車椅子で卓球@渡邊剛

2013年より車椅子卓球をスタート。備忘録の意もこめてここにブログを綴ります。
内容は基本パラ卓球、時々食文化。

2023年を振り返る

2023年12月30日 21時23分20秒 | 日記
振り返る?

今回この言葉を使いはするけど、感覚的に「振り返る」という表現はしっくりこない感じがしている。

「反省」することは多々ある。

でもそれは瞬間的に過去を顧みることであり、ゆっくりと振り返って後ろを見るなんてことは正直好まないし、そんな悠長なことをやってる暇はない。

でも一応振り返ることにする(笑)



今までやってきたこと、取り組んできたことは確実に自分に積み重なっていることが今まで以上に実感できた一年になった。

まさに筋トレと同じで、自分がやればやっただけ確実に積み重なっているなと実感は持てた。

積み重ねるという努力は自分を裏切らない。

でも、そこには注意点があって、正しく行わなければ求める結果は得られないということ。

それに気づけた一年でもあったし、今後そこには細心の注意を払って取り組んでいく必要があることも痛感出来た一年になった。

筋トレに例えるなら、自分はこの筋肉をアップさせたいからとやってるつもりでも、実は別の筋肉も動かしていたり、使っていたりして結果的にはちょっと違う筋トレ、違う筋肉が育つことになるということが多々ある。

だから、自己流が正しいかどうかは別の話。

ただし、それでもやってきた積み重ねは間違いなく存在している。

存在しているからこそ、その違いに気づけるのだろうし、修正できればその結果の違いにも気づけるのだと思う。

そう思えたことが僕にとって今年の大きな収穫になったのだと思う。



視野思考が広がった。

自分を今までよりもう少し客観視出来るようになった気がする。

だからこそ、これから葛藤というか新たな戦いが始まることになるようにも思える。

それに気づけたのも自分の力ではなく、コーチをはじめ様々な方との出会いや指導があったから。

厳密にいえばその世界の存在は知っているつもりだったけれど、でもそれは単なる知識でしかなく、今になってようやくそれを目の当たりに出来たような感覚を得た。

今まで教わってきたこと、学んできたことが少しずつ積み重なっていって、今ようやく一つの器を満たすことが出来て、これからより大きな新たな器を満たしていこうという時を迎えた感がある。

普通の人だったらもっと早くに満たしているだろうことを、頭も要領も悪い僕は何事も人より時間がかかってしまう傾向があるし、今もまさにそれだった。

不器用と言ってしまえば簡単だけど、そこには拘りとか愚直だとかの思考が作用し遠回りを惜しまない考えを美徳とする価値観?が影響を与えているように思う。



なんて大げさなことを言っても、深くにある根っこの部分はなんら変わらない。

今までと全く同じで変えるつもりも無い。

ある意味それが自分自身の信念であり、スタイルであり、自分の進むべき「道」だと思っている。

でも今はそこに少しの修正を入れることが出来た。

自分で入れたのだ。

なぜ?

気づいたから。

先ほどと同じ、今までは知識・情報として把握していたものを自分事として理解できたから。

だから気づけた。

僕の好きな言葉に「動きを直せば心は変わる」というのがある。

その「動き」とは何を意味するのか、運動という肉体の物理的なものなのか、競技の技術に特化したものなのか、あるいは日常生活を含む判断や行動なのか。

もちろんその全てが当てはまると考える。

その言葉の意味を今まで以上に理解できた、まさに腑に落ちた感を得たのだ。

だから、思考の方向性、視野の範囲が今までと少し変わったと言えるのかもしれない。

自身の心の変化を実感している。



ただし、それが正しいのかどうかは分からない。

もっと短い距離で効率の良い道もきっとあるのだと思う。

それを闇雲に正しいと決めつける判断はどうかと思う。

否定はしないが肯定もしない。

でも、自分が選択した道はこれなのだ。

その選択に胸を張り、この道を突き進み、必要あれば、あるいは気づけば、その都度アップデートやマイナーチェンジを行っていこうと思う。

現時点での自分のこの先の姿を自分自身が楽しみにしている。

そう思えるのは、この10年進んできた道に自信を持てているからだと思う。

決して人に勧められるようなルートではないけど(笑)

自分で言うのもなんだけど、遠回りだと思うから。

でも、人生という長いスパンを考えた上で僕はこのルートを選択した訳であり、自分自身そういう生き方を学んできたからそういう選択を自然とした、出来たのかもしれない。

様々な点でこれからは今までよりもさらにレベルを上げて、自分を磨いていこうと思う。

そしてそこに自己満足することなく、アップデートを繰り返し前進していきたい。

そう思えた2023年。

2024年はこれまでとギアを変えて、違う走りをしていきたい。

まずは体調管理、そして自己管理。

進み続けられるだけの心身のマネージメント。

それもアップデートして挑んでいきたい。



最後に、みなさんへの素敵な2024年の訪れを祈念し、今年のこのブログを結ぶことにする。

今年もありがとうございました。

2023年最後の試合を優勝で終える

2023年12月19日 21時32分11秒 | 日記
この12月は実に慌ただしいことになっている。

先月の全日本パラから毎週末試合が続いた。

まず全日本の翌週、12月最初の日曜日は大阪で「ピンポンパーン卓球大会」という大阪の車椅子チームが主催する大会に出場。

実にユーモアと気遣いや思いやり、おもてなし感のある良い大会で、健常者も含めすべての選手が車椅子でプレーするという大会。

近郊だけでなく僕を含め遠方からも多数が参加し、総勢60人近い選手が出場していた。

僕は上位トーナメントでベスト8敗退。

健常者のプロコーチに負けてしまう。

次はリベンジを果たしたい。



翌週は群馬での関東選手権大会に出場。

団体戦と個人戦を1日で行うという結構ハードな試合なのだけど、一番過酷だったのはハード面。

別に駄洒落のつもりはない(笑)

