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知的障害者の被告:身元引受先確保へ支援委員会

2013年07月14日 02時23分13秒 | 障害者の自立
 ◇再犯防止狙い6都県で

 身元引受先がないことを理由に、知的障害のある被告が実刑判決を受けるのを防ぐため、東京など6都県で今月以降、福祉の専門家でつくる「支援委員会」が新設される。公判中に引受先を確保して再犯防止に向けた具体策を提示することで、従来なら実刑になっていた被告にも執行猶予が付くように支援態勢を構築する狙いだ。

 支援委員会は、刑務所出所者を福祉に橋渡しする役割を担う「地域生活定着支援センター」などが東京、宮城、滋賀、和歌山、島根、長崎の各都県に順次設置する。社会福祉士や医師らがメンバーになり、主に万引きや無銭飲食など比較的軽微な事件を繰り返す被告の支援を想定している。

 具体的には、容疑者や被告の知的障害に気付いた弁護人が、委員会に調査・支援を依頼。委員会は、福祉施設や自治体などと協議してグループホームなど釈放後の引受先や就労先を探し、障害の特性を踏まえた支援計画を作成する。弁護人は支援計画を検察や裁判所に提出することで執行猶予付きの判決につなげ、センターなどが地域での生活をサポートする。

 法務省の統計によると、2011年の新受刑者が受けた診断で、知的障害の疑いとされる「IQ(知能指数)相当値70未満」は5532人と全体の22%を占めた。生活苦に陥り、無銭飲食などを重ねて刑務所に入る例が多い。

 太田達也・慶応大教授(刑事政策)は「服役を繰り返す障害者の中には、適切な支援があれば再犯を防げたかもしれない人もおり、早い段階で司法から福祉へつなげる枠組みをつくるのは効果的だ」と評価する。一方で「時間に制約がある中、障害の判定や調査をどう行い、支援計画を立てるかが問われる」と課題も指摘している。【石川淳一、山下俊輔】

 ◇「実刑疑問」検察にも

 再犯防止に向けて司法から福祉に橋渡しする取り組みは、各地で試行錯誤が続く。

 滋賀県の地域生活定着支援センターは昨年末、精神科医や臨床心理士らで構成する第三者委員会を設置。障害の疑いがある被告の窃盗事件で検察と弁護人から昨年度に1件ずつ相談を受け、裁判所などに更生支援の意見を述べた。だが、具体的な引受先までは示さず、1件については既に実刑判決が言い渡された。

 滋賀では組織を「支援委員会」に再編し、引受先の確保を重視した取り組みを進める。委員の一人は「裁判中の短期間に受け皿を探すには、地域の理解も必要」と課題を挙げる。大津地検の立石英生次席検事は「福祉のプロの意見を聞く機会は有意義で、活用したい」と語る。別の検察幹部は「現場の検事も『何でこの人を刑務所に入れるんだろう』と疑問を持って実刑求刑した経験はある。それが社会復帰を重視する発想につながっている」と指摘する。

毎日新聞 2013年07月13日 15時00分


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