ゴエモンのつぶやき

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ニュータウンにスーパー復活 従業員に障害者を起用

2015年06月11日 01時48分08秒 | 障害者の自立

 高齢化、過疎化が進む「泉北ニュータウン」の高倉台(堺市南区)で、売り上げが落ち込んで消えたスーパーが復活する。従業員に障害者を起用することで公的な支援を受け、収支を下支えする仕組みだ。住民と市が、ニュータウンの「買い物弱者問題」を解決しようと知恵を絞った。12日にオープンを迎える。

 3日にあったプレオープンの朝市。障害者施設で作られた菓子、朝に仕入れた新鮮な野菜などが店先に並び、地元の商業者らが、12日の開店を宣伝した。

 行き交う高齢者らは足を止め、袋いっぱいに野菜やケーキを買い込んだり、これからどんな物を置くのか、興味津々で聞いたり。近くに住む冨永住江さん(67)は「年をとると、重い荷物を持って歩くのは大変。近くにまた店ができるのは助かる」と喜ぶ。

 泉北ニュータウンは、西日本のニュータウンの中で最大規模。今回スーパーが再開する高倉台は、その東側に位置しており、1972年にできた。かつては若い家族で活気に満ちていたが、今では高齢化率が30%を超えている。2004年からの10年間で人口は約15%減り、昨年3月時点で8702人。

 街開きの頃から親しまれてきたスーパーがなくなったのは99年。その後、運営者を代えて再開を繰り返したが、人口減の影響で売り上げが伸び悩み、いずれも長続きしなかった。

 昨年3月、3回目の閉店後、住民らが市に訴えた。「ここのスーパーがなくなっては、生活できない人が出てくる」。この要望を受けて、住民らで作るまちおこしのNPO「すまいるセンター」と市が話し合いを重ね、売り上げが低調でも営業を持続できる仕組みを考えた。

 ポイントは、障害者の就労支援と組み合わせることだ。地元の社会福祉法人と連携し、従業員の中に知的障害者らを起用。販売業務を、就労を支援する「障害福祉サービス」と位置づけて国や府市から給付金を受ける。現在、申請作業にあたっており、秋には障害者たちが店頭に立つ予定だ。

 運営は官民一体であたる。事務局の役割は市とすまいるセンター。堺市の商業者でつくる市場連合会が住民のニーズに合った商品を仕入れ、スーパーに手数料を支払って、販売を委託する。

 店舗は、閉店していたスーパーの建物を活用する。総面積は約200平方メートル。一角をカフェスペースに改装し、憩いの場にする。医師による生活相談も定期的に行う予定だ。来店が難しい高齢者らには見守り活動を兼ねた配達も展開して、地域福祉の拠点を目指す。改装費などの費用として、来年度までに市が計900万円を支援する。限られたスペースで魅力ある商品をそろえられるかが課題という。

 国土交通省によると、全国のニュータウンの総面積は約19万ヘクタールで、ほぼ大阪府と同じ。泉北ニュータウンと同様に、高齢化、人口減によって、買い物の場がなくなってきていることが各地で課題となっている。

 堺市健康福祉総務課の高橋悦子・超高齢化担当参事は「買い物弱者問題の解消、雇用が進まない障害者の就労支援、独居の高齢者らの見守りなど、一石何鳥にもなる取り組み。多くの自治体が抱える共通の問題を解決するモデルケースになるのではないか」と話す。

写真・図版

復活するスーパー前で開かれた朝市。今後も定期的に開く予定という=3日午前、堺市南区、

2015年6月10日    朝日新聞


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