車椅子で卓球@渡邊剛

2013年より車椅子卓球をスタート。備忘録の意もこめてここにブログを綴ります。
内容は基本パラ卓球、時々食文化。

全日本選手権、組み合わせ発表!

2018年10月25日 00時45分02秒 | 日記
年に一度、大阪で行われる大会、国際クラス別パラ卓球大会。

いわゆる身体障害者卓球の全日本選手権だ。

選手にとってはとても重要な試合。

だって、翌年の代表権を決める大会となるから。

その結果で全てが決まる。

翌年1年間が決まるだけじゃない。

もし次の一年を棒に振ってしまえば、その翌年やそれ以降も全く違ったものになる。

要は以降の人生が変わってしまうということだ。

よく例えに使うのだけど、小学校の算数で使った分度器、その90度と91度の違いは分度器上では1mm程度だと思う。

でもその方向へ1m進んでいったら、10m先では、その差はどれくらいに開いているだろう?

人生にはそういった分岐点が多々存在するけれど、この試合はある意味それ以上の分岐点となる。

少なくとも、世界を舞台としている選手にとっては。

もちろんこの大会に限らず全ての試合がそうなのだけれど。

いずれにせよ、この試合の結果は分度器で言えば1度どころの差では無い。むしろ端と端、180度の違いといっても過言じゃ無い。

これまではこの大会一発勝負だったけど(去年だけは特例が設けられた)、今回はセカンド・ステージが設けられることになっている。

でも、それはそれ。

この試合のタイトルを取りたい。

だから、代表権を得る為に頑張るのではなく、タイトルを取る為に頑張る。

去年もその前も、僕は準決勝で同じ選手に敗れ、3位決定戦でも同じ選手に敗れて4位にあまんじている。

もっと上に登りたい。

それは世界の舞台で。

その為には、ここで4位にあまんじていてはだめなのだ。



その試合の組み合わせが発表された。

ある意味予想通りであり、ある意味想定外でもある。

試合まであと1ヶ月を切ったところ。

いずれにしても、ベスト・コンディションで当日を迎えること。

それに尽きる。

ベスト・コンディションというのも人それぞれなのだと思う。

じゃぁ僕にとってのベスト・コンディションとは?

う〜ん、なんだろう?(笑)

体調はもちろんだけど、僕の場合はそれ以上にメンタルかなぁ?

誰とどんな練習をしたいとか、どんな新しい技を身に付けたいとか、そういったものは思い付かない。

技術的な部分をどうこうしようとしたって、今更そんなのは付け焼き刃に過ぎないと思うから。

勝負の世界で付け焼き刃は身を滅ぼすことになりかねないと考える。

僕にとっては、ストレスが極力無い状態で当日を迎える。日々を過ごす。

それが重要かなぁと思う。

性格の問題でしょうね(笑)

まずは食事の管理。

僕にとっての「良い食事」をすること。

そして睡眠をしっかり取ること。

その為にはしっかり体を動かし、良い練習をすることも大切。

あとは、部屋の掃除もちゃんとして、快適に生活すること。

やるべきことをやり、全てのことをしっかりと段取った上で、毎日を過ごすこと。

オンだけでなくオフも含めて。

それに尽きる。

いや、それしか無い。

というか、この試合の前に限らず、365日全てをそう過ごさなきゃならないのだけど。

この1年間、自分が積み重ねてきたものがどうなのか、ちゃんと積み重なっているのか、それが結果的に現れるのが来月の試合。

積み重ねは日々の連続。

みんなやってること。

何をどう積み重ねているかは人それぞれ。

自分が積み重ねるもの、積み重ね方、進もうとする方向が正しいのかそうでないのか、その答えが出るのがこの試合なのかもしれない。

福原愛さんも水谷隼さんも、全日本選手権は特別な緊張感があるとコメントしていたのを覚えている。

選手として活動する以上、毎年必ず通らなければならない道。

ベストの状態で当日を迎えられるよう、それこそベストを尽くす。

胸を張って、威風堂々、正々堂々挑みたい。

アジアパラ競技大会 終了

2018年10月14日 12時21分55秒 | 日記
アジアパラ競技大会の全日程が終わりました。

個人戦はベスト8。

団体戦は思いのほか少ないエントリーで、僕のクラスは5チームでのリーグ戦となり、残念ながら4位でメダルの獲得には至りませんでした。

ものすごく悔しいです。

この場でこういう事を言うのは不適切かもしれませんが、敢えて正直に言わせていただくと、同じクラスはもちろん、他の選手の表彰式を見ていると、より悔しさが込み上げてきます。

