車椅子で卓球@渡邊剛

2013年より車椅子卓球をスタート。備忘録の意もこめてここにブログを綴ります。
内容は基本パラ卓球、時々食文化。

身体のケアと、プロの恩恵

2019年06月23日 21時21分39秒 | 日記
先週末からの強化合宿を終えて、すぐに練習を再開。

でもその初日、その一番最初で、コーチは首をかしげていた。

いや確かに、自分自身いつもと違う感覚がある。

何が違う?

自分ではよく分らない。

でも、おそらく体の動きが違っている。

それが車椅子の動きとして明確に表れる。

だから、自分でもそれを意識して身体を動かす。

でもやっぱりいつもとは違っている。

卓球に関して「調子が悪い」というものではない。

しっかりと打球は出来ている。

でも、何かが違う。

そしてコーチに言われた。



「合宿に行ってダメになって帰ってきた(笑)」



誤解のないように断っておくけど、腕が落ちたとか、下手になって帰ってきたというわけではない(笑)

それはフィジカルの問題。

身体の動きそのもの。

コーチは一番最初、打つ前から、それを感じたという。

そして打ってみたら案の定という感じ。

練習前のトレーニングはいつも通りにやったけれど、その動きに関しても「ほぼ」違和感はなかった。

今思えばほんのちょっとだけ、いつもと同じ動きに対して違和感というか疲労感をより感じる部分があったな。

「それじゃぁ合宿も全然ダメだったでしょ?」

と聞かれ、

「サーブミスいっぱいしたでしょ?」

とも言われた。

「なんで分かるんですか!?」

と、僕は本当に驚いた。

合宿初日の夜、練習が終わった時はそうでもなかったけど、2日目の朝に「あ、疲れてる(動きに支障がある)」と思える部分があった。

でも、自分自身に疲労感はなく、合宿も最後まで問題なく行えたし、直後からトレーニングも普通に出来ていた。




「(トレーナーの)先生のところへ行きなさい」

と言われ、翌日すぐに行く。

そして先生からも一言、「うわ、ひどい(笑)」と言われる。

「ここまで悪かったのは最近では無いですよね」

という状態だった。

だから施術も「痛いですよ」と言われ、実際いつになく痛かった。



身体のケアが大切なのは理解しているつもり。

だから、練習前後にもルーティンを設けたりしているし、身体づくりにも意識を置いて取り組んでいる。

毎日体重を測ることはしていないけれど(測りたいけれど専用の機器が身近に無い)、自分自身を自分なりにだけど出来るだけ客観的に観察するようにもしている。



でも、今回は全く分かっていなかった。



逆にコーチやトレーナーはすぐに見抜いた。

まず見た目で判断してくれたのだ。

これはいつも見てくれているから。

ただ見るだけじゃない。

そういうレベルで見てくれている証。

これには本当に感動した。

すごくありがたく思う。

いつもそういう高い意識で僕に向き合ってくれているから、本人に自覚のない変化に気づき、それを指摘してくれるのだ。



僕は幸せを感じた。



健常者と違い障害を有する身体であるため、僕が初見の選手であれば、どんな能力の高い専門家であっても、その体の動きが障害によって出来ないのか、あるいは、本来は出来るけど疲労等によって出来ない、またはフィジカルが不十分なだけなのか、ある意味デリケートな問題にもなりうるので強くは言えない。

本人もそれが何故なのかは分からないと思うし、「障害があるから」と「思い込んでいる」人が大半ではないかと思う。

だから、専門家はまず当たり障りのないコメントになる。

そこから信頼関係を気づくまではそれなりの時間を要する。

フィジカルだけでなく、テクニカルもメンタルも同様のことが言えると思う。



だけど僕にはそうした的確な指摘を行ってくれる、高い意識と高い指導力を持ったプロフェッショナルのコーチ陣がそばにいてくれる。

それを今回改めて実感出来、本当に感謝の念に堪えない。

これからも遠征の際は欠かすことなくお土産を持って帰ろうと思う(笑)



