホストコンピューターの端末として、パソコンを使えなければ日常処理さえ出来なくなってしまったのである。
 逆に言えばこれらを絡めて使いこなせなければ、仕事が出来ない時代なのだ。経理マンに限らず、今までパソコンと縁のなかった営業マンも含めて全社員がパソコンを駆使しているのである。

 言うまでもないことだが、パソコンは車の運転同様、体で覚えない限り身につかないものである。従って日常処理を部下に任せ切りで、会議だけにしか興味のない役職者には限定的な使い方しか出来ない。そして部下がいないと仕事が全く出来ないというジレンマに陥ってしまうのだ。大企業にはこうした仕事の出来ないオジサンが沢山いるが、そんな輩は中小・零細企業では勤まらない。オジサンにとっては辛いかもしれないが、もし経理マンとして小さな会社に転職する気なら、それだけの覚悟が必要なのである。
 ただちょっと淋しいのは、仕事の本質やその内容を理解せず、パソコンの操作だけに終始している若者が増えたことである。パソコンの利用は必須であるが、あくまでもパソコンは手段であり目的ではない。パソコンに慣れることはよいが、くれぐれもパソコンに振り回されないように心がけたいものである。

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傲慢な経理マンにはなるなよ

2012-02-16 10:17:41 | 達人経理マンへの道

 かつて自分が散々傲慢を通してきて、いまさらこんなことを言うのは恐縮だが、約40年間経理一筋に生きてきて、やっと最近辿り着けた心境なのでお許し願いたい。
経理マンには、会社の極秘事項も汚い部分も全て判ってしまう。だから自分は凄いのだと錯覚してしまうのだ。これらは職務上知り得たことであって、決して自分の能力が優れているから得られた情報ではないのだ、ということを忘れてはいけない。

 また経理マンは、社内の直接利益を産む部署が、十二分に力を発揮出来るよう、またより働き易くなるためにフォローしてあげることが本来の目的であることも忘れてはいけない。ところが公務員が公僕であることを忘れて、お上風を吹かせているのと同様に、偉そうに専門家風を吹いている経理マンも少なくないのだ。
 だからといって、決してへりくだる事も弱気になることもない。当たり前のことだが、しっかり勉強して、会社全体のためにきちっと仕事をすればいいのである。そのためにはときには強気に出ることも必要だし、負けず嫌いでなければ勤まらない。ただ傲慢風を吹かせて、他人の話を聞かなかったり、裏で会社の陰口を叩いてはならないと言っているのである。

 何といっても社会というものは、人間関係で保たれているのだ。また陰口はどこかで必ず漏れてしまうものである。そのために人間関係が希薄になるばかりか、場合によっては会社の信用を傷つけることにもなりかねない。どうしようもなく嫌な会社だと思ったら、黙ってさっさと退職すればいい。
 こんなことは、誰でも判ることであり、自分も当然のことと考えていた。ところが、いざ実践になると目先の忙しさにかまけて、いつの間にか初心を忘れてしまうものなのである。いい年をこいて今ごろこんな簡単な理屈に本気で気付いている自分も情けないが、「親孝行したい時には親はなし」と言うが如く、多かれ少なかれ人生とはそういうものなのであろう。

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会社の財産だけでなく社長個人の財産も管理する

2012-02-14 10:22:42 | 達人経理マンへの道

 前出の文章で、中小企業の経理マンは、社長の参謀として働かなくてはならない旨を述べた。そのためには社長の信頼を得ることが必須であるが、同時に社長一族の動きを全て掌握し、社長の急所も掴んでおく必要がある。
 そのためには、社長個人の財産を管理するのが一番手っ取り早い。まず会社役員の場合は、ほとんどの人が年末調整だけではなく、所得税の確定申告をしなくてはならない。また給与だけではなく、配当や家賃収入などの所得も併せて申告することが多いものだ。

 税理士に頼めば良いのだが、決して安くない手数料を取られるため、自社の経理マンが無償で行えば、もともとケチな創業者は大喜びするはずである。さらには、社長個人が所有する土地建物や、株式投資等に係る税金の相談にも応じることにしよう。また会社の株主安定工作と、それに関連する将来の相続税対策などのアドバイスも重要である。

 ある意味公私混同になるかもしれないが、中小企業の場合は、これが経費削減や会社の安定に繋がると考え、ここは柔軟に決断・対処しようではないか。その結果として、社長の信頼を勝ち得るばかりか、社長の強みと弱みを掴めることになるのである。
 そのためには、達人経理マンたるもの、会社の経理知識だけではなく、投資に関する知識をはじめとして、所得税法や相続税法、民法なども勉強しておかねばならないのである。

