車椅子で卓球@渡邊剛

2013年より車椅子卓球をスタート。備忘録の意もこめてここにブログを綴ります。
内容は基本パラ卓球、時々食文化。

すべては気持ちの持ち様。

2018年11月30日 19時23分19秒 | 日記
先だっての大阪での全日本。

あまりにも不出来なその試合内容に、正直僕は自信を無くしていた。

12月にも予定している海外での試合も、こんなんじゃダメだ・・・と、弱気の状態で挑むことになるなと思ってしまうほどだった。

それもあってか、体調を崩してしまいという負のスパイラル。

でも、不思議と気持ちが下を向くことのない性格なので、その中で何かしらをやろうと試み、出来ることをしちゃう結果、回復を遅らせてしまうという更なるスパイラルに苦しむ(笑)



だけど、その甲斐あってか、練習すると調子は思っている以上に良い。

むしろ、自分の可能性がさらに大きいことを実感してしまえるほど。

「いける!」

と思えるのだ。

別段何かを変えた、新しくしたなんてものは全くない。

練習メニューも全く変わらない。

でも、明らかに違ってきている。

それはなぜ?

フフフ・・・

自分で言うのもなんですが、あえて言います。

これまでの積み重ねでしょう(笑)



車椅子で始めたころは全然だったものが、今ではイメージ通りに出来つつあるような感じ。



入院中、リハビリでやったときは「全く駄目だ」と思った。

楽しさの欠片も感じなかった。



6年前に始めてからは、自分のイメージに近づこうと試行錯誤し、出来ることを懸命に取り組んでいった。

そしてコーチに出会い、そこで初めて、求めるものを得られた。

それまで足し算だったものが掛け算になった感じ。

だから、楽しさも飛躍的に増した。

より頑張れるようになった。

ストレスも無くなった。

それがようやく実を結び始めた頃なのか?

出来るようになれば、周囲の僕を見る目も変わってくる。

イコール、環境の変化となる。

そうすると、人間関係も飛躍的に拡大し、求めるものがより近くなるし、より質の高いものが得られるようになってくる。

チャンスが目に見えていて、手の届くところにあるということ。

掛け算が乗算になった感じ。



でもそこで勘違いをしてはいけない。

常に謙虚に。

驕ってはいけない。

背筋を正し、胸を張りつつも、こうべは垂れる。

品行方正。

インテグリティをしっかり持つ。



イメージに追いついた、そこに到達出来たからこそ、ここから先は僕の未知の世界となる。

ある意味、ゼロベースでの成長を楽しめる世界となる。

成長の方向が360度広がっている世界なのだ。



ただし、世界のトップの連中は、すでにこのポイントを過ぎていて、さらに高みへととっくの昔に上っていることでしょう。

そして、そのポイントに到達できたから試合で勝てる、なんていうほど勝負の世界は甘くない。

常に謙虚に。

でも胸を張る。

焦らない。

余裕を持つ。

しっかり足元を見て、確実な一歩を踏み出す。

その一歩を繰り返す。

先を急がない。

遠くを見すぎない。

まずはこの一歩を大切にしよう。

結果はあとからついてくる。



さぁ、まずはコンディションの回復!

気を緩めるな!

第10回 国際クラス別パラ卓球選手権大会

2018年11月19日 22時47分10秒 | 日記
満を持して挑んだ大会でしたが、結果は3位となりました。

残念ながら優勝することは出来ませんでした。

非常に悔しい結果です。



僕のクラスに限らず、車椅子卓球は全般的にレベルが上がってきていると思います。

そのスタイルが旧世代と新世代に分けられるような、そんな見方もできる印象です。

各クラストップに立ったのはベテランの方々。

あるいはそのスタイルを彷彿とさせる選手。

でも、新しい世代が確実に伸びてきていて、それが各クラスで躍進した、そんな大会でもあったように思いました。



今回の僕の組み合わせは正直言うと、決して楽な組み合わせではない、むしろ危機感を抱くような予選ブロックなのでした。

すると案の定、初戦から2セット立て続けにデュースの展開で、しかもセットカウントは1-1に。

かなり焦ってました(笑)

今までの僕だったらそこで負けてたかもしれません。

でもそこからは逆に自分のペースに持って行けたので、そこは成長を実感できるものでした。



2試合目もフルセットの接戦に。

しかも1セット目を取るも、2、3セット目は奪われるという展開。

ところが、そこから逆転。

最後のセットは完全に自分の流れでゲームを運ぶことが出来ました。

これも成長の証といえるでしょう。



決勝トーナメントは1回戦シードで準々決勝からとなりましたが、その試合はストレートで勝利。

終始落ち着いてプレーできたことが良かったですし、落ち着いてプレーできたのは、ある意味積み重ねてきたものに対する自信があったからだとも思います。



そして準決勝。

越えなければならない壁。

でも今回超えることは出来ませんでした。

何がよくなかった?

