車椅子で卓球@渡邊剛

2013年より車椅子卓球をスタート。備忘録の意もこめてここにブログを綴ります。
内容は基本パラ卓球、時々食文化。

突如思いついて帰省しました

2022年03月28日 23時45分58秒 | 日記
卓球にシーズンのオン・オフはありません。

一年を通してずっとプレー出来るからこそ、大会も通年各地で開催され、だからトレーニングやコンディショニングも常に維持し続けなければならないし、例えばオリパラなどの大きな大会の後であればオフを取るタイミングとしやすいですけど、僕はそんなレベルの大会に出場出来た訳でもなく、コロナ過で試合も少ない状況で日々トレーニングに励むしかないといった状況がずっと続いているので、オフなんて全く考えずに活動してきました。

以前帰省した時も地元での大会開催だったから実家へ帰ったというもの。

考えてみれば、オフで帰省っていうのはパラ卓球を始めてから全くなかったかもしれません。

だけど、コロナ禍となり、両親とはお互いの状況を電話で確認し合っているからこそ元気な姿を見せなきゃいけないという思いもあり、でももう数年顔を見せてないし、祖父母の墓前に手を合わせることも出来ていない、そんなストレスが心の中でモヤモヤと存在していました。

年度が変わればもっと忙しくなる。

その為に今しっかり準備していなきゃならない。

頭の中には年間のスケジュールのイメージと、それに伴うコンディショニングのイメージを巡らせていました。

そして3月下旬に開催予定だった大会のコロナの影響による中止が発表され、残念に思いながらも仕方ないことだし次のポイントに向けてしっかり準備していこうという気持ちでモチベーションには微塵も変化が生じていませんでした。

だからこそ?

「あ!」と思い立ったのでした。

この週だったら帰省できるじゃん!と。

実家でゆっくり過ごしたいというのではなく、あくまでも両親に元気な姿を見せたいのと、祖父母の墓前で手を合わせたいというもので、であれば短い時間で構わない。
そして両親を楽しませる為に僕の恩師のシェフの元へご挨拶がてら伺って食事をするのも良いなという考えからスケジュールを組み、帰省する道中で遠方のコーチの元へ挨拶に伺ったり、行きと帰りに普段一緒に練習する機会のないパラ卓球仲間と練習することも出来るし、帰り道には妹夫婦のところへ両親からのお土産も直接届けられるじゃないかと、貧乏性の僕は欲張っていろいろ詰め込んだのでした(笑)

でもその考えは思っていた以上に功を奏し、今の僕に大きなプラス効果を生んでくれたように思います。

何よりもまず、両親や恩師、そしてコーチやパラ卓球仲間と顔を合わせコミュニケーションを取れたこと、それがごく短い時間であってもその場を共有出来たことが大きな価値を生んだと実感しています。

何事も結局は人と人のつながりであり、それこそが財産であって、その存在が心の支えとなっているのだとあらためて思いました。

僕が実家にいる時に偶然にも、母のご友人の方が採ったばかりの筍をわざわざ届けてくださったり、ご近所との交流の話、僕が子供のころからずっと変わらない親しい方々との話など、近所を車で走っている時でもいろんな方の名前が出てくる、それだけ人間関係が広く円滑に行われている、それを聞くだけで僕の心も暖められる、それってまさに財産だし、本当に誇らしいことだなと思いました。

故郷の空気はとても美味しかったです。

短い時間ながら両親と共に過ごし、20年以上前と全く変わらない恩師やその料理にも深く感動し、大好きな田舎道をドライブし、子供のころから馴染みのある陶芸を購入もし、それらの時間で「自分とは何か」という思いに一つの明確な答えが見えたような、そんな気持ちにさえなれたのでした。

往路と復路での練習も集中した効率の良い練習が出来たし、内容以上にそうすることが出来たことに喜びを覚えました。

いつもであれば長時間運転しっぱなしで一気に移動するところを、今回は練習の予定などを加えることで途中で一泊したりした為、思いのほか身体の疲労感も無く、毎日ずっと数百キロを運転していたのに身体の状態はいつもと全く変わらないこと、更には実家でも軽いトレーニングによるコンディショニングを行えたことなど、自分自身いろいろな発見も出来たことで、今回の帰省は総じてプラスに働きました。

久々に食べた母の味噌汁は美味かった。

初物の筍料理も美味かった。

行きつけのお肉屋さんの唐揚げも美味しかった。

みんな変わらず元気なのは分かってはいたけど、その姿をこの目で見られたことが本当に良かった。

良い時間を過ごせたし、何か一つの曲がり角を曲がったような気さえして、心が晴れ渡るような思いでいるのでした。



さぁ、ノスタルジーな思いはここまで。

スイッチを切り替えて、今まで以上にしっかり取り組んでいきましょう!

頭で考えて、身体を動かして行動し、それを評価し、必要あれば修正し行動を維持していく。

そうやって極僅かずつを積み重ねていく。

まだまだもっともっと積み重ねていける。

頑張ります!

車椅子教室が卓球専門誌の記事になりました!