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有能な経理マンなら賭け事には近づくな

2012-02-09 10:26:59 | 達人経理マンへの道

 競馬、競輪、囲碁、将棋、麻雀、パチンコと昔の経理マンは勝負事と賭け事が好きだった。デスクワークという仕事の性格上、どちらかと言えば体育会系の人は少なく、内向的だが負けず嫌いで気が強いといったタイプの人が多かったのである。

 だが現在は、体育会系でも優秀な経理マンは大勢いるし、囲碁、将棋、麻雀などの勝負事は衰退の一途をたどっている。だからそれほど心配することはないと思うが、賭け事にハマって会社の金を使い込んでクビになったり、自殺した輩を何人も見ているので、ここで一言だけ注意しておこう。

  いまどき遊ぶことが嫌いな人は余りいないだろう。そしてどんな遊びをしてもどこかで歯止めがかかるものだが、賭け事だけは無限地獄だ。さらに負けた金を取り返そうと、また賭け金が増加してゆくという悪循環に陥るのである。それでどうにもならなくなってサラ金通いが始まる。だがそんな一時凌ぎにも限界があり、サラ金業者の厳しい取立てが待っているだけなのだ。

 そこでやむなく会社の金を一時的にチョイ借りして、サラ金業者の取立てに応ずることになる。誰もその事に気がつかないと、チョイ借りは段々大きく膨らんでしまう。次の競馬で勝って、今度こそチョイ借りを返済しようとするのだが、こうした必死さは、賭け事ではマイナスに作用し、ますます傷口は広がってしまうものなのである。

 また賭け事にはまる人は、10回に一度いや100回に一度しか勝てなくても、勝ったときの美味しさが忘れられず、今度こそは大勝ち出来るものと錯覚してしまうのである。

 そして気が付いたときは、チョイ借りはどうにもならない金額になる。既にチョイ借りの段階ではなく、結局この穴のあいた帳簿を埋めるために仮装隠蔽処理を行ってしまう。こうなるともう完全に横領という犯罪である。

 自分に限ってそんなことは絶対しない。とは言っても、どんなに堅い人だって転がるものなのだ。基本的に人間は弱い生き物である。会社の資金を預かる経理マンたるものは、こうしたリスクをわざわざ負うべきではない。だから弱みを作らないためにも、絶対に賭け事だけには近づかないことだ。当たり前の話ではあるが、くれぐれもご用心。

 

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勤務先の業界について、詳しく勉強しよう

2012-02-07 11:00:29 | 達人経理マンへの道

 経理だから決算が出来ればいいじゃないかという考えは、直ちに棄ててもらいたい。経理マンとして入社したら、まず覚えなくてはならないのは、会社のルールであり、事業の全体像なのだ。どんな製品があり、それらの主な機能と生産方法や販売方法を知らなくては、取引の十分な会計処理や資金繰りが出来るはずがない。また、経理の最終目的である経営管理など全くおぼつかないだろう。

 まず会社概要や製品のパンフレットを読んで、会社の沿革、事業内容、製品の特徴、事業拠点、取引先などを頭に入れておこう。上場会社ならHPや「有価証券報告書」等の公表資料が豊富に揃っているが、中小企業では最低限の資料しか開示していない。従って会社の情報収集は簡単ではないが、大企業のようなボリュームがないのがせめてもの救いである。
 とりあえずは、過去の伝票や証憑類と決算資料、その他稟議書や重要な議事録などをひっくり返して詳細な情報を収集しながら、古参従業員や社長に質問を繰り返してゆくしかないだろう。そしてそれを自分なりにまとめて会社の情報ノートを作り上げてゆくのである。

 さてそのあたりの情報収集が終ったら、今度は勤務先が属する業界についての知識を蓄えよう。例えば不動産業界、食品業界、出版業界といった具合だ。ちなみに私が出版社に勤務していたときには、業界関係の知識を得るために次のような知識の習得を行っていた。
出版物の流通経路
本の製作工程
編集作業の基礎技術
デザインとイラストの初級技法
毎日近くの書店4~5軒を回り歩き、どんな本が平積みされているかを体感

 結果として、出版社の全体像や編集マンたちの仕事の内容も把握でき、社長や編集者たちとも、かなり突っ込んだ話が出来るようになったのである。また私自身が出版という仕事に興味を持ち、空いた時間に企画書の作成や編集業務のアシストを自主的に行った。
 また仕事の流れを知る事により、資金の流れを正確に掌握でき、資金繰り表をスムーズに作成することが出来るのである。さらには編集者の能力差が見えてきて、人事考課や編集進捗管理なども出来るようになった。
 まさに零細企業の経営管理を行っていたのである。これこそ経理マンの本懐といえよう。