8月の中国大会を思い出します。

相手は何もしていない。

相手が何かをする前に、自分が頑張って、力んで、ミスをして、結果的に相手に点数を与えてしまう。

相手から奪われた点数はほとんどありません。

大半は僕のミスによる与えてしまった点数です。

打っても打ってもミスをする。

後から考えれば、何が悪かったのかいろいろ思い浮かぶものですが、その時は集中・・・ではなく、ただがむしゃらになっているので、冷静さも欠き、タイムアウトを取ることすらも忘れているような始末。

ホント、情けなかったです。



3位決定戦は予選で対戦しフルセットとなった選手と。

彼は今伸び盛りの高校生を食い、さらに去年までずっと3位のポジションにいた選手にも勝ち、そこまで上がってきた勢いのある選手。

予選では逆転での勝利。

ここでどう勝つかが自分の真価を問われると思いコートに立ちました。

結果的にはストレートで勝利。

決して楽な試合ではありませんでしたが、終始流れをつかむことが出来ていたので、同じ大会で2勝するということ自体が自信になるものでもありました。



今回の試合、良い調子で迎えられたと思っていましたが、一つのボタンの掛け違えから調子を崩してしまったように思えます。

でもそれは自分自身の調整の幅が狭いからに他なりません。

調子の良しあしにあわせて調整をする。

それが本物の選手でしょう。

自分の特徴的な技術が発揮できないまま終わってしまった。

終始守りに入りながらの展開。

それはその技術がまだ実用段階に達していないからであり、それは他ならぬ練習不足ということになる。

深く反省です。



今回はコーチが帯同してくれて、そのダメな試合を100%見てくれたので、これからはさらに厳しくなっていくことでしょう。

楽しみです(笑)



そして、今回は会社の方々がプライベートで応援に駆けつけてくれました。

さらに会社の動画撮影チームも撮影&応援に。

そして田舎からは両親と、妹&姪っ子も。

そうした応援をたくさんいただけるのはとてもありがたく、そして心強いもので、接戦をものにできたのはそうした支えがあったからとも思います。



フィジカル、テクニカル、メンタル。

いろいろな要素が複雑に絡み合って、それが流れを生み、試合を運んでいく。

でもそれらを強くするのは、もう単純に自分自身の努力でしかない。

それを改めて痛感しました。

準決勝で情けない試合をやってしまったのは、自分の努力がまだまだ足りていないだけ。

コーチをはじめいろいろな方からいただいたアドバイスを思い返せば、「その時どうする?」の答えは明確だし、それが出来るだけの練習もしてきている。

なのにその判断が出来なかったというのは、それをまだ自分のものに出来ていないということの表れであり、それはまだまだ練習不足だよね、ということの証でもあります。



さぁ、うかうかしてはいられない。

新世代の先頭を僕が走っていけるように、毎日をしっかり頑張っていきます。



次はタイ。

さぁ、しっかり頑張って、次こそは・・・

毎回言ってるなぁ。

いやそれでも、しっかり頑張って、結果を出せるように取り組んでいきます!

試合を間近に控えて。

2018年11月11日 19時18分48秒 | 日記
今改めて思う。

卓球をやってよかった。

スポーツを始めてよかった。

脊髄を損傷し車椅子生活となって、それまでの目標も生活も人生設計すらも変更せざるを得なくなり、その先の自分自身の可能性を見出せない、後の人生は惰性となるのかななんてネガティブに思う瞬間もあった。



