入所者の保護者から集めた寄付金が使途不明金となっている問題で、県から全役員の解職を勧告されていた鴻巣市笠原の知的障害者施設「啓朋学園」を運営する社会福祉法人「翌桧(あすなろ)会」が、加藤嘉男理事長ら役員全員が辞任したことを文書で県に伝えていたことが24日、明らかになった。県は同法人に対して11月9日付で、加藤理事長を含む理事6人、監事2人を解職するように勧告。今月22日までに、結果を報告するように求めていた。
県障害者自立支援課によると、同法人からの文書は22日に郵送で到着。県が解職を勧告していた役員8人のうち、加藤理事長ら7人が20日付で辞任したと報告されていた。残る理事1人については、11月8日付で辞任したことが、同18日付の文書で同法人から回答されている。
同法人をめぐっては、2001年5月、保護者約40人から施設の建設費名目で集めた寄付金約1億7千万円が使途不明になっていることが発覚した。寄付金を横領したとして、当時の男性理事長の有罪判決が確定している。
この問題で、県は3度にわたって改善を命令。同法人が従わなかったため、県内では初めて、社会福祉法人に対する解職勧告をしていた。
県は今月22日を回答の期限として、理事会で後任役員を選定するように要求。同法人が勧告に応じなかった場合は、業務停止命令に踏み切る可能性があるとしていた。だが、文書では新役員の選出について触れられていない。同法人を所管する県東部中央福祉事務所によると、24日までに同法人から役員変更届は提出されていないという。
同課は「役員が辞任しただけでは納得できない。(今後の対応策については)実態がどうなったのかを確認してから判断する」としている。同法人職員は「近日中に正式な話があるとの連絡は受けたが、担当者がいないので分からない」と話していた。
■啓朋学園元理事長に約2900万円返還命令
鴻巣市笠原の知的障害者施設「啓朋学園」の入所者の保護者が、同施設を運営する社会福祉法人「翌桧(あすなろ)会」に贈与した寄付金が不正に流用されていたとして、翌桧会と当時の男性理事長に寄付金約4217万円のうち約2909万円などの返還を求めた訴訟で、さいたま地裁(片野悟好裁判長)は、請求全額の返還などを命じた。
同法人をめぐっては、保護者らが寄付金の返還などを求めた第1次訴訟で同地裁が2008年10月、約1億7千万円の寄付金のうち、69%が当時の理事長らが設立した商社に流出するなどして不正に使われたと認めた。今年2月、被告側の上告が最高裁で棄却され、確定している。
片野裁判長は、「寄付金の69%が元理事長の不法行為によって生じた損害」と認定。原告側が保護者10人の寄付金総額の69%分として要求した約2909万円の全額の支払いを命令した。
判決後、取材に応じた原告側弁護士は「主張をきちんと認めてもらえたことを評価する。だが、同法人の運営はまだ適正ではなく、さらに徹底して改善してほしい」と要望した。
同法人は「判決内容が分からないので、コメントできない」としている。
埼玉新聞 -
県障害者自立支援課によると、同法人からの文書は22日に郵送で到着。県が解職を勧告していた役員8人のうち、加藤理事長ら7人が20日付で辞任したと報告されていた。残る理事1人については、11月8日付で辞任したことが、同18日付の文書で同法人から回答されている。
同法人をめぐっては、2001年5月、保護者約40人から施設の建設費名目で集めた寄付金約1億7千万円が使途不明になっていることが発覚した。寄付金を横領したとして、当時の男性理事長の有罪判決が確定している。
この問題で、県は3度にわたって改善を命令。同法人が従わなかったため、県内では初めて、社会福祉法人に対する解職勧告をしていた。
県は今月22日を回答の期限として、理事会で後任役員を選定するように要求。同法人が勧告に応じなかった場合は、業務停止命令に踏み切る可能性があるとしていた。だが、文書では新役員の選出について触れられていない。同法人を所管する県東部中央福祉事務所によると、24日までに同法人から役員変更届は提出されていないという。
同課は「役員が辞任しただけでは納得できない。(今後の対応策については)実態がどうなったのかを確認してから判断する」としている。同法人職員は「近日中に正式な話があるとの連絡は受けたが、担当者がいないので分からない」と話していた。
■啓朋学園元理事長に約2900万円返還命令
鴻巣市笠原の知的障害者施設「啓朋学園」の入所者の保護者が、同施設を運営する社会福祉法人「翌桧(あすなろ)会」に贈与した寄付金が不正に流用されていたとして、翌桧会と当時の男性理事長に寄付金約4217万円のうち約2909万円などの返還を求めた訴訟で、さいたま地裁(片野悟好裁判長)は、請求全額の返還などを命じた。
同法人をめぐっては、保護者らが寄付金の返還などを求めた第1次訴訟で同地裁が2008年10月、約1億7千万円の寄付金のうち、69%が当時の理事長らが設立した商社に流出するなどして不正に使われたと認めた。今年2月、被告側の上告が最高裁で棄却され、確定している。
片野裁判長は、「寄付金の69%が元理事長の不法行為によって生じた損害」と認定。原告側が保護者10人の寄付金総額の69%分として要求した約2909万円の全額の支払いを命令した。
判決後、取材に応じた原告側弁護士は「主張をきちんと認めてもらえたことを評価する。だが、同法人の運営はまだ適正ではなく、さらに徹底して改善してほしい」と要望した。
同法人は「判決内容が分からないので、コメントできない」としている。
埼玉新聞 -
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます