ゴエモンのつぶやき

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難病カルテ:患者たちのいま/20 「難病サポーター」に聞く /佐賀

2011年11月21日 01時33分12秒 | 障害者の自立
 ◇配慮と理解広げて--患者が抱える就労問題を研究する、春名由一郎さん
 連載20回目にインタビューする「難病サポーター」は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構障害者職業総合センター(千葉市)の春名由一郎上席研究員(46)。約15年前から、難病患者が直面する雇用問題について、調査・研究を重ねている。春名さんは「配慮と理解があれば、働くことができる患者は多い。意欲を持つ人を支える受け皿が必要」と呼びかける。

 --どんな問題意識から研究を始めたか。

 研究を始めた当時、「病気だから働く必要はない。障害認定があるのだから難病支援は必要ないでしょう」という医者の声が多かった。実際は違います。障害認定を受ける程ではないけれど、疲れやすかったり、通院が必要な人がいる。症状が悪くなったり良くなったりすることもある。「健常者」でもないし、「障害者」でもない。現行制度の「谷間」に陥る人たちが多く存在することを知り、支援の必要性を考えるようになりました。

 --多くの患者が雇用環境に悩みを抱えている。

 普通に働いている人も多いが、問題がないわけではありません。困っている人は多いけれど、隠しているから見えにくくなっているだけです。一方で症状が悪化し職場が理解をしてくれていないと、就業できなくなる。企業側も「難病の人は雇うのが大変」となってしまうのです。

 --職に就くまで壁を感じる患者も多い。

 一番多いのは、面接で病気を伝えにくい、という声です。就職できない状態が続くと生活が壊れ、精神的にも追い込まれます。

 --どのような対応が求められるのか。

 米国では、通院や勤務の配慮、適切な休憩を取ることは労働者の権利として認められています。「配慮できないから不採用」ということ自体が差別に当たる。そのあたりが日本は曖昧なままです。「配慮」を求めるためには企業側とのコミュニケーションも不可欠ですが、それができる土壌が十分でない。現在検討されている「障害者総合福祉法」で、ある程度改善されることを期待します。

 --具体的に取り組めることは。

 たとえば、試用期間を通じて本雇用に結びつける「トライアル雇用」があります。こうした制度を活用し、働く能力があることやどういう配慮が必要かを実践できるでしょう。ただ、いわゆる「障害者雇用」の業種は運搬など体力の必要な仕事が多い。難病患者にそういう仕事は合わないケースも多く、一般の求人枠の方が向いているのではと感じます。

 --なるほど。

 何より大切なのは、適切な配慮があれば働ける人が多い、という意識を共有すること。主治医などと連携し、企業と患者のコミュニケーションを支えていくことが必要ではないでしょうか。病気を持ちながら働くということを、当たり前の社会にしなければならないと考えています。

毎日新聞 2011年11月20日 地方版



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