「ガール」奥田英朗著、読んでみました 。
久々の「奥田英朗」です。ここの所ずーっと良い作品が続いています。
今回読んだ「ガール」も面白く一気に読み終えました。なんとなく、かなり前に読んだ「マドンナ」の女性版といった感じの設定なんですが、とにかく主人公の心の動きと、周りにいるキャラクターがリアルで各短編のエピソードが生き生きしています。
前にも書いたことが有るんですが、作者はインタビューで
“ 「登場人物を裁かない」というのがモットーで、自分に戒めている ”
“ それぞれの主張に正しい部分とやましい部分があるし、すべては白と黒じゃなくてグレーゾーンにあるんですよ ” と語っているとおり、
こいつは「なんかな~」と思わせるキャラも徹底的には悪者にせず読後を爽やかにさせてます。
多分時代のせいだと思うんですが、1960年代くらい生まれから後の年代って、所謂「中流家庭」以上でのほほんと普通に育った場合、幾つになっても「ガール(ボーイ)」の心を持ったままでいられるんじゃないかなぁ。
当然、著者の「奥田英朗」もそんな状況なのでこんなリアルな小説になるのだと思う。この作品を読んで改めて「ボーイ」の気持ちから抜けきれない自分を確認しました。