でも、6年前に卓球を始める。

まず初めに目標ができた。

気持ちがしっかりと前を向いたのだ。

そして、それを達成するための努力を始めた。

さらに、その努力をどのようにすべきか、より効率よくやるにはどうすれば良いかと頭を働かせるようになった。

色々な情報を仕入れ、あちこちへと足を運び、様々な方にお会いし、その姿を見て、学び、また協力を得て、どうあるべきか、どう進むべきかも考えるようになった。

例えそれが自分なりでしかなくても、頭と身体を働かせ、自分を成長させることが出来ている。

そうしていくうちに、足し算が掛け算になるように、人との出会いがどんどん増えていって、僕は素晴らしい方々に奇跡的とも言えるような出会いを賜われている。

結果的に、自分自身の可能性がどんどん伸びている。広がっている。

それは現在進行形。

ひとつの可能性を頭打ち状態まで上り詰め、そこでさらに上へと駆け上がるための別の可能性を追う。

多分、可能性を細分化し、小さくても達成感を繰り返し得ることで、僕は心身共に力を得ているのかもしれない。

逆に大局的な見方をすることも必要だし、それが僕も課題なのかもしれない。

そうした気づきや可能性を繰り返しを僕に与えてくれるのが卓球。スポーツなのだ。

人に出会って、可能性を感じ、チャンスをいただき、トライし、すぐに達成できなくても目標通過点やゴールまでの道程を楽しめていて、それは共に楽しんでくれる方々の存在や恩恵もあるのだけれど、それがまた結果的に新たな可能性を生み、さらに大きなモチベーションを生んでくれるのだ。

僕は卓球というスポーツを大いに楽しめている。

だから、人生をものすごく楽しめている。

幸せなのだ。

だから、もっともっと頑張ろうと思える。

世界中に僕と同じクラスの選手がいて、みんな毎日努力を積み重ねているのはよく分かる。

その彼らの原動力となっているのは様々だと思う。

生活の為、お金の為、あるいは名誉の為という選手も少なくはないはず。

だってそれがプロだから。

その点僕はちょっと違っている。

あえて本音を言えば、自分の為かもしれない(笑)

だって、それが楽しいから。

一度は失いかけた自分の可能性を、それまでとは全然違った方向で実感させてくれて、多くの方々との出会いも与えてくれて、それが更に可能性を大きくしてくれて、努力する楽しみや喜びを教えてくれて、過去の自分に自慢できる今の自分を生み出してくれる。

それが僕にとっての卓球。

そんなモチベーションでやってる選手がどれくらいいるのだろう?

海外の選手を思い浮かべた時に、「あぁあいつはもしかしたらそうかもしれない」と思える選手もいなくはない。

でも、僕ほど強いものではないだろう。

なぜそう思う?

だって、目は口以上にものをいうから。

目を見れば想像はつく。



僕はお陰様で企業のサポートを賜り、コーチをはじめ関係するみなさんの恩恵も受け、さらには応援してくれるみなさんの支えもあり、毎日の活動を楽しく行わせて頂いている。

でもそれは最初から楽しい道を選んだわけではない。

結果的に楽しめているだけ。

それは僕の特技でもあるのだけれど、

今現在大いに楽しめている僕だけど、技術力が上がるとその楽しみは、これまた足し算ではなく掛け算で増していく。

そうすると、僕を見る周囲の目が変わり、取り巻く環境も変わっていく。

応援してもらうというのはそういうことだと思う。

先日出場した一般の試合を見た方々から、多くの声を頂いた。

「すごかったですね!」
「頑張ってるんですね!」
「今度ぜひお手合わせ願いますよ!」
「一緒に打ちましょうよ!」
そして、「応援してます!」

勝敗ではなく試合の内容がそういう声を生んだのだ。

まさに技術の向上の結果。

自分で言うのはなにか変な感じだけど(笑)

でもそれがさらにいいスパイラルを生む。

回転数が増していく。

そんな自分をものすごく楽しめている。

楽しみそのものが大きなモチベーションとなっている。



さぁ、いよいよ試合が近づいてきた。

技術はまだまだ。

戦術もまだまだ。

でも、心はかなり強いぞ、と(笑)

枝葉はまだまだ育ってはいないけれど、根っこは太く大きく強いのが今の僕。

幹も立派に育ちつつある。

さぁ、行こう!

品行方正、正々堂々、威風堂々、挑む!

江戸川区卓球連盟創立70周年記念大会出場!!

2018年11月03日 21時50分51秒 | 日記
久々の一般の大会出場。

いやぁ、超楽しかったです。



まず初めに伝えておきますが、江戸川区では車いすルールは適用されません。

なので、僕も一般のルールに従ってプレーします。

サーブのサイドラインのルールはありません。

ですので、相手は積極的に狙うことが出来ます。

と同時に、僕も狙うことが出来ます。

でもその練習を普段まったくやらないからなぁ(笑)

まずその時点で反省(笑)



ちなみに誤解のないように伝えておきますが、僕は車いすルールなしの試合を全く不満に思ってはいません。

むしろ感謝しています。

だって、ハンディキャップ無ということは、同じ度土俵に上がらせていただき、そこで同じようにプレーすることを認めてもらえたということですから。

これはありがたいですよ。

その条件下で自分の弱点を突かれる。

それは相手もそうして点を取りに来たいからでしょう。

燃えてくるじゃないですか(笑)