通常のオープン戦もそうですが、こういう大きな大会は尚のことで、メダル獲得の有無がものすごい差を生み、自分の存在価値を否定されるような、そんな気持ちにも陥りますし、より大きな大会であるが故に、その悔しさ、情けなさ、不甲斐なさ、後悔の念などもより大きなもので、その場を逃げ出したくもなれば、耐えてその場にいても、今の自分の笑顔も嘘っぽいものだろうなぁと思ったりもするものです。

とにかく悔しい。

悔しいですが、これが今の僕の実力。

今大会を通しては、反省点は明確で、でもそれを克服するのは自分以外の何者でもないと痛感。

誰かの指導を得るからどうにかなるなんてものではない。

ヒントを得られても、答えは自分で見出すしかない。

そう思い知らされた感があります。

今までコーチをはじめ、アドバイスしてくださる方々の存在に僕は甘えていたのだと思い知らされました。

だから、自分の頭を働かせる時間が少なかった。

その能力が養われていない。足りていない。

言われることをやっているだけ。

正直、自分自身薄々と感じてはいました。

でも今回はそれを目の当たりにした。思い知らされた。

そんな甘い世界じゃない。

スポーツは勝負の世界。

勝つか負けるか。

サバイバルで生き抜いていくだけの力が、能力が無いのだよ、おぼっちゃん(笑)

そう言われて笑われたような、そういう現実を突きつけられた感があります。

そういう視点でメダリストたちを見ると、彼らには見た目のフィジカルや凄いプレーを超えて、どこか凛とした気高さや強さ、それこそ大きく纏ったオーラがあって、人としてではなく人間という動物としての感覚的な、それこそ本能で?、「あぁこの人は強い!」と思わされるものだし、やっぱりそうだよなと思えるものを身につけているものです。

じゃぁそれはどこで手に入れる?

誰かから与えてもらえる?

いやいや、そうじゃない。

自分に足りないその「パーツ」、これはどこかにあるものを探し求めるのではなく、自分自身で作り上げるもの、磨き上げるものだと、ようやく、本当にようやく理解できました。

多分それは、形は様々でも、みんな誰にでも、生まれた時から持っているもので、それを努力とか日常生活での意識を含め、常日頃からの積み重ねや磨き上げでより大きくなって、輝きを増していくものなのでしょう。

サウイフモノニ ワタシハナリタイ。



技術的な課題もまだまだ沢山あります。

これまで見てきたものをまた違った角度から見ることもできたし、反省点も自分自身より客観的に見れている、理解できている点では、自身の成長は実感できるものでしたし、この後への自信にもなるものでした。



今回は他競技の選手たちとも交流でき、それこそ尊敬する「パラ・アスリート」達に直接様々なお話も伺えて、また、話をせずともその背中を見て感じるもの、得るものもありました。

そういう方々と同じ舞台に立てた事を心の励みとし、でもそれに甘んじることなく、逆に僕がそう思われるような人間になれるよう、まずは結果をしっかりと出せるプレーヤーになる為の活動を行うよう、より自分に厳しく取り組んでいこうと思います。

この悔しさは忘れない。

みてろよ、自分!

アジアパラ競技大会 個人戦

2018年10月10日 16時46分41秒 | 日記
ベスト8で負けてしまいました。

予選は2位で通過。

その予選ブロック内で、相手は去年一度対戦した韓国のエース。

去年の経験もありますので、相手のプレースタイルも覚えていましたし、今年こそはと挑みましたが、予想に反する戦術の変化に、序盤はまんまとやられてしまう結果に。

でもそこでベンチコーチのアドバイスから、まだまだ僕には開けていない引き出しがあることを思い出し、その結果いいゲーム展開で競った内容になったのですが、アンラッキーが重なったのもあり(言い訳です)、結果は敗退。

次の試合は僕の苦手とするタイプの選手。

技術的に劣っているとは思えなくても、苦手意識のある選手というのはあるもので、2015年に同じ国の選手に逆転負けしたことがトラウマになっているのでしょう。
だからこそ、正直僕としては、悪い意味でものすごく力の入った、思考もネガティブに陥りそうになった試合となったのでした。

でも、これまで積み重ねてきたものが功を奏し、序盤は圧勝。
そこで逆に力んでしまいましたが、そういう自分を客観視することもでき、またベンチコーチの助けもあり、そこで流れを奪われるというか手渡すことなく勝つことができました。