お陰で今回の合宿で、なぜそこまで身体が疲労してしまっていたのか、それを考え、知ることが出来たのは大きなプラスになった。

フィジカル、メンタル、そしてテクニカル。

自分の感覚と実際のそれとではギャップがあって然りという現実。

それは年齢によるものかもしれないし、単なる力不足でもあるだろうし、でもどんな理由であれ、それをしっかりと見て、的確に指摘して、指導してくれる方々がそばにいてくれることにまず感謝。

そして、その恩返しを、結果で果たしていきたい。

今週末は国内地方遠征。

身体はまだ万全じゃないので、今週は練習の合間でケアをしっかり行っていく。

練習環境は拡大していけている。

積み重ねているものがそれなりの高さになってきたことの表れと受け止めているけど、まだまだその高さは足りていない。

ここで満足はしない。

僕が目指すところはそんなものじゃないから。

これからは勉強の幅をより広め、例えば5角形を6、7角形と広げ、さらにそれをより大きなものにしていきたい。



背伸びをせずに確実に。

何事にも謙虚に。

でも胸を張る。

そして努力を惜しまない。

理想というスタイルとゴールを現実のものにする為に、自分自身を甘やかすことなくケアし、より濃い活動をしていこうと思う。



プロフェッショナルの仕事っぷりは本当に格好よく気持ちが良い。

その恩恵にあやかれる自分はものすごく幸せだと思う。

次のお土産を考える(笑)

代表強化合宿

2019年06月18日 23時32分28秒 | 日記
3日間、味の素ナショナルトレーニングセンターで行われた合宿に行ってきました。

ちょっと強行スケジュールだった為、必ずしもベストコンディションとは言えない状況ではありましたが、でも体力的にも精神的にも全く問題なくやり遂げることが出来たので良かったです。

何が強行スケジュールだったかというと、実は前日に岐阜県内の中学校へ行ってきたのでした。

福祉活動に力を入れているその学校での講演と、その後で卓球部の部活動に参加。

移動は車を自走してなので、帰宅したのは金曜日の深夜25時。

そして土曜日13時からの合宿なのでした。

岐阜県での予定の方が先に決まっていたので動かすことは出来ませんし、翌日の合宿は午後からだから大丈夫と思っていましたが、ただ、前日の睡眠時間に一抹の不安があり、案の定初日の睡眠は僅か4時間のみ。

唯一それだけがネガティブ要素。

でも、それ以外は、岐阜県の中学生をはじめ先生方や伺った先の様々な方々のご好意や、熱く温かいコミュニケーションもあり、逆に心が満たされている状況だったので、疲労感みたいなものは一切感じませんでした。

むしろノリノリ(笑)



で、その合宿。

車椅子同士でのゲームを含め、練習というのは、僕にとってはごく稀なもの。

だから、改めてその特殊性を再確認するいい機会となりました。

健常者の卓球とパラ、特に車椅子の卓球は違う。

この合宿で、それがより細やかに理解できて来た感覚があります。

それは僕が健常者卓球を習得すべく活動しているから(笑)

健常者、それもプロコーチをはじめ大学生など力のある選手とばかり打っているから、僕の卓球はよりその方向へと進んでいるのだと思います。

でも僕はそれが間違っているとは微塵も考えてはいません。

だって、僕の考える車椅子卓球はその向こう側に存在しているから。

今まで学んできたこと、磨いてきたものも自分の中で確認できたし、その手ごたえもしっかり掴むことが出来たけど、これからはもう少し車椅子卓球という独特な世界を、より細かく分析し、考え、学び、身に着けていかなければいけないなと痛感。

僕のオリジナリティが現れるのはそれからだなと。

逆に、それさえ身に着ければ案外道は楽に進める、そんな気さえしてくるような、いや、それは調子に乗り過ぎだな(笑)、でもそう思えるくらいに自信が持てた部分が今回の合宿ではあったのでした。



あとは、毎日の練習内容をちょっとだけ修正し、より試合で活かせるメニューを組み立てていく。

そして、練習以外の活動をもっとレベルアップさせていく。

特に栄養と睡眠。

トレーニングも同様だな。



ナショナルトレーニングセンターは国内の様々な競技のトップアスリートが集結している場ですから、みなさんその教義に特化した体つきをされていて、特にダイニングでの食事の際、毎度のことながら僕は皆さんの体をまじまじと見ていたのでした(笑)

卓球のトップ選手も練習されてましたが、テレビや雑誌で見るよりも筋肉質でしっかりとした立派な体つきだし、どの方々も「かっこいい」と心底思う、まさに、見るからに「アスリート」なのです。

その方々の目には、逆に僕はどう映っているのだろう?

