風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

格差

2010-07-08 03:46:50 | バス
 ターミナルセンターにいたら、バスがセンターの建物に入ってくるのが見えた。
 幹線道路から、大きな車体を、ぐっとこちらに向け直して、カーブを切った。
 すごいなあ、と感心して見ていた。バスは大きい、大勢の人を乗せている。
 それを、えいやっと、思いのままに運転する技術はたいしたものである。

 知り合いにバスの運転手さんがいるが、仕事のわりには、薄給である。
 同じ人間を乗せるのでも、飛行機のパイロットは高給である。
 空と路上では、こうも違うかというくらい、だいぶ違う。
 
 昔は、車掌さんなどという職種があって、運転手さんを補佐した。
 今の運転手さんは、次は~、のアナウンスから、釣銭から、ニモカの販売から、携帯電話の注意から、バスが止まってからお立ちください、まで、 ぜ~んぶ、一人でやらないといけない。
 大変だなあ。

 大変なのは、これも親戚がお世話になっているから、よく知っているが、老人介護のヘルパーさんである。
 自分の親のものでも触りたくないウンチやオシッコの始末をしてもらう。喚いたり叩いたりするジジババもいる。
 自分の親なら、もうイヤ! 施設に入れちゃうから……と言えるが、彼らは逃げずに働いてくれる。えらいなあ。
 彼らには、もっと高給で働いてもらいたいなと思う。

 年俸を何億も貰う社長さんは偉いから貰う、だけど、バスの運転手さんもヘルパーさんも、負けずに偉いと思うんだけどなあ。

 ああ、ばあさんのたださえ少ない脳みそは、千々に乱れ、今夜も眠れぬ夜を過ごすのである。


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