車椅子で卓球@渡邊剛

2013年より車椅子卓球をスタート。備忘録の意もこめてここにブログを綴ります。
内容は基本パラ卓球、時々食文化。

2018年を振り返る 反省記

2018年12月30日 09時27分11秒 | 日記
まさに大きなターニングポイントとなった一年だった。

卓球活動を行っていく点において、多角的な変化があった。

でも、そのすべては自分で意図したものであり、その方向へと変化することが出来たのは本当にありがたい。

まずは、そうしたチャンスを与えてくださったみなさんに深く感謝したい。



一番はシスコシステムズ合同会社との出会い。

まだまだ不十分な僕を選手として扱っていただき、僕はそれだけでものすごいチャンス、恩恵を受けることが出来ている。

それが僕に計り知れないくらいの大きなモチベーションを生んでくれている。

自分がどうあるべきか、どう進むべきかを、選手としてだけでなく「社会人」として、「日本人」として考え、行動するパワーをも与えてもらったような感覚があるけれど、それはシスコシステムズという企業だったからこそだとも思える。



それを根幹として、そこから伸びた枝葉が、僕に技術面、フィジカル面、社会人としてのスキルなどなど、様々な成長の糧、チャンスを与えてくれたような、そんな気がしている。



弱気なことを言えば、もうあと1年でも早く始めていればなぁと思った瞬間が、今年2回くらいあった。

でも考えてみれば、僕の卓球人生は T.T Labo という卓球場との出会いからスタートしたようなものであり、その卓球場のオープン直後から僕はお世話になっているので、T.T Labo のない卓球生活を1年前倒しして始めていたところで、もしそうしていたら僕は逆にストレスに倒れていたり、モチベーションを失っているとか腐っているとかしていたかもしれないし、シスコシステムズとの出会いのタイミングもずれていただろうし、他にも様々な方々との出会いも違ったものになっていたかもしれなければ、出会いそのものが無かったかもしれないわけで、同じような卓球生活を行っていたかどうかが逆に不安に思える。



だから、僕は今の自分がきっとベストなのだ。



もっともっと練習したい。

その為には何が必要なのか?

その為にはどうすべきなのか?

去年よりも今の自分の方がより具体的に、明確にその手段を見いだせている。



先日行ったタイでは、思うような結果が出せず悔しい思いをした。

一年間の計画は思うように進めずに、平行線をたどっていたのが一番最後でさらに足元をすくわれるような結果に落胆した。

正直なことを言えば、「あぁ、どれだけ頑張ってもこれが自分なのかな」と、弱気になったりもした。



がしかし、そんなネガティブ要素は帰国後の練習初日で消し飛んだ(笑)

これもまた今年の大きなターニングポイント。

僕には強くそう思える、確信できるくらいの大切な、とても重要なもの。

年の瀬に、そういう大きな変化、ビッグチャンスを掴めたのだ。



これが今の僕だ。

僕はそういう環境に身を置いているのだ。



様々な角度から僕を「叱咤激励」してくれるみなさんがいてくれる。

でも、年齢を重ねていくと、なかなか人から「叱咤」していただくことなどない。

障害を負う身であれば、人からはより気遣っていただくので、それが「叱咤」とは逆のベクトルともなる。

また、人を「叱咤」するのにはそれ相当のエネルギーを要するから、案外簡単なことでもなかったりもする。

けれど、僕にはそうしてもらえる環境があり、それが僕に成長をあたえてくれていることをも実感できている。

その必要性に気付いたのも今年のターニングポイントとなったし、その結果もまたターニングポイントとなった。



僕はひとりでは成長できていない。

成長できない。

自分の望む方向へ進んでいたとしても、それは自分だけの力ではなく、様々な方からの恩恵を賜ってこそなのだと改めて思う。

「諸法無我」なのだ。

落ち着いた心境でそう思えるのもまたみなさんの支えがあればこそ。

その感謝を忘れることなく、これからはさらに自分を磨き続けていきたい。



年が明ければ早速のスタートとなる。

だから正月をゆっくり過ごすわけにもいかない。

そして3月からはワールドツアーがスタートする。

2020年に向けては、もう来年一年しかない。

(正確にはもう3か月あるけれど、そこはほぼ期待できない3か月間)。

泣いても笑っても来年で決まる。

その結果で、それから先の人生も大きく変わる。

まさかこんなシビアな人生を歩もうとは思ってもみなかった(笑)