なんと、卓球台が車椅子対応ではなかった。

え?この大会で?と驚くと同時に残念な思いも。

実際のところ、一番最初のダブルスの試合で、最初の僕のサーブで2本目にショートサーブを出したところ、相手選手がレシーブをしようとして車椅子を動かし、結果彼の足が卓球台の脚に「ガン!」と衝突!

怪我は無かったので良かったけれど、台が動いて審判が修正をする始末。

もうこの瞬間僕の中で「ショートサーブ禁止」のルールが設定された。

ラリー中は仕方ないとしてもレシーブで怪我をさせるというのはサーブに問題ありだと思うので、そこは配慮しお互いに怪我をしたくないので自分ルールで禁止することに。

相手がショートサーブを出してくれば、その場の判断で行動するけど。

レシーブだけでなくラリー中でも動けば足がぶつかるのでとにかく動くことが憚られる。

実際試合中に何度か足をぶつけてしまったし。

僕らのような下半身麻痺の人は感覚がない故に足の怪我のリスクが大きいだけでなく、怪我した場合その治癒にも通常に比べて時間を要する。

当然骨だって弱い。

だから、プレー以外の部分で気を遣う。

サーブに条件を設ければ必然的に戦術や戦略にも条件が設けられる。

思い切り、日頃の練習の成果をいかんなく発揮、という訳にはいかなかった。

というのは言い訳(笑)

結果的に団体戦も個人戦も1回戦敗退。

組み合わせの不運もあったけれど、ちょっと意識を散漫させてしまっていた。

残念ながら練習の成果を発揮することは出来ない残念な大会だったけれど、課題のチェックが出来たことは収穫だったし、新たな課題という収穫もあったのでプラスになった試合ではあった。



そして3週目は土日それぞれ試合があった。

土曜日は都内で、民間の卓球場が主催する大会。

これは健常者の一般の大会。

今回は100人近いエントリーだったようで、賑やかな大会だった。

この大会、なんと出場者全員のランキングが決まるというシステム。

だから試合の仕方、進行も独特で面白かった。

主催者の意向でダイバーシティ&インクルージョンをテーマの一つとし、それで僕を含めたパラ選手をお招きいただいたというもの。

健常者との試合は久々だったのでちょっと熱くなった(笑)

ちなみにこの会場は卓球台も車椅子対応のものが10台くらい用意されてて、安心してプレーできたので存分に楽しむことが出来た。

運営側の気遣いもあり、環境面も進行もスムーズかつスマートで良い時間だったし、「交流」という点においても「学び」という点においても実に有意義な時間だった。

結果はトータル6勝4敗の30位に終わる。

もっと上を目指したい。



その翌日は東京障害者卓球選手権大会。

今回が44回目となる歴史ある大会。

個人戦のみ。

で、結果は優勝。

これは僕にとっては大きな勝利となった。

だって、通常国内の試合では、全日本パラ以外は障害によるクラス分けは行われず、一緒くたに「車椅子クラス」として開催される。

それが今回僕の対戦相手はほぼ全て同じクラスの選手だった。

これは中々稀有なこと。

国際ルールでは車いすでも障害によってクラスは5つに分けられる(クラス1~5)。

数字が小さい方が障害はより重い。

だから、障害の重い人が不利になる。

ちなみに僕は真ん中のクラス3。

だからクラス4や5の選手相手にはちょっと不利な点もある。

でもそこは努力と根性、技術でリカバーするし、そもそもそれを前提として出場していればトレーニングもしているのでそこへのストレスなどは毛頭ない。

前置きが長くなったけど、そんな大会であるにもかかわらずなんと、僕の対戦相手は予選から一人を除いて全て同じクラス3の選手となった!

しかも決勝トーナメントに上がると先日の全日本パラの4位、3位、2位の順に対戦するというドラマ(笑)

例年よりもエントリー数が少なかったのが幸いしたのかもしれない。

それを勝ち上がっての優勝というのは個人的に意味が大きい。

価値ある結果となった。

この調子で積み重ねていきたい。



今月のあわただしさはまだ終わらない。

次の週末には合宿が控えている。

年が明ければまたすぐに合宿が行われる。

まずはコンディショニングが重要となる。

餅の食べ過ぎで身体が重いなんて言ってられない。

季節柄身体のケアもより注意して行わなければと思う。

そうした小さな積み重ねが大切なんだと考える。



今年最後の試合を優勝で締めくくれたのは実に嬉しい。

でも余韻に浸ることなく直ぐにスタート。

毎日の積み重ねは続いていく。

勝った試合でも反省点は多々あり、修正しなければならない点も多くあれば、ゴールはまだまだ先な訳だから。

ホント、積み重ね。

そうやって、来年はさらなる成長を遂げたい。