ある意味僕の求めたレギュレーションなのでした。



さて、この試合は特別ルールの団体戦。

1ダブルス2シングルスで、2点取ったほうが勝ち。

で、1チーム4人で構成。

ダブルスとシングルスを重複してプレーすることは出来ないというもの。

4人構成はともかく、1W2Sという構成はパラ卓球の団体戦と同じ。

僕の感覚からすれば、ダブルスは絶対に取らなきゃいけない。

で、シングルス・トップはエースが出る。

これがセオリーなオーダーだと考えます。

でも、重複できないから難しいところ。

予選と決勝を合わせて、結局僕は5試合やりましたが、トータル2勝3敗。

2勝は僕と同世代くらいの攻撃マンと、ベテランの方。

3敗はすべて20代のイケイケガンガン系。

まず、勝った攻撃マンはストレートで勝利。

車椅子の僕は前陣べったりだから、打点もピッチも違うし、狙ってくるコースも違うし、サーブも基本的なものとはちょっと違うから、すごくやりにくかったと思います。

でも逆に相手のドライブや強打を止めて、そこから速いピッチのラリーが続いたりもして、そういう点では僕は良かったです。



ベテラン選手は車椅子の弱点を見抜いていて、最初の1本目のサーブから僕の手の届かないところを狙ってくる。

「きた!」と思いましたね(笑)

この試合会場の卓球台は車椅子対応ではなかったので、台の脚に僕の脚がコツンと当たってましたが、コツン程度で済んでいたので積極的に動くことが出来ました。

後で確認しても、足は赤くなっていたりもしていなかったので大丈夫。

逆にそうやって点を取りに来てくれるから、こちらとしても「よし、やってやる!」と熱くなれる(笑)

序盤2セットを奪われるも、そこから逆転、最後は11-9で勝利。

これは良かった。

サイドを狙ったり狙われたり、動かしたり動かされたり。

逆に速いピッチでもラリーが続いて、それを得点したときは自然に手が挙がって「チョレイ!」(僕の場合はジョレイ)が出たほど(笑)



負けた20代の3選手は、どの方もみなパワフルなボールを打つ方ばかり。

うち1人は区の大会での優勝経験もある方。

質の高いサーブから強烈な3球目攻撃で猛アタックしてくる方々ばかり。

でも簡単には抜かせることなくプレーできたし、3球目4球目以降のラリーもしっかり出来ていたし、実に納得いく気持ちのいい試合が出来たのでした。



今までは健常者に強いボールを打たれて僕が取れなかった時は、単純に自分の技術力のなさを痛感してました。

でも今回はそうではなかった。

車椅子であるが故の能力の差を痛感させられてしまいました。

やはりフットワークの無さがプレーの幅に限界を持たせる。

前後のフットワークは出来る。

でも横が出来ない。

手を伸ばすだけ。

だけどそれでリカバーできる範囲には限界がある。

分かっていても、手を伸ばしても届かないコースを打ち抜かれることが数本あった。

さすがだなぁと思いつつも、それをどう克服するかが大きな課題。

ある意味発想の転換をしなければだめでしょうね。

車椅子であればこそ。



でも、それなりに競った試合が出来たので、要所要所でその若い相手がサイドのコースを狙って点を取りにきたりもする。

試合の流れからそれを読んで狙うも、逆に相手はそのサーブを僕がどのようにレシーブするかを読んでいて、待っていて、そこでせめぎ合う展開もあったり、今までよりももう一段高いところでの駆け引きとプレーを楽しめたのもいい勉強と経験になりました。



もちろん反省点も山積み。

そこは課題として忘れることなく取り組んでいかなければなりません。



車椅子選手のボールと健常者のある程度以上の選手のボールは全然異なってきます。

今回の試合すべての選手のボールは、車椅子ではまずない感じ。

でも、パラも健常者も関係なくいち卓球人として、見ている方々から「すごいね」と言ってもらえるプレーをしなければいけないと僕は思っています。

点を取れば、勝てばそれで良いわけではない。

日本人であるからこそ、「勝ち方」や「負け方」にも美学を求めているのだと思うし、それこそが日本人のアイデンティティだと僕は考えます。



理想のスタイルへはまだまだ遠い。

でも確実に近づけている。

今に甘えることなく、日々積み重ね、自分に厳しく取り組んでいかなければならないのだ。



今月の本番前にすごくいい調整というか確認が出来た感じです。

それこそセルフ・チェック。


さぁ、当日まであとわずか。

しっかり準備を整え、ベスト・コンディションで挑めるように全力を尽くします!

あぁ、楽しかった!