車椅子で卓球@渡邊剛

2013年より車椅子卓球をスタート。備忘録の意もこめてここにブログを綴ります。
内容は基本パラ卓球、時々食文化。

平野美宇選手が教えてくれた

2017年04月19日 21時30分33秒 | 日記
世界ランキング1位、2位、5位の中国選手を破って日本人としては21年ぶりのアジア選手権女子優勝、しかも若干17歳という平野美宇選手の偉業は連日熱く報道されている。

僕もその試合の動画を何度見たことか(笑)

でもその平野選手から今回新たに学んだことがある。

というか彼女が証明してくれたことに気がついた。



それは、日本国内でしっかり練習すれば世界で勝てるということ。

大切なのはその中身であるということ。



全日本を含め彼女の躍進のきっかけになったのは去年の中国スーパーリーグへの参戦だと言っている。

でもその期間はわずか1カ月程度。

1月間の遠征は確かに大きいと思う。

でも決して長いものでもない。

それ以降は日本国内でのトレーニングを重ねていたことに違いはない。



たった1カ月間の経験を元にして、もちろんその経験を活かすだけの下地があるからこそだけど、でもそれでああしてアジア選手権とはいえ実質世界の頂点をことごとく打ち破ってチャンピオンになったのだから、これにはかなり勇気づけられる。



大切なのは中身なのだ。

中学や高校の頃もテスト前になると「〇〇時間勉強した」「〇〇時間しか勉強してない」などとお互い言いあってたけど、その時間数が必ずしも結果に直結するものではなく、大切なのは中身の濃さであると学んでいる。

誰にも負けない濃い練習を、トレーニングを、いかに効率よく、さらにはどれだけの量を重ねていくのか、大切なのはそういうことなのだと思う。

その世界に負けない、世界で勝てるだけの濃い練習は日本国内でも立派にできるということを今回平野美宇選手が証明してくれた。



彼女はかなり小さな頃から卓球三昧の生活を送れるだけの環境に恵まれているから、という人も少なくない。

でもそういう選手は案外日本国内だけでも少なくはないと思う。

そういう環境面にも恵まれた選手が多い中で、そこからさらに一歩抜きんでるのはまぎれもなく彼女の努力なのだと思う。

中国出身のコーチの指導を受けるのも彼女の決意の結果、選択の結果なのだし、強くなるためにより厳しい環境、より厳しい道をあえて選んで、苦しみながらもその道を進み続けた結果、というかまだ通過点なんだろうけど、その結果による今回の勝利なわけだし、日本国内でもそうした道を選び進んでいくことは出来るのだということの証明をしてくれた彼女の存在がこの上なく頼もしい。



日本国内での活動でも十二分にやっていける。

結果を生み出すことは出来る。

大切なことはその中身。

今回の彼女の結果が全てにおいて言い訳をさせないことにもなる。

日本人と欧米人は体格が違う、骨格が違う、筋肉の質が違う、というような話もこれまで聞かされたこともある。

(ちなみにそれを言う人によれば中国人のそれも日本人とは違うらしい(笑))

でもその外国人に日本人の、しかも若干17歳になりたての彼女が勝ちまくったのだから、もう誰も文句は言えない。言い訳は出来ない。

キャリアだって14~15年くらいの女の子が、世界ランキング1位を皮きりに3人の中国選手を破ったのだから、これはもう誰も文句のつけどころが無い。

自分が同じくらいのキャリアを持った時にどれくらいのことが出来るようになっているのか、大切なことは中身なのだ。



あらためて、17歳の彼女にすごく大切なことを学ばせていただいた。

何かしらのきっかけを得たとしても、それを活かせるだけの下地作りを普段から心がけて取り組んでいなければ宝の持ち腐れにもなりかねないわけだし、それこそが「チャンスは身構えている奴にしか掴めない」ということなのだと思う。



いやぁ、日本卓球界、かなり熱くなってます。

プレーするのもすごく楽しいのですが、見るのもすごく楽しいです。

車椅子卓球でもその熱風が吹き荒れるように、まずは自分がしっかりと頑張っていきます!