パラの選手なのは一目瞭然。

でも何の競技なのかはきっと想像がつかないはず。

むしろ「スポーツやってる体格」に見えているのかがすごく不安。

人は見た目で判断されるから、目に見える体のシルエットはスポーツ選手としてはすごく重要だと考える。

そして、それに伴う所作全般、立ち居振る舞いにも、その意識が表れてくるもの。

移動するときの動き、身のこなしなどがそれだし、休憩の仕方ひとつとっても同じことが言えるはず。

障害があるから仕方ないとかは言い訳でしかなく、まずスポーツ選手としてあるべき姿を踏まえていなければ、同じ土俵には上げていただけないし、仲間として見てはもらえない。

僕はどう映っているのか?

合宿ではそれが最も気になったかもしれない。

集中できていないな(笑)



とにかく、練習以外の面でも実りの多い時間となったのでした。

そして、帰宅した直後に荷物が届く。

なんと、思い付きで応募してみたいつも買っている商品のキャンペーン。

それに当選していたのでした。

そんなこと、子供のころ依頼だぞ、と。

驚きと共に、何か新しいことが起こるような、自分自身新たなステージへと進めたんだなとかなり大きく考えるのでした(笑)



さぁ、しっかりと頑張っていきます。

合宿を終えてから次の国際大会までのプランを早速立てて、普段練習することの無い方々との練習もどんどん予定できてきて、成長のためのより濃い時間が構築出来ていけそうです。



日本車椅子卓球を新たなステージへ。

その為にはまず健常者卓球の理解と習得。

障害を言い訳にしない。

まずやる。

やってできなければ、出来るまで努力する。

出来るか出来ないかを判断するのは自分以外の人に任せればいい。

それを自分で判断すると、そこには甘えが生じるから。

その為のコーチであり、その為の卓球環境なのだから。



自分を甘やかさない。

練習、トレーニング、栄養、睡眠、そしてメンタルも。

新しいステージを突っ走っていきます!

国内大会遠征

2019年06月11日 21時14分21秒 | 日記
毎年この時期に名古屋で開催される「東海障害者卓球大会」に出場してきました。

今年で38回目だそうです。

伝統ある大会ですね。

会場は名古屋の障害者スポーツセンター。

土日2日間で団体戦と個人戦が行われるもので、毎年各地から多くのパラ選手が参加される大会です。



僕はこの大会に出場するのは2~3年ぶりくらい。

そして結果。

まず初日の団体戦は3位。

翌日の個人戦はベスト8での敗退となりました。



自分自身の調子は悪くなかったと思います。

でも、調整が上手く出来ていなかった感は否めません。

対応力がまだまだ足りていないということ。

そこはまだ経験値の足りなさでもあるのかもしれないし、メンタルの問題でもあり得るのでしょう。

そして、コンディショニングに失敗してしまうというハプニングが。

体調不良を起こしてしまったのでした。

幸い大事には至りませんでしたが、そのことにより2日間集中力を欠くことになるし、最悪の場合棄権ということにもなる。

常に注意してはいることですが、それがまだまだ不十分だということでしょう。

逆に良い経験にもなりました。今後に活かします。



今回はタイトルを狙うというよりも、今後に向けた自分自身の調整を考えたエントリーだったので、終わってみると、もっとしっかりやっていればと悔やまれるシーンが複数ありました。

その瞬間も分かってはいたのですが、「私」を優先してしまうことに。

まだまだ若いですね、悪い意味で。

コーチにもそのことを伝えましたが、「それはダメ」と叱咤いただきました。



今大会全ての試合においてそうだったのですが、とにかくミスを連発してしまう。

相手に点を奪われるのではなく、自分のミスにより点数を与えてしまう展開がずっと続きました。

なぜそのミスをするのか?

