わたしが東京から九州へ転居したのは、バアチャンの介護が必要になったからである。
誰も看るひとがいないバアチャンが倒れ、東京でサラリーマンをしていた夫が、
まず長期休暇をとって半年、その後退職して一年、ひとりで看護した。
献身的な介護で、近くに住む年寄りが、新聞記者さんに知らせてやりたか……
と言われるほどであった。
しかし、いつ終わるか分からないのが老人介護である。
50年前の85歳は超高齢である。実をいえばすぐに亡くなると思っていたのだ。
だから夫は全力で介護し、わたしは東京で仕事を続けた。
しかし、一年二年と続き、三年めに覚悟を決めてわたしも東京から九州に移転した。
バアチャンが長患いさえしなかったら
わたしは九州くんだりまで来ないですんだのにというのが、
いまでも夫の身内に言えない本音である。
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