ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

重度障害を克服、道開く 角田の井上さん免許取得

2008年11月11日 00時42分13秒 | 障害者の自立
 重度聴覚障害を抱えながら運転免許の取得を目指していた宮城県角田市の主婦井上幸江さん(34)が、念願の免許証を手にした。重度聴覚障害者の免許取得は6月の改正道交法施行で道が開かれ、東北では井上さんが第一号。10月に納車された乗用車のハンドルを握り、社会参加できる機会の広がりに期待を膨らませている。

 井上さんは10月17日、自宅に届いた新車に乗り、約10キロ離れた仙南自動車学院(宮城県柴田町)に向かった。仮免許の試験に何度も落ちてくじけそうになった時、応援してくれた指導員の阿部秀悦さん(40)を真っ先に乗せたかったからだ。

 最も苦労したという学科試験は猛勉強の末、9月上旬に2回目の挑戦で合格した。「分からない交通用語も粘り強く教えてくれた先生たちのおかげで、頑張ることができた」。井上さんは、胸の内にしまっていた感謝の気持ちを伝えた。

 阿部さんは「無事に免許が取れ、指導員みんなでほっとしていた。井上さんへの教習の経験を生かして、今後も積極的に聴覚障害者を受け入れたい」と話した。

 井上さんは3歳の時、高熱が原因で耳に障害が残った。聴力は年々落ち、今ではほとんど聞こえないという。道交法改正前は、10メートル離れた場所でクラクションが聞こえるという免許取得の条件を満たしていなかった。

 法改正とともに免許取得への気持ちを後押ししたのは、長女(2つ)の存在だ。自宅から幼稚園や小学校までの距離は約4キロ。近所では車で送り迎えをする親が多い。買い物や急な用事もタクシーを利用せざるを得ず、日常の行動範囲が狭くなっていたのも確かだった。

 「免許を取ったことが自信になり、あきらめないことの大切さをあらためて実感した」と井上さん。「送り迎えだけでなく、娘が急病の時などはすぐに病院に連れて行ける。これからは子育て中のママ仲間をつくったり、料理教室に通ったりしてみたい」と、愛車とともに次のステップに進もうとしている。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