ミスといってもひとつではありませんが、それら複数のミス一つ一つを、今の僕なら分析して修正することは可能ですし、常にそれを心がけているのに、今回はそれが出来ていなかった。

その「なぜ」が重要。

それこそ「メンタル」だと反省しています。

今回の会場は初めてではなくても不慣れな空間であることに変わりはないのですが、そのことは別段気にはなりません。

ですが、試合の進行の違い、その点において集中力を満たしきれていなかった、注意力が散漫になっていた感は否めません。

体調不良もそうですが、パフォーマンスを発揮しきるためにも、まずはコンディショニングの重要性にもっと留意して活動しなければと思いました。



結果的に自分のミスにより、相手に点数を与えた結果負けるという内容。

相手から奪われる点数は数えるほどしかなかったのに、自分が相手に与えるから、相手の方が先に11点になる。

逆に自分の得点は奪うものの方が多い。

だから、はたから見れば僕のペースで試合が進んでいるようにも見えたと思います。

けれど、相手から与えられるものが少なかった。

自分が奪うよりも相手に与える点数の方が多くなっていて、結果的には相手の方が先に11点に到達することになる。

それがさらにストレスとなり、自身のフラストレーションはどんどん蓄積していき、声を荒げたくなるような瞬間さえあったほどでした。

タイムアウトが取れればそこはまた少し違ってはいたと思いますし、その瞬間にそれを思うこともありましたが、それはタラレバでダメな話。

そういうところにメンタル・トレーニングが効果を発揮することも学んではいますが、今回はその余裕すらなかった(笑)

そこにはコンディショニングも関係してきますが、いずれにしても、まだまだの更にまだ、もっともっと精進しなきゃいけません。



ただ逆に、フィジカルやテクニカルの部分においては確かな手ごたえを感じましたので、それは大きな自信になりました。

積み重ねているものは間違いなく身についている。

それを確かめるのが今大会の主なテーマ。

それは自信になりました。

でも今大会、普段練習していることはごくわずかな部分しか出せなかった。

それがなぜ出せなかったのか?

それが今後の課題です。

そして散々重ねたミス。

何故そのミスを犯してしまうのか?

物理的な要因は分かっている。

それをどう克服するか、回避するか、そこにはメンタル面も重要になるし、テクニカルな部分も求められる。



それをすぐに修正する環境が僕には存在している。

試合を終えてその日の夜に帰宅し、翌日すぐに試合の動画を持ってコーチの元へ。

それをチェックしてもらい、その課題をすぐに修正。

そしてあらたなテクニックの習得、磨きにかかる。

負けて悔しい?

イライラする?

そんなことを言っている暇はない。



コーチからは「負けたって聞いたからボロボロだったのかなと思ったけど、全然悪くはなかった。むしろ、あれで負けてちゃダメでしょって感じ(笑)」と言っていただく。

「タラレバだけど、21点だったら勝ってるよね」とも。

コーチに成長を認めてもらえるのが本当にうれしい。

でも、結果は結果。

21点の試合なんてもはやないのだから、11点で勝たなければ意味が無いのだ。



こうしている今も、時間は刻一刻と過ぎていく。

立ち止まっている暇も、振り返って後ろを見ている暇もない。

前を向いて突き進んでいくだけなのだ。



さぁ、今回のふがいない結果を糧として、もっと高みを目指して頑張っていこう。

団体戦でチームを組んだメンバーには深く感謝する。

彼らのモチベーションがあったからこそ、ある意味僕は腐らずに済んだのかもしれない(笑)

良いメンバーと共に戦えたことを本当に嬉しく思うし、これからもそれを大切にしていきたい。

そして、そんな彼らをリードして、邁進していけるプレーヤーでありたいと思う。



とにもかくにも、毎日の真摯な積み重ね、それしかない。

今月はもう一つの国内遠征があるので、そこはしっかりと勝ちを狙っていこうと思います!