ゴエモンのつぶやき

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震災障害者:「阪神」と「東日本」交流 「傷」分かち合う

2014年07月29日 01時39分05秒 | 障害者の自立
 阪神大震災で負傷して体に障害が残った「震災障害者」3人と支援者らが27日、東日本大震災で妻を失い、宮城県石巻市の仮設住宅に1人で暮らす斉田道男さん(64)を訪ね、語り合った。義足生活の斉田さんは震災後、孤立感を深めアルコール依存症に。倒壊家屋の中で死線をさまよい、思うに任せない体で生き抜いてきた阪神の障害者は「同じ苦しみを持つ仲間」と斉田さんを励まし、支え合うことを約束した。

 斉田さんは元漁師で四十数年前、漁船で作業中に負った傷が原因で左足を切断。震災の津波で、妻かつ子さん(当時69歳)と義足を流された。斉田さんは2日後に救出され、避難所で医療支援をしていた川島龍一・兵庫県医師会長(70)の協力で新たな義足を作ってもらった。

 被災者支援に取り組む神戸市のNPO「よろず相談室」の牧秀一理事長(64)が川島会長から斉田さんの近況を聞き、今回の交流を提案。神戸市の岡田一男さん(73)、植村貴美子さん(84)、甲斐研太郎さん(66)が参加した。3人は19年前、全壊した自宅で約18〜60時間生き埋めとなり、足にクラッシュシンドロームの後遺症が残り、痛みやしびれがある。

 斉田さんは2012年4月、車の運転免許証を取得。昨年8月に飲食店を始めたが、うまくいかず4カ月後に閉店した。アルコール依存症になり、仮設住宅に引きこもりがちになった。岡田さんらも阪神大震災直後、復興から取り残されたという思いを抱いたことがある。しかし、他の震災障害者と交流し、前向きになれたという。

 この日、斉田さんは3人に「義足が合わなくなり、最近は出歩くことも少ない」と力なく語った。「生かされたことには意味がある。もう一人で苦しまないで」。岡田さんらは自身の体験を語りながら励まし、連絡先を伝え、川島会長は義足の修繕を約束した。斉田さんは涙ぐみながら「心配してくれる人たちがいて、うれしい」と語り、再会を誓った。牧理事長は「障害を持ちながら孤立無援で生きなければならない者同士だからこそ、分かり合える。東北でも悩みを分かち合う交流が必要だ」と話した。

毎日新聞 2014年07月28日 07時45分


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