博多からの直行バスで平山温泉に行った。
風子ばあさんは、人と会うのも喋るのも好きである。
好きだからこそ、喋りくたぶれて、
たまにはひとりで旅に出たくなる。
バスの車窓に流れる景色を、ぼうっと見ていると、
連れのあるときとはまた一味違う、楽しいひとときとなる。
こんなときは、
出来れば前後の座席があまり騒々しくないほうが望ましい。
観察していると、一番静かなのが夫婦連れである。
奥さんの方が、ひとことふたこと話しかけても、
たいがいのダンナは、ウムッ くらいですます。
次に静かなのが母娘である。
齢を取った母親が、温泉行きに浮かれていても、
娘の方は、フーン、フーンと
あまり気がのらない返事をするくらいのことである。
なんといっても、賑やかなのが言わずと知れた、ばあさん仲間。
耳が遠くなったのを差し引いても、
でかい声でひっきりなしで喋り、かつ笑う。
うるさいなあ、と思うが、
なんのことはない、風子だって
連れがあるときは負けず劣らずだから、ここは我慢するしかない。
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