◇辛抱強く寄り添う
自立援助ホーム「ぐんま風の家」には障害を抱えた子供や外国人など「社会的弱者」もいる。知的障害があるナミさん(20)は入居3年目を迎えた。1年をめどに自立する子供が多い中、異例に長い。18歳未満が対象の児童福祉法の対象から外れ、他に受け入れ先がないのが実情だ。
ナミさんは幼いころ、両親が離婚した。親権を持つ職人の父は仕事で不在がちで、子育ての余裕がなかった。ナミさんは今、毎日約5時間、飲食店で働いている。勤務成績は良いが、障害者ということもあり月収は2万円に満たず、今後の人生設計は見えない。
ナミさんは自立に向けて踏み出したことがある。06年夏、障害者専用の通勤寮に体験入寮を申し込んだ。だが、雰囲気になじめず初日の夜、警察署に「泊めて」と駆け込み、入寮は断られた。この時、ナミさんを迎えに行った風の家ホーム長の多胡和典さん(30)は「奇行と片付けるのは簡単だが、ナミがそうせざるを得なかった気持ちに寄り添い、辛抱強く見守ることが大切。不幸にも今までそういう大人が周囲にいなかった」と語る。
一方、外国籍のクリスさん(17)には学歴が足りない。小学校で「ガイジン」とからかわれ、不登校になった。外国人は義務教育でないため誰も登校を促さない。母は娘の苦しみをよそに、育児放棄を続けた。日本語は話せるし書ける。だが、基礎的な学力がないと、仕事で困ることも多い。小売店のアルバイト先で、複雑な指示を出され、分からないといらいらする。
「明日の仕事休みたい」とつぶやいたのをスタッフに聞き返され、「行くよ!」と、声を荒らげて自室にこもることもある。
2人はいつまで風の家で生活するのか。退所後どう自立していくのか。ハンディキャップを抱えた子供らにとって道は険しい。(カタカナは仮名)
自立援助ホーム「ぐんま風の家」には障害を抱えた子供や外国人など「社会的弱者」もいる。知的障害があるナミさん(20)は入居3年目を迎えた。1年をめどに自立する子供が多い中、異例に長い。18歳未満が対象の児童福祉法の対象から外れ、他に受け入れ先がないのが実情だ。
ナミさんは幼いころ、両親が離婚した。親権を持つ職人の父は仕事で不在がちで、子育ての余裕がなかった。ナミさんは今、毎日約5時間、飲食店で働いている。勤務成績は良いが、障害者ということもあり月収は2万円に満たず、今後の人生設計は見えない。
ナミさんは自立に向けて踏み出したことがある。06年夏、障害者専用の通勤寮に体験入寮を申し込んだ。だが、雰囲気になじめず初日の夜、警察署に「泊めて」と駆け込み、入寮は断られた。この時、ナミさんを迎えに行った風の家ホーム長の多胡和典さん(30)は「奇行と片付けるのは簡単だが、ナミがそうせざるを得なかった気持ちに寄り添い、辛抱強く見守ることが大切。不幸にも今までそういう大人が周囲にいなかった」と語る。
一方、外国籍のクリスさん(17)には学歴が足りない。小学校で「ガイジン」とからかわれ、不登校になった。外国人は義務教育でないため誰も登校を促さない。母は娘の苦しみをよそに、育児放棄を続けた。日本語は話せるし書ける。だが、基礎的な学力がないと、仕事で困ることも多い。小売店のアルバイト先で、複雑な指示を出され、分からないといらいらする。
「明日の仕事休みたい」とつぶやいたのをスタッフに聞き返され、「行くよ!」と、声を荒らげて自室にこもることもある。
2人はいつまで風の家で生活するのか。退所後どう自立していくのか。ハンディキャップを抱えた子供らにとって道は険しい。(カタカナは仮名)
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