身体障害者の可能性

2017年04月10日 23時33分42秒 | 日記
最近、心身ともに充実している。

なぜなら、卓球が楽しめているから。

障害者だから出来なくても仕方ないと気を使われるのではなく、1プレーヤーとして遠慮なく注意・指導をしてもらえるから。

打ち終わった時にハァハァと息切れするような指導、練習。

だからと言って甘やかされない。

出来なければ厳しく言われる。

だからこそ、誉められると尚のこと嬉しい。

そういう環境があることに、そういう協力を得られることに心底幸せを感じる。

実にありがたく思う。



そうしていると発想はさらに上を向いていく。

すると僕の思考は人類の歴史をさかのぼり始める(笑)



昔の人たちはテレビや電話や自動車や鉄道に飛行機、さらにはネット環境なんて想像することすらできなかっただろうな、と。

人が空を飛んで移動する?海を越えて動く絵を見ながら話が出来る?

昭和の高度経済成長期の婦人たちが乾燥機付きのドラム式洗濯機なんて理想にすら描けなかっただろうな、と。

でも人類はそれを実現してきた。

これからも人類は夢に見てきたことや絵空事、思いもつかなかったことまでをも実現させるはず。



そう、人類は不可能を可能に出来るのだ!



それを自分自身に当てはめてみる。

卓球に当てはめてみる(笑)



身体のこの機能は使えない、動かせない、だから出来ない?

いやいや、不可能は可能に出来るのだ!(笑)

僕には変な癖があります・・・修正するのは無理そうです・・・

いやいや、不可能は可能に出来るのだ!(笑)

筋力が足りないから出来ない?

それはただの言い訳です。

失った身体の機能は残存機能を鍛えることでリカバー出来ることも多々あるはず。

僕でも筋トレは立派にできます。



そう考えると何でも出来そうな気がしてくる。

直ぐに出来なくても頑張っていれば、努力を重ねていれば出来る日が来る気がしてくる。



卓球始めるまではこんな思考になれなかったかもしれない。

スポーツやって良かった。



どういうものであれ、人類史上初めてそれを作った人が、まず最初に企画しそれを誰かに話した時点では「そんなの無理だよ」と笑われたりしただろうし、もしかしたら聞いてももらえなかったかもしれない。

その時点では突拍子もない話であり、夢のまた夢のような話として聞き流されたことでしょう。

最初の一歩というのはきっとそういうものだ。

子供の頃図書館で読んだマンガ偉人伝みたいなものにはたいていそういうエピソードが書かれていたように思う。

障害者スポーツだからこそそういう話がリアルに響く。

きっと僕にも同じことが言えるはずだし出来るはず。

「出来っこないという奴らを黙らせろ」

人類の歴史は障害者スポーツにもそのまま当てはめることが出来る。

卓球でいえば、今は誰でも知っているチキータも最初にやった人は笑われながら練習していたのかもしれない。

ペンの裏面打法もそうだ。

全ては自分次第。

思想の健康は肉体の健康に勝る。

思想の健康が肉体の健康を生む。



だけど、そうした環境に身を置けるからとそこに満足していたのでは元も子もない。

周囲が成長させてくれるのではなく、あくまでも自分で成長していかなければならない。

全ては自分次第。

努力の向こう側にしか成功はおろかチャンスもない。

先人達が築いてくださった道筋は真摯に学ばせていただく。

でも自分が歩く道は必ずしも同じである必要はない。

これから切り開いていけばいい。

道を築きながら前進するのは大変なこと。

でもアスリートに限らず成功者はそのほとんどがそうしてきたはず。

二番煎じは二番煎じでしかない。



僕に正面から向かい合って協力・応援してくれる方々には本当に感謝です。

そういう方々のお力添えがあるからこそ、道なき道を進む勇気が湧いてきます。

そしてその判断を肯定してもらえる。応援してもらえる。

それがもの凄く楽しいのです。

来月からはまた海外遠征。

この楽しみを結果につなげられるよう努力していきます。