ゴエモンのつぶやき

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古里の旬を届けて25周年 西和賀障害者通所施設の宅配便

2010年12月27日 01時16分26秒 | 障害者の自立
 岩手県西和賀町沢内の障害者通所施設が取り組む「ふるさと宅急便」が今年、25周年を迎えた。年4回、利用者らが生産した特産物など四季折々の品々を首都圏在住者中心に届け、心の交流を続けている。人口減少や高齢化が進む中、「障害者が地域おこしの主体者になれる」と、施設関係者は手応えを感じている。
 町内唯一の障害者通所施設「ワークステーション湯田・沢内」。21日、利用者や保護者、地域住民ら約30人が集まり、のし餅や黒豆、しめ飾りといった正月用品、大根、白菜、ナメコなどの箱詰め作業に精を出した。
 発送先は会員約250人。もち米、野菜は町内の休耕田や畑を借り受けて収穫するなど、ほとんどが利用者の生産品だ。淀川淳次さん(37)は「幸せな気分になってほしい」と、願いを込めた。
 宅配便のきっかけは、旧沢内村の故深沢晟雄村長が掲げた「生命尊重」の理念に共感した村内外の人々だ。村は深沢村政の1960年、全国初の老人医療費無料化に踏み切り、追随した国が83年に有料化した後も堅持。これを顕彰し、村で集会が開かれた。85年、村にようやく福祉共同作業所が開所。集会参加者らが会員となり、障害者の仕事にしようと「ふるさと宅急便」がスタートした。
 発送は2、6、9、12月の年4回。山菜、リンドウ、しみ大根など旬の特産品を提供する。会報や町の広報誌も入れ、情報発信を忘れない。
 当初からの会員も少なくない。東京都足立区の久保俊子さん(94)は「生まれも育ちも東京の私にとって、ふるさとからの贈り物。年齢的に訪問するのは難しいが、これからも続けたい」と、到着を心待ちにしている。
 「心の交流があるから長続きしているのだと思う。必要としてくれる人がいて、利用者の励みになる」と高橋典成施設長(63)。町は65歳以上の人口が占める割合を示す高齢化率が40%を超える中、「地域の活力を取り戻していければいい」と話している。


河北新報

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