これは僕にとって結果以上に大きな勝利でした。

自分に欠けていたパーツがひとつ埋まったみたいな感覚。

求めていたものをようやく掴んだ感じです。



そして決勝トーナメント。

ドローの結果、1回戦、僕はシードに。

そして準々決勝で中国の選手と対戦。

実は心の奥底で望んでいた対戦でした。

でも結果は0ー3で敗退。

さすがは中国、ここというところでの技術、点の取り方の巧さでした。

でも全く負けているわけではない。

自分で言うのもなんですが、試合前も実に落ち着いていて、メンタルにおいても相手を上回っていると思えました。

相手ベンチにはリオ・パラリンピック団体戦決勝時と同じコーチが入っていたので、そこにもまた相手の弱点の存在がある証だと思えたのでした。

勝てなかったけれど、敗因は明らかにわずかな技術の差。

でも、自分の技術で相手よりも優っていると思えるところも複数あった。

だからこそ、ほんの「1歩の差」なのだと思えたのでした。

大きな1歩?小さな1歩?

どちらでも構わない。

1歩は1歩。

それを詰めていくだけ。

その為には毎日の積み重ね。

ただ、その試合を振り返った時にふと反省したのは、「自分は日の丸を背負っている」という自覚、責任をその瞬間抱いていたか?ということ。

日の丸だけじゃない。

僕が背負っている、背負わせていただいている責任は多々あるけれど、ここ一番というところでそれを忘れていたのではないか?と反省。

試合に集中しているといえば聞こえは良い。

けれど、だからこそ、競った場面でその意識が道を大きく分けるんじゃないか?と。

目に見える、耳に聞こえる応援が、背中を押してくれた、力を与えてくれたという話はよく耳にする。

でも、応援というのはなにも直接的に届くものばかりではない。

その見えない応援が僕にはあるのだということを忘れちゃいかん!と猛省。

結局のところはその意識の大きさが、違いが、選手のスケールの違いでもあるんじゃないかと思ったのだ。

自分のことだけを考えて試合をする、活動するというのは実に簡単なこと。

責任を背負えば背負うほど、それは「プレッシャー」にもなりマイナスに働くけれど、逆にそのプレッシャーを味方につけらる人間が本当に強い選手であり、より強く大きなオーラを纏う選手になるのだと思う。

理屈はわかる。

と言うか、理屈がわかった。

あとはそれを実践できるかどうか。

そのやり方は人から教わるものじゃない。

もう100%自分自身で身に付けるもの。

それこそ「意識」でしかないのだ。

今回この大会にも、そうした意識を身につけている選手が大勢いる。

その意識の違いは結果的に目に見える。

意識を高く持っている人にはそれが分かるけど、そうじゃない人にそれは分からないのではないか。

最近そう思えるようになってきた。

日本では「意識高い系」などと皮肉る言葉もあるけれど、笑いたい人は笑えば良い。

意識を高く持つ人が僕はかっこいいと思うし、より強くなれるのだと僕は確信する。

だから自分もそれを目指す。

さぁ次は団体戦。

120%の力を発揮したい。

救急車で病院へ運ばれる!!

2018年10月09日 08時38分17秒 | 日記
本当は個人戦の結果を書こうと思っていたのに、表題のようなことになってしまいました。

しかもジャカルタで!

これは昨日、月曜日の話です。

まぁ脊髄損傷者にはよくあることなのだそうですが、僕にとっては初めて。その経験をこのジャカルタでしてしまいました。

逆にこれはものすごく幸いなこと。

スタッフの方々には大変申し訳ないけど。

だって、アジパラ期間中だからこそ、ドクターをはじめ経験豊富なスタッフによるメディカルの体制も整っているし、だから僕はただ頭痛薬をもらおうと伺ったメディカルルームで、僕の現状をヒアリングしてから速攻の診断と施術。

