風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

デンセン

2011-12-22 22:17:59 | 思い出
     必要があって、「昭和の値段史」という本を見ていた。

     なんと、昭和30年、初任給が6000円前後の頃、
    ナイロンストッキングは、一足400円もしていた。

     今日、サークルでその話をしたら、
 「そうそう、今のようにデンセンしたらポイと捨てるなどというわけにいかなかったよねえ」
 「デンセン一本30円だか、50円だかで、修理をしてくれる商売があったわねえ」
     と大いに盛り上がった。

     それから、なぜか話は新婚旅行に発展した。

     東京の人間の行く先は、伊豆か熱海と相場が決まっていた、    
    ちょっとお金持ちになると九州は宮崎辺りまで足を延ばしたのよと
    風子が言った。

    すると、誰かが、  
   「九州では、フツーが別府か雲仙あたりで、
    お金持ちが熱海へ行ったんですよ」と言った。

      ナルホド。

    その少しあとになると、紀州は白浜温泉あたりが人気だったねえ。

    そうそう。

    今のようにハワイでもイタリアでもなかったけど、
   それで充分幸せだったねえ。

     デンセンしたストッキングに共感した世代は、
    つつましく頷きあって、一年を締めくくったのである。
 
   

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