もう20年以上むかしになるが、
曽野綾子さんの「贈られた目の記録」を読んだ。
作家というのはすごいもんだなとつくづく感心した覚えがある。
視力に不安を覚え、白内障と診断を受けて、病院を探し、手術を受けた……
いうなればそれだけのことを書いた長いものだが、一気に読んだ。
プロだから当たり前と言ってしまえばそれまでだが、
退屈せずに読ませる力にほとほと感じいったものであった。
その後、同じように思ったのが、夏樹静子さんの「椅子がこわい」である。
これも、腰痛で悩み、何ヵ所もの病院をめぐりあるき、
ようやく心因性のものとわかって治癒したことがえんえんと書いてあるのだが、
退屈するどころか、ぐんぐん引き込まれて読まされた。
腰が痛い痛い痛い……と書いて、これだけ読者を引き込んでいくのだから、
プロとはすごいもんだなと唸った。
長年腰痛に悩む風子ばあさんは、どんなに逆立ちしてもああは書けない。
せいぜい特製の座布団を作って、どこへでも持ち歩くのが関の山である。
昨日も友人と会うのに、いつものように座布団を持参した。
居酒屋の椅子に置いて座り、楽しく呑んだはいいが、立つ時に忘れた。
帰宅してから気づいた。
居酒屋のお兄ちゃんかお姉ちゃんは、妙な忘れものにきっと驚いているに違いない。
曽野綾子さんの「贈られた目の記録」を読んだ。
作家というのはすごいもんだなとつくづく感心した覚えがある。
視力に不安を覚え、白内障と診断を受けて、病院を探し、手術を受けた……
いうなればそれだけのことを書いた長いものだが、一気に読んだ。
プロだから当たり前と言ってしまえばそれまでだが、
退屈せずに読ませる力にほとほと感じいったものであった。
その後、同じように思ったのが、夏樹静子さんの「椅子がこわい」である。
これも、腰痛で悩み、何ヵ所もの病院をめぐりあるき、
ようやく心因性のものとわかって治癒したことがえんえんと書いてあるのだが、
退屈するどころか、ぐんぐん引き込まれて読まされた。
腰が痛い痛い痛い……と書いて、これだけ読者を引き込んでいくのだから、
プロとはすごいもんだなと唸った。
長年腰痛に悩む風子ばあさんは、どんなに逆立ちしてもああは書けない。
せいぜい特製の座布団を作って、どこへでも持ち歩くのが関の山である。
昨日も友人と会うのに、いつものように座布団を持参した。
居酒屋の椅子に置いて座り、楽しく呑んだはいいが、立つ時に忘れた。
帰宅してから気づいた。
居酒屋のお兄ちゃんかお姉ちゃんは、妙な忘れものにきっと驚いているに違いない。