わたしの実家では、バナナは洗ってから皮をむき、卵も洗ってから割った。
それが当り前と思っていたら、大人になってから、みんなに笑われた。
今になって、あれは父の衛生志向だったのだろうと考える。
明治生まれの父の父(私の祖父)はキリスト教の牧師兼英語教師だったと聞く。
新しい西洋思想にカブレたかと思えば、父の刺身嫌いも沢庵きらいも多少納得がいく。
父は、ただ、キライだ! と食べなかっただけで、理屈は言わなかったけど。
いずれにしても、我が家で沢庵は厳禁、父が留守の日は、今日はお父さんがいないからと
母親がいそいそと沢庵を食卓に並べた。父は見るだけでもいやがった。
青魚も一切食べなかった。肉もおよそ食べなかった。漬物類もダメだった。
もっぱら卵と豆腐と芋の煮っころがしを好んで食べて、82歳まで生き、たいして患わずに逝った。
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