風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

40歳

2010-09-12 13:26:00 | 健康
 風子ばあさんには、年長の友だちも、ずっと齢の若い友だちもいる。
今日は、若い方の友だちのことである。

 彼女はまだ四十になったばかりである。
今の四十は、彼女に限らず、まだまだ若い。
風子ばあさんたちの時代と違って、すらりとした様子もいいし、ファッションも若い。

 彼女は健康でもある。
老いなどはまだまだ遥か彼方の先であると思っている。

 その彼女が、どうもこのごろ目が疲れると眼科へ行った。
検査を終えた医師は言ったそうである。
「ま、早い話が、老眼ですな」

 老眼とは自然な成り行きであって、病気ではない。
だから、よかったねえ、どこも悪くなくて……と風子ばあさんは言った。

 え、風子さんまで、そんなあ。 いやですよ、老眼なんて。

 わたし、会計をすませて病院を出たら、なんだか、足もとが安定しないんですよ。
ああ、それほどショックだったんだ、って自分が自分で可哀想になって、涙が出そうになって。

 ふっと足下を見たら、なんと、病院のスリッパのままで外へ出てたんですよ。靴、履かないで。
やっぱり相当ショックだったんですよねえ。

 いいなあ、老眼くらいでそんなにショックを受けるなんて。
風子ばあさんくらい齢をとると、老眼だの腰痛だの、肩こりだの膝痛だの、ま、そんなことくらいは日常茶飯事。

 命に直結しないかぎり、いちいちショックなんか受けておられんのですよ。

 いやあ、四十、五十はまだまだ若い!



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