視覚障害者の歩行をサポートする盲導犬として活躍するための訓練が24日、宇都宮市役所の庁舎内で初めて行われた。東日本盲導犬協会(同市福岡町)の訓練士5人がそれぞれ盲導犬の候補犬を伴い、庁舎内を歩いたり窓口の待合イスで待ったりする実践的な訓練を行った。
同協会は視覚障害者の生活の質の向上と支援を目的に、盲導犬の育成や歩行訓練、生活訓練などを行っている。現在、1~2歳の約20頭を育成、盲導犬として年間6頭前後を送り出している。
平成14年に「身体障害者補助犬法」が施行されたことで、公共施設や商業スペースなど盲導犬を受け入れる範囲が広がった一方、通行人の妨げにならないことや毛が抜け落ちないよう服を着せるなどの行動・衛生管理を求める要件も増加。より実践的な訓練が必要とされるようになった。市役所にも視覚障害の人が訪れる機会が多いため、庁舎内での訓練が待たれていた。
この日の訓練では、来庁者の妨げにならないような歩行や、エレベーターの乗り降りも落ち着いた様子でこなしていた。
同協会の西原健司訓練部長は「事前に施設を知っておくことが重要。役所の手続きの時など安心して来ることができる」と話している。宇都宮市では、今後も市庁舎や市文化会館での訓練を受け入れる予定だ。
市庁舎内で初めて行われた盲導犬候補犬の歩行訓練。落ち着いた様子でこなしていた
2018.7.25 産経ニュース