車椅子にならずに、そのまま仕事を続けていたら、こういう思いはしていない。

それまでの人生で経験のない思いだから。

スポーツ選手ってすごいなぁとは思っていたけど、自分がやることでそのすごさをさらに大きく知ることが出来た。



障害を負うことで、僕はチャンスを掴んだ。



それが僕の人生を豊かなものにしてくれた。

色彩をもっともっと複雑に、美しくしてくれた。



今そう思えるのは、今年のターニングポイントが素晴らしいものだったから、それに違いない。



さぁ、来年もしっかり頑張っていこう。

2018年、望む結果は出せていない。

でも、積み重なったものは確実に存在している。

それは実感できている。

努力は必ず結果を生むものではない。でも、努力は無駄にはならない。自分を裏切ることなく積み重なっていく。

それを2019年に開花させよう。

開花させるためにまだ努力が足りないのであれば、足りるまでさらに積み重ねよう。



大丈夫、僕には出来る。



やってやる。



やってみせる。



みてろよ、自分!



最後に、今年僕にたくさんの恩恵を与えてくださった多くの方に、この場をお借りしてお礼申し上げます。

来年はさらにしっかり頑張ってまいります!

2018 タイ・オープン@チェンマイ

2018年12月25日 11時20分50秒 | 日記
2018年最後となる試合に行ってきました。

結果は個人戦は1勝2敗で予選敗退。

団体戦は予選2位上がりで決勝トーナメントへ。銅メダルを獲得。



内容は良かった点と悪かった点が極端な感じ。

自身の成長は実感できました。

「こいつらに勝ってポイントを取る」と、狙っていた選手とは1試合も出来ず、まずそれが残念ではあったけれど、でもそれは仕方のないところ。

逆に、苦手意識というわけではないけれど、当たりたくないなぁと思っていた選手ばかりとの組み合わせとなった予選。

格上選手2人に勝ち切ることが出来ませんでした。

いずれも過去に対戦したことのある選手。

その差を確認できるいい機会でもあり、ここで食ってやる!という気持ちで挑みましたが、やはり相手も成長している、そう簡単にはいきませんでした。

もちろん良い部分もありました。

「よし」と思える部分、技術的に自信が持てたもの、それこそ練習の成果は発揮できたし、頭の働かせ方、データ収集能力、視野の広がりなどは以前よりも成長を実感出来たし、途中の戦術転換など今までになかったことが出来、またそれが功を奏すなど、その手ごたえも得たけれど、総合的にまだまだ足りない部分が多いことも痛感。



先に11点を取ったほうが勝つ。

その為にどうする?何をする?何に気を付ける?

何か一つ得意技があっても、総合力で上回っていなければ勝利はつかめない。

個人による対人競技であるが故の難しさが大きく存在するのが卓球。

採点競技と同じようなトレーニングや活動、戦術を練ったところで、自己ベストが必ず勝利を生み出すものではないのだ。



今回は思わぬ敗戦も味わった。

上ばかり見ていた僕の、足元をすくわれたような結果だった。

でもこれもまた自分の総合力の低さが生んだ結果。

修正を試み、それを実行し、もう少しのところまでいくも、そのもう少しが足りずに敗戦。

そういった結果が、明確な反省材料を与えてくれる。



何をどう取り組んでいくべきか。

今までのやり方ではまだまだ足りていないのだと教えられる。

ライバル視している友人よりも、僕の方がずっと成長できていると思っていた。

が、しかし、その彼の方が良い結果を出していた。

ということは、彼の方が積み重ねているということだ。

井の中の蛙とはまさにこのこと。



正直、情けなく思えた。



自分がなめて見られていると思えた。



それが一番悔しかった。



こんな悔しさは久々だった。



だからこそ、見返してやろうと思う。



今回の結果で来年の予定を大きく修正することに決めた。

2020を目指すことにおいて、来年は勝負の年。

泣いても笑っても来年の結果ですべてが決まる。

何をどうする?

