今年度の県、高知市職員採用試験で初の点字合格者が出たことを記念した講演会が6日、高知市内のホテルであり、約50人が参加した。民間企業などで活躍する視覚障害者を講師に招き、「視覚障害者が能力を十分生かせる就労環境」について考えを深めた。
今年度の点字試験では、高知市の吉岡邦広さん(32)が3度目の挑戦で県職員採用試験に、高知市職員でも男性1人がそれぞれ合格。「県視覚障害者の就労を促進する会」が特別総会を兼ね、記念講演会を主催した。
講師の銀行員、岡田太丞さん(45)=兵庫県在住=は03年、赴任先のタイで見つかった脳腫瘍などの影響でほぼ全盲になり、5年後に復職した。東南アジアの人脈を駆使して「現地発」の企業情報を集め、国内外の行員に提供。当初、十数人だった購読者数は先月末現在で1500人を超えた。
「失明前は収益を上げる『フォワード』だった。今はゴールを決められるパスを出す」と、見いだした自身の役割について語った岡田さん。「微力は無力ではない。『0』ではなく『0・1』をたくさん積み重ねれば物事は動かせる。障害者でもちゃんと仕事はできる」と力を込めた。
もう一人の講師で、全盲の大阪市職員、岸本慶子さん(27)は「周りがどんな風に忙しいか分かりにくい時があるが、支援を頼む勇気を持つことが大事」と主張。気を使わず、できる仕事を任せてくれた先輩の存在に助けられた経験から「どんなに小さなことでも相談に乗ってくれる人、サポートしてくれる人がいれば仕事は楽になる」と話した。
毎日新聞 2011年2月7日 地方版
今年度の点字試験では、高知市の吉岡邦広さん(32)が3度目の挑戦で県職員採用試験に、高知市職員でも男性1人がそれぞれ合格。「県視覚障害者の就労を促進する会」が特別総会を兼ね、記念講演会を主催した。
講師の銀行員、岡田太丞さん(45)=兵庫県在住=は03年、赴任先のタイで見つかった脳腫瘍などの影響でほぼ全盲になり、5年後に復職した。東南アジアの人脈を駆使して「現地発」の企業情報を集め、国内外の行員に提供。当初、十数人だった購読者数は先月末現在で1500人を超えた。
「失明前は収益を上げる『フォワード』だった。今はゴールを決められるパスを出す」と、見いだした自身の役割について語った岡田さん。「微力は無力ではない。『0』ではなく『0・1』をたくさん積み重ねれば物事は動かせる。障害者でもちゃんと仕事はできる」と力を込めた。
もう一人の講師で、全盲の大阪市職員、岸本慶子さん(27)は「周りがどんな風に忙しいか分かりにくい時があるが、支援を頼む勇気を持つことが大事」と主張。気を使わず、できる仕事を任せてくれた先輩の存在に助けられた経験から「どんなに小さなことでも相談に乗ってくれる人、サポートしてくれる人がいれば仕事は楽になる」と話した。
毎日新聞 2011年2月7日 地方版
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