ゴエモンのつぶやき

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生活保護見直し 厳格化の行き過ぎは困る

2013年12月25日 01時44分51秒 | 障害者の自立
 生活困窮者に対する政府の支援策が大幅に変更される。

 生活保護費の不正受給対策の強化などを盛り込んだ改正生活保護法と、困窮した人を生活保護に至る手前で支える生活困窮者自立支援法が先の臨時国会で成立した。

 生活保護の見直しに併せて自立の支援を制度化することは一歩前進だ。だが、社会保障の「最後の安全網」としては両法とも懸念が残る。運用に向け注文したい。

 改正法で、受給者が働いて得た収入の一部を積み立てて自立を後押しする「就労自立給付金」を創設したことは、理にかなう。

 問題は、保護申請の要件や親族の扶養義務を厳格化したことだ。

 改正法は、申請時に収入や資産を記した書類を本人が提出するよう明記した。ただし本人の書類作成が難しい場合、現在は口頭での申請も認めている。この運用を今後も踏襲すべきである。

 また自治体は、申請者の親族に扶養義務を果たすよう働き掛け、扶養できない親族にはその理由の報告を求めることができる。

 とはいえ申請者にはさまざまな事情で親族と疎遠な人がいる。付き合いはあっても「先方に迷惑をかけたくない」と思う人も多い。

 こうした人が申請をためらうようでは問題だ。自治体には「門前払い」が生じないよう、救済を最優先した対応を求めたい。

 自立支援法は、生活保護の一歩手前の困窮者に対する包括的な相談窓口の開設や家賃補助などの支援策を自治体に義務付けた。

 困窮者を就労に導いて自立を促すという制度の狙いは理解できる。自治体の裁量が大きいだけに個別事情に応じたきめ細かな生活支援を提案できるのではないか。

 気になるのは専門性の高い人材の確保だ。支援法で自治体の業務は増える。ところが業務を担うケースワーカーはどこも不足気味で、非正規の職員も少なくない。

 担当職員を育てる一方で専門性を持つ民間の力も活用したり、就労の受け入れ先を幅広く開拓したりして、確かな「安全網」にしていく取り組みが重要である。


=2013/12/24付 西日本新聞朝刊=


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