知人男性のお母さんは、目下、癌で闘病中である。
病状は進んでいるらしい。
サラリーマンの彼は、往復五時間かけて
実家近くの入院先に、日曜ごとに、母親を見舞うという。
このごろ、個室に移ったんですよ……、と彼は心配している。
電話だけは毎日かけるそうだが、近くにいるようには行き届かない。
昨日も電話したら、食欲がなくてご飯が食べられないから、
今度来るときは、味塩を持って来てくれというんですよ。
彼は、それを寂しそうに笑って言った。
彼は一人息子である。
遠距離介護の息子に味塩を頼む母も哀しい、
頼まれる息子も哀しい。
何もしてあげられない風子は切ない。
病状は進んでいるらしい。
サラリーマンの彼は、往復五時間かけて
実家近くの入院先に、日曜ごとに、母親を見舞うという。
このごろ、個室に移ったんですよ……、と彼は心配している。
電話だけは毎日かけるそうだが、近くにいるようには行き届かない。
昨日も電話したら、食欲がなくてご飯が食べられないから、
今度来るときは、味塩を持って来てくれというんですよ。
彼は、それを寂しそうに笑って言った。
彼は一人息子である。
遠距離介護の息子に味塩を頼む母も哀しい、
頼まれる息子も哀しい。
何もしてあげられない風子は切ない。