そこから2段階の対応を即断していただき、結局2段階目まで行った結果の病院。

でももう大丈夫ですよ、当日のうちに選手村へ帰ってきましたから。

選手村にはメディカル部門もちゃんとあるんですけど、それとは別に日本チームのメディカルがあって、超手際よく対応していただきました。

この場をお借りして、スタッフの皆様には心底、厚く感謝申し上げます。

これが通常の海外遠征だったり、日常生活でも起こっていたなら、そりゃぁ大変だったことでしょう。

そういう予備知識があれば対応も違ってたとは思うけど、僕にそれが全くなかったし、もしもを考えるとどうなったことやら・・・

幸いなことは重なるもので、次の試合まで中日は3日ある状況だったので、しっかり養生し試合に挑む猶予はあります。

現地のドクターにも確認をし許可をいただきましたから。

「競技はなんだ?」

「卓球です」

「そうか。大丈夫、しっかり頑張りなさい。でも、インドネシアには勝つなよ(笑)」

なんて会話もあったり、看護師さんもみな優しく手際よく笑顔の素敵な方々で、僕はさらにジャカルタが好きになりました。

そしてそれ以上に、日本人である喜び、幸せを強く実感しました。

スタッフの方々には申し訳ないけど、僕は類い稀な経験をさせていただきました。

このお礼は試合の結果で出さなければなりません。

これを書いている今日は通院翌日。

今日1日は部屋で休んでいなさいという指示をいただいています。

が、明日からはしっかり身体を動かすつもりでいるので、今日は自室で音楽でも聴きながら軽い運動を。

出来ればトレーニングルームへ行きたいけれど、それは様子を見て。

先ほども朝食を取るべく選手村内を軽く走って体の状態を確認。

ちなみに昨日は朝を軽く食べて以降は何にも口にしていません。

まだ少し上半身の疲労感は否めないけど、別段悪い状態でもない。

単なる疲労感に過ぎない。

でもここで何にもしないと、茹で過ぎたパスタ状態になってしまう。

僕はアルデンテがいいのだ(笑)

うどんで言えば、博多よりも讃岐状態。

知ってる人にしか分からないネタ(笑)

全ては次の試合のために。

僕の背中には日の丸がある。

僕はサムライだ。

今日1日は、大石内蔵助の2年間状態で、耐えて過ごす。かな?

貴重な経験と知識を得たジャカルタ。

お世話になったスタッフの方々には本当に感謝しかない。

その分、これからもっともっと頑張ります!

アジアパラ競技大会会場から

2018年10月05日 00時24分58秒 | 日記
アジアパラ競技大会でインドネシアはジャカルタに来ています。

宿泊する選手村は、6月のインドネシア・オープンで利用した所。

当時の工事も終えてあり、宿泊等はもちろん村の利便性は格段に上がっていて、実に快適に過ごせています。

アジア圏のみとはいえ、総合大会となる国際大会ですから、様々な国の様々な競技の選手が一堂に会するとても規模の大きなもの。
特に選手村の食事のエリアはものすごい規模で、もちろん料理のメニューも多岐にわたるのですが、利用者の数もものすごく、どのコーナー(アジア、インターナショナル、インドネシア、マクドナルド(笑)などメニューは様々)も行列が出来ていて大変。
でもそれは逆に海外の選手とのコミュニケーションの時間にもなるので、様々な国の選手たちと言葉を交わす楽しみもあるのが食事の時間なのです。

練習の時間は台と共に各国へ割り当てられています。

ですので、その時間に集中して練習を行い、あとの時間はコンディションの維持に努める、というと聞こえはいいですが、要は食事をし、体をしっかり休め、必要あればマッサージや逆にトレーニングを行う時間に当てるということになります。

僕は極力いつも通りのメニューを行いたいのでタイムマネージメントを独自に図り、食事もひとりで済ませるなど、周囲からはちょっと付き合いにくい男に思われているかもしれません(笑)

ただし、練習は一人でできるものではないので、誰かしらのパートナーを要します。
大半は選手同士で行うもの。
それはそれでメリットもありますが、普段とは異なる相手と異なるメニューの消化になるので、直前の調整としてより慎重に考えなければなりません。

相手に合わせる、遠慮する、ばかりでは、勝負の世界では生き抜いていけない。

それは何もスポーツに限った事ではないかもしれませんが。

そういう点でも、最近は成長できたなと、強くなったなと自分で思える瞬間が多々あります。

これもコーチの指導のおかげ。

まだまだ褒められるレベルにはいたっていませんが、上を向いて、自分の見ている方向へしっかりと進んでいこうと思います。

そんな僕が試合前、あるいは練習前によく音楽を聴いているのですが、「何を聴いているの?」と度々聞かれるので、ひとつ紹介(笑)

最近ハマっているのがカラム・スコットの「What I miss most」です。

「僕が一番恋しい(求める)ものは・・・」

それを胸に秘めて、いや、意識して秘めているのではなく、ただ口にしないだけで常に胸に抱いているもの。その元に行動をする。活動を続ける。

そして歌の最後には「maybe you'll never know(多分君が知ることはないだろう)」という言葉で結ばれる。

何かピタリとハマるものがあった、そんな歌です。

他にも、洋楽をはじめ映画や海外ドラマのテーマ曲、もちろん邦楽もありますし、ガンダムの曲もひとつありますね(笑)

好みは人それぞれですが、音楽は心を支えてくれます。

というわけで、明日もまた音楽を聴いて、しっかりと濃い時間を過ごしていこうと思います。

結果はその積み重ねに比例するものですから。

睡眠も大切な活動。

しっかり寝ます(笑)