道は見えている。

それを進むための力は備わりつつある。

自信は持てている。

ただ、足りないものを補う必要が人一倍あるだけ。

それはもう、自分の努力でしかない。

足りないものは努力でしか補えない。

大丈夫、僕なら出来る。

頑張る力はまだまだある。

背中を押してくれる期待や声がたくさんある。

そんな僕を見てくれている方が大勢いる。



スポーツ活動を行うにあたって、自分がどうあるべきかをよりシビアに学べた2018年。

シスコシステムズ合同会社という超一流企業との契約もあり、僕自身の活動はより濃いものにすることが出来ている。

が、まだその濃さをより深いものにしなければならない。

そこにマニュアルはない。

自分で考えていくしかない。

でも僕にはそれを考える能力がある。

根拠はないけれど、その自信がある。

その僕の活動をサポートしてくれる方々が多くいてくれるから。



さぁ、2019年をもうすぐ迎える。

この1年間で積み重ねてきたものは確実に僕の手に存在している。

それを今度はもっと大きなものにすることが課題だ。

さらにそこに枝葉を付け加え、より豊かなものにしなければならない。

結果はその向こう側にある。



胸を張って、威風堂々、品行方正に取り組んでいこう。



そして、あいつらを見返してやろう。



大丈夫、僕なら出来る。

地元一般団体戦出場。

2018年12月15日 20時59分28秒 | 日記
年に2度の一般大会(団体戦)に出場してきました。

健常者の大会。

車椅子は僕一人。

車椅子ルールは無し。

今回はリーグ5チームで4試合。

ダブルスの後にシングルス4つ。

僕は全ての試合でシングルス1番手で出場。

結果は3勝1敗で勝ち越せました。



楽しかったです。

でも、今までで一番厳しい試合でした。



まず1試合目。

間近の海外遠征を控えて、対策練習をしてきたタイプのベテラン選手と対戦。

序盤は固くなっていたのもあって、ミスが多くなりリードを許す。

でも内容的には練習の甲斐あって終始落ち着いたプレーが出来ていた。

だから、リードされても冷静。

また、途中で自発的に戦術変更をすることも出来た。

ただ、相手選手は僕の手が届かないところへサーブを出すのがものすごく上手い方。

ここ一番ではそこを狙われ、案の定ノータッチで失点という展開が続く。

でも、終盤は逆にそれを待つことも出来たので、結果的にはフルセット11-9で勝利。

初戦から熱く楽しめた。



2試合目。

僕とラバーの組み合わせがほぼ同じベテラン選手と。

でも、そこから想定した展開は的を得て、終始僕のペースで試合を運ぶことが出来ストレート勝利。



3試合目。

若手の地元注目選手。

学生時代の成績は全国レベルの方らしい。

確かに、質の高いボールが撃ち込まれる。

でも逆に僕のような前陣べったりのジュニア選手のような卓球には不慣れだろうから、思うようなプレーが出来ないストレスもあったでしょう、1セット目は僕がとることが出来たのでした。

でもそこから先は僕の悪い癖が出て、同じミスを度々して、逆転の1-3で敗退。

ただ、今回の試合で自分自身チェックしたかったことは確認できたので、こういう選手と対戦できたのはすごくありがたかったし嬉しかった。

チームメイトからも「楽しそうだった」と言われる(笑)



そして4試合目。

以前にも対戦したことのあるチームで、相手は僕のことをよく知っている感じ。

対戦相手は若手のエースだと思う。

自分の体の動きも悪くはなかった。

内容も悪くない。

けれど、2セット連取される。

一番厳しかったのは、やはり届かないところへのサーブ。

それをどう攻略するかがカギとなった。

届きさえすればレシーブする自信はあった。

さぁどうする?

試合中に頭を巡らせる。

自分のサーブからの展開もいろいろ考える。

パラ卓球の車椅子同士の試合とは異なる戦術の幅の広さがある。

それがすごく楽しいし、またいつもとは異なる緊張感を生む。

お互いに頭を使い、身体を動かし、相手を見てプレー。

結果的には0-2からの逆転、3-2で勝つことが出来た。

最後は8-6でリードして、よし!このままいくぞ!というところで8-8に追いつかれる。

そして9-8でリードするも、9-9になり、そこから勝つことが出来た。

以前だったらそんな勝ち方してないよね?と自分を褒める(笑)