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売上計上のタイミングをルール化しておこう

2012-01-26 09:48:36 | 達人経理マンへの道

 現状の売上計上基準は、会計・税務ともにほぼ一致している。但し、今後IFRSという国際会計基準が適用され、売上高の計上は「物品所有に伴う重要なリスクや経済的便益が買い手に移転したとき」、「物品について、通常所有と同様の継続的な関与や支配を保持しなくなったとき」などかなり厳格に規定されることになる。
 但しこれは上場企業に限られるので、中小企業は従来通り、税法基準で計上しておけば良い。法人税法基本通達1-1-1では、棚卸資産の販売による収益の額は、その引渡しがあった日の属する事業年度の益金の額に算入する。と定めている。つまり原則は引渡基準であり、多くの企業がこの基準通り売上げを計上している。

 だが引渡しといっても、何をもって引渡しなのか、その具体的な引渡し日の判定については、出荷した日、相手方が検収した日、相手方において使用収益ができることとなった日、検針等により販売数量を確認した日等当該棚卸資産の種類及び性質、その販売に係る契約の内容等に応じその引渡しの日として合理的であると認められる日のうち、法人が継続してその収益計上を行うこととしている日によるものとする。(基本通達1-1-2)と記載されている。つまり継続適用を条件として、出荷日→検収日→使用収益可能日→使用量を確認日のいずれの日でもかまわない、という柔軟な基準なのである。

 さらに実務においては、そもそも出荷日とか検収日といっても、一体具体的にどの時点を指すのかが微妙な問題となってくる。例えば売上計上日を、商品が倉庫からトラックに積まれた時と単純に定義したとする。そうすると売る予定もないのに、トラックに積んだだけで売上が計上されるという極端な事態も発生してしまう。
 従って、顧客の要求に応じて、出荷する場合という言葉を追加したとする。だが例えば工場から出荷しても、一度営業所倉庫へ運び、営業所で調整後に顧客へ出荷する場合もある。その場合は、工場出荷日ではなく営業所から顧客に出荷した日が売上計上日となるのだ。
 では工場出荷日から営業所出荷日までの間は何なのであろうか。厳密にいえば営業所倉庫に届くまでが搬送商品であり、その後顧客に出荷されるまでは営業所在庫ということになる。

 これと似たような例で輸出取引がある。工場や営業所倉庫から、輸出品を積んで港に向かってトラックが発車しても売上を計上してはいけない。輸出の場合、一般的には、BL(船荷証券)の日付で売上計上をする。つまり飛行機や船に積み込んだ日となるわけである。但し商社が単なる貿易代行ではなく、その商品を日本で買い取って、商社名で輸出する場合は、商社が顧客になるので、商社に向けて商品の出荷をした日が売上げ計上日となる。

 また自動車の販売業では、納車日でも良いのだが、恣意性を除外するため、トヨタなどでは法定登録を終えた時点で売上計上しているようだ。このように出荷日と一口に言っても、業種や販売方法などにより、具体的な出荷時点が異なることになる。同様に検収日の場合も、検収するのは顧客側なので、どの時点を検収とするのかは、売り先ではなかなか掴みにくい。考えられる実用的な処理としては、顧客に商品を手渡して受領印を貰った時を検収日とするという方法である。だがその後に顧客が検査をして、合格になったものだけ受け入れるという契約になっている場合は、厳密にいえば顧客から検収通知書が来るまでは売上計上が出来ないことになる。

 そこまで待っていては、いつまで経っても売上計上が出来ず、決算にも間に合わなくなってしまう。それで実務的には、受領印のある受領書に基づいて売上計上し、後日顧客から不合格通知書届いた断面で返品処理することが多いのだ。
 このように売上計上のタイミングは非常に微妙で難しいのである。従ってまず自社の売上パターンや運送方法などを把握し、その形態や商品の特殊性に応じて売上計上のタイミングをルール化しておかねばならない。そして少なくとも社長と営業部員全員に、判りやすく説明し、その重要性を理解してもらわなくては達人経理マンとはいえないだろう。

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セミナーはエネルギー源だ

2012-01-10 10:59:31 | 達人経理マンへの道

 サラリーマンをやっていると、会社負担でいろいろなセミナーに参加させてもらえる。1日5万円程度のセミナーはざらにあるので、とてもじゃないが個人レベルでは参加出来ないよね。
 そのうえ勤務時間中に行けるし、食事付のセミナーもあるのだから、こんな美味しい話はない。だから私は、時間に余裕があれば、なるべくセミナーに参加することにしている。

