障害を理由に本人や家族の意向に反して就学先を特別支援学校に指定したのは違法として、川崎市の光菅和希さん(6)と両親が、川崎市や県に地元小学校への就学を求める訴えを横浜地裁に起こした。記者会見した父伸治さん(49)は「幼稚園でインクルーシブ教育を受ける中で、周囲の刺激を受けて得たものは多かった。小学校でも学ぶ場を持たせてあげたい」と訴えた。
訴状や伸治さんによると、和希さんは難病の先天性ミオパチーのため人工呼吸器を装着しており、母親がたんの吸引などの医療的ケアをしている。今年4月の就学にあたり、和希さんの主治医から「通学可能」との診断を受け、地元の川崎市立小学校への進学を希望した。しかし、川崎市教委は希望に応じず、県も特別支援学校に就学するよう通知した。
弁護団によると、障害を理由とする差別的な取り扱いを禁止する障害者差別解消法の施行以降で、就学先の指定を巡って行政の違法性を問う訴訟は初めてという。文部科学省は障害児の就学先の決定は保護者の意向を尊重すると通知している。
毎日新聞 2018年7月19日