「ブルー・ローズ(上・下)」馳 星周著、読んで見ました。
「ブルー・ローズ(上・下)」馳 星周著、読んで見ました。この著者の作品を読むのは初めてでした。
バブル時の土地取引で借金を抱えくすぶっている元刑事「徳永」が、警視監「井口」の失踪した娘「菜穂」の捜索をして行くうちにドス暗い権力闘争やSMの世界に足を踏み入れ深みに嵌って行く。
初めのうちは「徳永」も冷静で何事にもシニカルな態度を崩さず好感を持てるキャラクターだったんですが「舞」が死んで復讐の色合いが強まってくる辺りから、内に秘められていたSMに「目覚め?」ストーリーもハードボイルドから破滅的なバイオレンスに変化してゆきます。
途中から「徳永」の行動は常軌を超え、だんだん彼への「共感」が薄れはじめ、引き込まれることも無く惰性で読んでゆくようになっていきました。
エピードもストーリーもむだに「多く」「長い」。何度も出てくる「前島」とのやり取りはマンネリで飽き飽きしました。
バイオレンスの部分も昔よく読んだ「大藪春彦」を劣化させたような描写で感心できなかった。
この作品は個人的にちょっと「?」だったんですが、「馳 星周」の最終的判断は有名で評価の高い「不夜城」を読んでからにしようと思う。
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