2022年03月16日 08時45分41秒 | 日記

江戸川区T.T Laboで車椅子卓球教室が開催

 2月27日、東京都江戸川区の卓球場「T.T. Labo」で車椅子卓球教室が開催された。この教室は、ジュニア女子の車椅子...

卓球ポータルサイト | 卓球王国WEB

 


こうして取り上げていただけるのは実に嬉しいものです。

コロナ禍になる前にスタートし、メンバーは仲良しグループだけで定員MAXに。

彼女たちは教室を常に楽しみにしてくれていて、コロナ過でも「まだやらないんですか?」と散々つつかれるほど(笑)

そのエネルギーとパワーに毎回感動を覚えます。



ただ卓球を教える、楽しんでもらうというだけではどこでも誰でも出来ることだし、そのような教室は障害者スポーツセンターをはじめどこでも開催できるし、多くは無くてもこれまで開催されていたと思います。

でも、民間の卓球場で定期的に開催する教室、さらにチェアウォーカーの僕が加わるわけですから、そこには他にないスペシャルなものでなければならないという考えがありました。

障害者スポーツセンターなどで指導を受ける場合、正直、どうしても「リハビリの運動」という域を超えた内容にはなりません。

この教室に参加しているメンバーは「きちんとした卓球の指導を受けたい」という相談を僕に持ち掛け、であればそれは単に車椅子卓球の先輩が安易に指導するといったレベルではなく、卓球のプロのコーチから「真っ当な」指導をしてもらうべきという判断からスタートしています。

さらに重要なポイント、それは教室に参加するメンバーはみんな成長期の子たちばかりということ。

だからこそ、その成長をどの方向に向けるのかでこの先のそれぞれの人生が大きく変わってくるはずです。

障害を持つ身体であるからこそ、動かすのか動かさないのかで骨格の成長は全く違ったものになるだろうし、それに伴って筋肉の成長も異なってくる。

関節の可動範囲、筋肉量の違いは日常生活に直結しますから、今身体を動かしてフィジカルの可能性を自認することで、それが感情や思考にも大いに影響を与え今後の人生がものすごく違ったものになる。

だから、今頑張って身体を動かさなきゃならない。動かした方がいい。

そこで、僕のお世話になっている障害者スポーツトレーナーの先生にも協力いただき、メンバーそれぞれにアドバイスしてもらい「あなたの障害なら、頑張ればこの動きは出来る」といった具合に可能性を言語化してもらい、それを保護者の方に共有してもらうことで教室以外の時間にも「トレーニング」が行われ、日常生活の向上にも役立ててもらえればと取り組んでいます。

そして、僕の動きを見せることで、彼女たちにとってより具体的な参考にもなるでしょうし、目標にしてもらうことで卓球だけでなく毎日の生活におけるモチベーションにも繋がると考えています。

実際、彼女たちはコロナ過で毎月の開催といかない中、久々に会うと驚くほどの身体能力の向上が見受けられますし、「どこかで練習してた!?」と毎回聞いてしまうほど感覚が研ぎ澄まされているように思えます。



そして何よりも嬉しいのは、この教室を彼女たちが毎回楽しみにしてくれていること。

限られた時間の中で、でもそれなりにハードなメニューをテンポよく行うので、終わった時にはみんな息が上がって汗を流しているような感じなのに、誰一人「厳しい」「辛い」といった弱音を吐きません。

みんなやらされているのではなく「自分がやりたいからやっている」という気持ちが凄く伝わってきます。

みんな笑顔で実に楽しそうに頑張っているんです。

それが僕たちのモチベーションにもなるし、僕たちが与えてもらっている喜びでもあります。

そんな彼女たちを励ますべく、応援すべく、教室が終わった時には個人的に毎回何かしらの補食の差し入れをするようにしています。

基本はどら焼き。

でも以前はご褒美も兼ねてアイスクリームもあったな(笑)

ギモーヴとかフランス菓子もあったかな(笑)

人が美味しいものを食べた時に見せる笑顔は本当に素敵なもので、その幸福感は周囲をも幸せにしてくれます。

飲食時代から僕はその瞬間に居合わせることが大好きだったので、身体を動かし良い汗を流した後だからこそより幸せな笑顔になるだろうし、その瞬間をプロデュース出来る訳ですから、僕が得した気分になれます(笑)



こうした教室が定期的に開催されるのはまだまだごくわずかな箇所でしかないでしょう。

でもこうしてメディアで取り上げられることで、そうした場所や機会が増え、より多くの方がチャレンジ出来ればと思います。

教室の主旨は様々でしょうけど、僕はこの場で敢えて言わせていただくとすれば、僕がこの教室で考えるのは、選手を育てるのではなく、人を育てる。

スポーツ活動を通じて社会に胸を張れるよう人間力を磨くヒントを掴んでもらう。

チェウォーカーとして過ごす時間は僕も教室に通うみんなもさほど大差はありませんが、人生の先輩としては僕の方が圧倒的に長い時間を歩んでますから、そうした立場からもみんなに伝えるべきは伝えていきたいものですね。

お互いにとってめんどくさくない程度に(笑)

僕の言葉が今理解出来なくても、これから先の人生で「あ、そういうことだったんだ」と腹落ちする瞬間があるはずですし、僕にしてもらったことを僕に返すのではなく、この先の人生で自分に出来た後輩たちに同じようにしてやってもらいたいですね。

だって僕が学生の頃先輩にそう教わりましたから。

そのまま、受け売りです(笑)

でも、その継続が「伝統」として残っていくものだと思いますし、それが「文化」になるのだと思っています。

話が大きくなっちゃった(笑)

まぁ、これからも自身の活動の合間で、ある意味恩返しのような感覚で、こうした活動もやっていければと思います。

そして、みんなと一緒に僕も成長していきたいと思います。

切り替えスイッチ

2022年03月07日 21時21分21秒 | 日記
昨年11月の大阪での試合に続き、先月に山場を迎えて何とか乗り越えることが出来たのだけど、その直後から先の目標に向けたトレーニングの内容をその山場直前に得たアドバイスに従ってスイッチしていったところ、それ以降2週間は以前の「前陣自滅型」に逆戻りしてしまった(笑)

だからこの2週間、プレー中もそんな自分にまぁ腹の立つこと(笑)

「あ゛~!!」と叫びたくなるシーンが今までにないくらいに繰り返しあって、試合をするごとに今までになく感情的になっていて、更にそのミスを認めたくないものだから余計に無駄に身体を動かすので身体の疲れも今までより地味にあるし、まぁ見事に負のスパイラルに陥ってしまう。

この2週間は最悪だった。

コーチからも「ウ〇コです」「あれはク〇です」とバッサリ切られている。

相手はさぞ楽だったろうなと思う。

だって何もしなくても僕が勝手にミスをして僕から点数を与えてもらえるのだから。

そんな自分に腹が立った2週間だった。

でも、山場直前に得たアドバイスに従ってこれからもそのトレーニングは継続していくつもり(笑)

そのメニューが悪いのではない。

悪いのは自分。

未だ出来ていないだけの話。

トレーナーともその話をした。

今はまだ過渡期なのだ。

ステップアップに向けた過渡期。

それは成長の途中ということ。

今はまだ出来ない。

だから、出来るまでやるしかない。

それを自分のものにするにはそれ相応の時間を要する。

その時間は努力の量に反比例する。

だから、頑張れば頑張っただけより早く自分のものに出来る。

広い意味で、このタイミングでそれに気づけたのは幸い。



「出来るからやるのではない、やるから出来るようになるのだ!」

は僕の好きな言葉。

出来るようになるために努力を積み重ねていく。

それしかない。



でも、このダメダメな2週間の中にも収穫はいくつかあった。

それは決して小さいものでもなかった。

もっとも大きなものは、やはり偉大な経験者からのアドバイス。

それはダメダメだったからこそ得られたもの。

ダメダメだったから出来た質問。

それに答えていただいた核心を突いた深い言葉。

まさにキラーワード。

そして自分の現在地を確認することも出来た。

それは全てこれからにつながっていく。

海外で勝つ為。

目標達成のため。

今は海外での目標達成のための過渡期、いうなれば船旅の真っ最中、大海原のど真ん中だな。

気を抜けば方角を誤るし、いつ嵐に遭遇するかもわからない。

常に気を張っていなければならないし、それを何日も何日も持続させるわけだからそりゃぁ大変だ。

でもその苦労は前座に過ぎず、本番はそれを終えてからの話になる。

その前座の過ごし方を誤れば、本番での成功は無く、最悪二度と戻ってこれないことだってあり得るのだから、それ相応の覚悟をもって取り組んでいかなければならないし、それだけの努力を続けていかなければならない。

それを考えると、大航海時代の船乗りというのはものすごい人たちだったんだと思い知らされる。

コロンブスの新大陸発見は1492年だけど、その時代の科学力で大西洋を渡るっていうことは・・・



いかん、話が逸れた(笑)

とにかく、この2週間を糧として自分を上げていく為に頑張る。

雨降って地固まる、だな。



あとは、国際大会出場に向けて、このコロナ禍が少しでも早く落ち着いてくれることを祈るし、ウクライナの悲劇がより早く終息することを切に願うだけ。

もしかしたらコロナとは違う理由で活動が制限されることがあるかもしれない。

あらゆる可能性はゼロではないので、そうならないことをただ祈るのみ。

まずはコンディショニングを含めた体調管理に尽きる。

そして、新しいメニューに取り組んでいく。

頑張っていくのだ。

努力に勝るなんちゃらは無いというし、努力は必ずしも実りという結果を生むものではなくても、自分を裏切ることがないこともこれまでの経験からしっかりと学べているので、これからも努力という頑張りをしっかりと行っていくのだ。

さぁ、頑張っていこう。

大海原を無事に渡り切れるように。

向こう側の大陸で笑顔でいられるように、今をしっかり頑張っていこう。

身体も労わりながら(笑)