 セミナーにもいろいろあるが、私の職務経験上、経理周りのセミナーの話に終始するがお許し願いたい。
 まず経理入門的なセミナーは、経理部に配属された新入社員に必ず参加させることにしている。これらは一般論的なものが多く、担当業務とは直接結びつかないものである。
 だが一般的な経理全体の仕事や流れを理解させ、自分は経理マンになったのだという自覚を持たせるには最適だろう。それにまだ真面目なので、命じれば居眠りもせず、きちっと聴講してレポートを提出してくれるので気持ちが良い。

 入門とか基礎とかをバカにしてはいけない。私自身も何年に一度かは、思い出したように基礎的な講座に顔を出すが、以外と眼からウロコが落ちる場合がある。
 人間の記憶力なんてタカが知れているし、年々退化して行く一方だ。そして最近は法律や価値観がどんどん変化しているのだから、昔取った杵柄だけでは通用しない。一度まっさらになってやり直してみることも必要だろう。「初心忘るべからず」とも言うではないか。

 それから一番大切なことは、チャレンジ精神を持ち続けること。だからときとしては、未経験分野のセミナーに参加することも大切だと思う。
 例えば、今まで会計や税務の改正セミナー位にしか参加しなかった人は、もっと経理全般の実務や管理会計関連のセミナーに参加して、視野を広げることも必要である。

 また機会があれば、経理以外の総務や人事関係のセミナーに顔を出してみたらどうだろう。まあ実際には、現在不要なセミナーにまで参加させてくれる会社は少ないかもしれない。だが他部門で、誰も参加する人がなく、捨ててしまうような受講券があるとすれば、是非代わりに参加したい旨を表明してみよう。

 こうして、自主的にいろいろなセミナーに参加し、その後にきちっとまとめを書いて保存しておこう。これは提出用のレポートではない。自分の得た貴重な知的財産の蓄えのためであり、きっと将来のエネルギー源となるはずある。

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映画になった伝説の税理士

2011-12-02 09:28:20 | 達人経理マンへの道

 いやあ熱い!実に熱い映画だった。この『不撓不屈』という物語は、TKCの創設者飯塚毅氏の若かりし日の記録である。TKCといえば東証一部上場会社であり、全国税理士事務所のコンピューターシステムを束ねている会社だ。これほど大きな仕事を成し得た税理士は、少なくとも日本では飯塚氏をおいて存在しないだろう。
 この映画は、彼がまだTKCを設立する前、一介の税理士時代に、国税局を相手どって戦った話が中心になっている。それは年配の職業会計人なら誰でも知っている、あの『飯塚事件』の全貌なのだった。

 この事件についての詳細は省略するが、当時『決算未払賞与』が脱税なのか、節税なのかを国税局と裁判で争ったことが発端となり、国税側よりかなり卑劣なイヤガラセを受けていたようである。この事件の終結には、なんと7年もかかり、その間に飯塚事務所は多くの顧問先を失い、職員4名が逮捕されている。結局最後まで、正義感と不撓不屈の精神を捨てなかった飯塚氏の勝訴となるのだが、彼は国に損害賠償請求をしなかったという。
 損害賠償請求訴訟という後向きの道を切り捨てた飯塚氏は、ドイツ税法を学び、コンピューター時代を予見し、TKC立ち上げに奔走する前向きの道を選択したという。それにしても、なんとド偉い男か!私も独身時代は職業会計人をめざし、税理士事務所に籍をおいていたので、飯塚氏の生き様にはかなり共感できるのである。

 公認会計士は、大企業の会計処理などを監査することが主な仕事であるが、税理士は税務書類や会計帳簿の作成が主たる業務である。また多くの大企業には、優秀な経理マンがいるので、税務書類の作成等は自社で行っている。そして国税局との政治的な交渉役としては、特例試験で税理士資格を得た国税OBが顧問税理士として関与していることが多い。
 従って難しい試験を受けて税理士となった民間出身の税理士は、零細・中小企業を顧問先に選ぶより術がないわけである。また当局との交渉についても、当局とのコネがないため、法律の解釈論でまっとうに戦うしかない。
 民間出身の飯塚氏も、まっとうに戦い、国税局の調査官を打ち負かしてしまった。だが、その後その調査官が出世し、過去に恥をかかされた恨みを報復することになってしまうのだ。そしてそのことが、『飯塚事件』を複雑にかつ泥沼化させてしまったのである。

