風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

ブックオフ

2011-03-03 10:41:17 | 読書
 本が好きだから、ときどき近所のブックオフにも行く。
欲しかった本が安く手に入ると嬉しい。
嬉しいが、ブックオフの店を出入りするときは、ふつうの書店をのぞく時とちょっと気分が違う。

 これは風子ばあさんに限ったことかもしれないが、どこか後ろめたいような、弾まない気分を引きずる。

 いまの若いひとたちはそんなことはないのかもしれない。
読み終わった本は引き取ってもらい、かわりに必要な本を手に入れる、なんのためらいもないのだろう。多分。

 風子ばあさんたちの世代は、新聞紙でも包装紙でも大事にする。ましてや本は、読み終われば大事に大事に本箱にしまう。
背表紙が増えていくのは嬉しいものなのである。

 だから、ひと山なんぼでなんぞ、売りたくない。

 著名な作家の全集が束になって、半額……、こっちの棚は100円、などというのを見ると、つい、いそいそと買うのだが、そのくせ、どこか物哀しいのである。

 ブックオフは、若い者にこそ似合う場所なのかもしれない。