漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

18世紀フランス英会話事情

2012年09月16日 15時31分21秒 | 第21話/薬包紙

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



  18世紀の中頃には、ルイ・セバスティアン・メルシエ( 1740-1814 ) さんによると、
フランスで英字新聞の解説がすぐにできる人は、王様 ( ルイ15世 ) の執務室ですら誰もいなかった ― との事です。

 その後、英国の著作物が原文や翻訳で続々と入って来て、
スターン聖下の 「 センチメンタル・ジャーニー 」 に登場する、
シェイクスピアを読む、B **** 伯爵のような人も出て来たようです。

 ちなみに、18世紀のフランスでシェイクスピア物を上演する場合には、
( ヴォルテールさんも、 「 野蛮劇 」 と 呼んでいたようです。 )
血生臭い内容&今風の言葉でいう所の〈 衝撃ラスト 〉の場合には、お客様の嗜好に合わせてストーリー変更をしていたようです。
( 例えば、 「 ロミジュリ 」 は二人とも死なないで、再会後には幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。 ― とか…。 )

 韓流ドラマが、日本のオバさん達に韓国語を覚えようと決意させたように、
フランスでも英流小説の影響で、英語に興味を持ち、習得しようとする人達がしだいに増えて行きました。
フランス革命前夜の頃には、英字新聞もありふれた物となり、
英国の著作物を翻訳しようと、翻訳家達が我先にと争うようになっていた程だったらしいのです。

 …まあ、それから、当時英語ができるという事は、お嬢様方にとってはアクセサリーの一つともなっていたとの事です。
本物語にも出て来る、カフェ・ブルトンやドログリー・ルベルの
「 会いに行けるアイドル 」 マリアンヌさんや、クレールさんなどは、
そのハシリですかな。

  今日の続きは明日。