   これはよくあるドラマではない。現実にあった実話なのである。今でこそ税務署や国税局の対応は丁重であるが、昔はいろいろと問題があったようだ。それは現在でも、公然と賄賂が横行している低開発国の役人たちの現状をみれば納得出来よう。
 さて飯塚毅氏には2回お目にかかったことがあるが、彼のパワーと正義感と勉強熱心さは脱帽するばかりである。
 1度目は彼がTKCを立ち上げた頃、私が所属していた税理士事務所でも、TKCの端末機導入の話があり、彼の説明会を聞きに行ったのである。そこで彼がコンピューター会計導入のため必要となる『コード付勘定科目ゴム印』について、次のように語ったのを今でも鮮明に覚えている。

「コンピューター会計を導入すると、『コード付勘定科目ゴム印セット』の購入が、顧問先の新たな負担になってしまいます。それでは零細企業の顧問先に申し訳ない。」
「それで自らハンコ屋と交渉し、もし通常の半値で納入してくれなければ、自分がハンコ屋を開業する!」
「いずれTKCが全国規模になり、ものすごい数の科目印セットが必要になるが、そのときに後悔するよ!そう言ったら、ハンコ屋が半額に値引きしてくれました。」
「もちろんTKCではその分を決してピンハネしません。だから、顧問先には最小限の負担で利用していただけるのです。」
と言うのだ。このときの彼のパワーみなぎる自信に満ち溢れた言葉には、全く返す言葉もなく、ただただ凄い人だ!と感じるばかりだった。

 2度目に飯塚氏に会ったのは、彼が70才をかなり過ぎたころだと思う。日本生産性本部で行われた原価計算のセミナーに、なんと彼が部下と一緒に聴講生として参加しているではないか。その頃の彼は、公認会計士の資格も得、大企業となったTKCの総帥でもあったはずである。それにしても彼の勉強熱心さには驚いたものだ。

 彼は大正8年に栃木県で生まれ、平成16年11月に鬼籍に入っている。彼のような男なら、税理士に限らず何をやっても成功したであろう。それにしても、大正時代に生まれた人々には、逞しい男たちが多い。時代背景もあるが、今後はこうした傑出した男たちの登場はほとんどあり得ないと思うと、実に淋しい限りである。
 彼こそは、豪腕税理士であるとともに、超弩級の達人経理マンといっても間違いないだろう。

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経理マンが利益を生み出す

2011-12-01 09:12:20 | 達人経理マンへの道

 会社の利益を生み出すのは、営業部門や開発部門であると思い込んではいないだろうか。もちろん素晴らしい製品を生み出し、それを数多く販売することが最大の利益の源泉であることは百も承知である。
 経理は直接利益を生み出すセクションではないが、低金利資金の借入れや、税務知識を生かした節税などで直接利益を稼ぐことも出来る。だがそれは限定的で限界もあり、自慢出来るような代物ではない。

 つまり達人経理マンたるもの、直接生み出す狭義の利益だけではなく、他部署が稼ぎ出す利益を、さらに大きな利益に導くという、包括的かつ広義の利益を生み出さなくてならないのである。
 従って資金繰りや決算だけに血道をあげて、それが経理の最大の仕事なのだと夢中になっているだけではダメなのだ。もちろんそれらの経理業務をきっちりこなすのは当然のことであり、それらを軽視しろと言っているわけではない。そんな定型業務は、素早く片付けてしまい、利益に貢献する仕事を捜さなくてはならない。

 このことは会社の規模が小さければ小さいほど、プライオリティーが高くなる。また中小企業は、経理マンがそうしたことに十分に力を発揮出来る絶好の環境といえるだろう。 
 いつも机に座っていないで、営業部や製造現場などに頻繁に顔を出そう。そして知識の習得、物の作り方、商品の流れ等を熟知しておくこと。そうしているうちに他部署のキーマンとも親しくなり、思わぬ情報を得ることも出来るはずである。

 まずこうした準備をしながら、たまには彼らのやっている仕事を経験してみよう。こうして会社の全体像から手足の先まで、十分に観察しながら問題点を把握しておくのである。
「木を見て森を見ず」、「森を見て木を見ず」のどちらも良くない。木も森もしっかり見ておくことだ。
 さてある程度時間をかけて、他部署の仕事の流れを知り、ある程度キーマンと親しくなったら、そろそろ本番である。経験した問題点と改善策を整理してキーマンに報告し、キーマンの意見を聞きながら、利益に貢献する方法に変革させて行くのである。

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