遠征前にこういう濃い試合が出来たのはありがたかった。

相手が健常者だからこそ、そういう試合が出来たのだとも思う。



その感覚のまま遠征へ挑む。

コンディションの維持がカギになるのはいつものことだけど、緩まないように気を引き締めて挑みたい。

積み重ねてきた成果を感じ、cm単位で見えていたものがmm単位で見えるようになってきたこの頃。

成長の反面、課題もより明確になるし、新たな課題にも気づく。

でも、焦ることなく今は今持つ能力を最大限に発揮することに集中したい。



みんな努力を重ね成長しているのだ。

その中で、僕が一番成長しているのだと言えるように頑張りたいし、そういう結果を出したい。



気持ちは高まるけれど、落ち着いてもいる。

さぁ、今年最後の遠征へ行ってくる。

信頼出来ることへの感謝

2018年12月11日 22時55分20秒 | 日記
愛情とはなんだ。



若い頃、「伝達」という言葉を学んだ。

「伝え達する」ことが伝達だというのだ。

ただ伝えるだけではだめ。

それは単なる情報のアウトプットでしかなく、伝えた相手がその情報を理解して初めて「達する」のだという。

なるほどなと思った。



コーチから卓球の指導を受けていて、今まで同じことを度々言われてきた。

一度言われて直ぐに理解できることもあれば、頭では理解できてもなかなか思うように出来ないことも多々ある。

だから、繰り返し言われる。指導を受ける。

でも、指導者がそれを毎回同じことを繰り返し言うのでは、言われる方からすればただ面倒に思えてくるだけになるかもしれないし、ネガティブな思考に陥ることも考えられる(指導を受ける側のモチベーションの問題でもあるけど)。

一度言って伝わらなければ、表現を変えるとか、相手が理解できる手段を考えるべきだと思う。

相手のことを思って伝える。

指導とはそういうものだと考える。

それが「伝達」であり、教育であり、信頼を伴った上下関係というのはそういう土台があって初めて成立するものだと思うのだ。



今日、改めて僕はそれを目の当たりにした。

いや、体感した。



コーチから今までと同じ事をまた言われた。

それがどういうことなのか、なぜ良くないのかは分かるつもりなのだけれど、なかなか上手くできないものなのだ。

決して口には出さないけれど、自分の中でそれを障害のせいにしたりもしていた。

だけど海外のトップ選手はそうじゃないから、それは言い訳でしかないなとも思っている。

でもやっぱり出来ない。

コーチは出来るはずと言ってくれる。

そしてまた今日言われたのだ。

でも、今日はちょっとコーチの表現が違っていた。

するとどうだ!

ついに出来たのだ!

なるほど!そういうことか!と、ようやく自分のものに出来た。

それはコーチが表現を工夫してくれたから。

ただ自分の言葉で言うだけではなく、伝達を繰り返し試みてくれたことの結果だと、その恩恵だと思っている。

そういうところに、コーチのプロフェッショナルさ、指導者としての愛情を感じる。

だからこそ、尊敬できて、コーチの言動を信頼できるのだ。

コーチが、「カラスは白いよね」と言えば、僕は「真っ白です!」と答えられる・・・かもしれない(笑)



「義」とか「仁」とか、そういった感覚はそういう信頼関係の上に構築されるもので、お互いに損得勘定を超えて動ける、動いてもらえる関係を、僕は本当にありがたく思うし、それを続けていきたいと思える、またその為に努力していきたいと思える人に出会えたことは本当に幸せなことだと思う。

なかなかそう思える人はいないものかもしれないけれど、幸いなことに僕はそういった方々と出会える機会がものすごく多い。

それはチャンスなのだ。

でも、チャンスというのはチャンスでしかない。

成功とか目的の達成はその向こう側にあるもの。

チャンスを「もの」に出来るかどうかはあくまでも自分次第。

自分の努力でしかない。

そして、努力に絶対はない。

完璧もない。

報われない努力も多々ある。

でも、成功者は間違いなく努力をしている人。

だから、自分も努力を惜しんではいけない。

努力を惜しまずにやってきたからこそ、伝え達しようとしてくれた方の気持ちが理解できるのかもしれないし、それをものに出来るのかもしれない。



今日ようやく理解できたコーチの指導。

それが出来たのはコーチの気遣いと、自分で言うのもなんだけど、これまでの積み重ねがあったからこそだとも思っている。

一つの扉が開けば、見える景色は案外大きく変わるものだ。

空気そのものが変わり、居心地自体が大きく変わる。

さぁ、もっともっと頑張っていこう。



来週はいよいよ今年最後の海外遠征。

帰国後も忙しい日が続く。

なかなかゆっくりできる日はない。

でも、そんな僕の成長を促してくれる方々が、僕の周りにはたくさんいてくださる。

だから、毎日を楽しく活動できる。



甘えない。

ストイックにいこう。

その向こう側の、ずっとずっと先に求めるものはある。

大丈夫、僕ならやれる。

さぁ、しっかり調整をして、コンディションを整えて、まずは遠征に挑みたい。