風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

韓流コスメ

2018-10-24 13:13:10 | はらから集いてソウル

 妹は息子のお嫁さんに顔に塗るパックを頼まれてきたそうで、

化粧品屋でパックの詰め合わせを山ほど買った。

これがけっこう重かった。

 わたしもクリームをいくつか買い、それらを入れる大きなショッピングバッグを近くの店で調達した。

買い物がすんで、さて店を出ようとしたら荷物が重すぎて持ち上がらない。

遙ちゃんのダンナとユウトくんが両方から抱えて歩いてくれた。

 ほかにどこか行きたいところがありますか?

 遙ちゃんに訊ねられたが、こんな重い荷物を持たせてどこへ行けといえるだろうか。

いやいや、なにより、もうすぐ70歳になる妹と、すでに80歳になったわたしは、

買い物をすませただけでへとへとなのであった。

 75歳になる弟は近くのコーヒーショップで根気よく待機していた。

 これはこれで我慢のいることだったろう。

        

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シャイニー

2018-10-23 22:41:10 | はらから集いてソウル

 行きたいところの一番にBTSを上げた妹をせせら笑ったわたしも、

実はいつも世話になっている友人にシャイニーのCDを頼まれてきていた。

友人の孫はシャイニーの大フアンで、メンバーのひとりに不幸があったときは涙にくれて

円形脱毛症になったほどのファンだそうである。

 明洞のCDショップでそれを買ってきてやってくれないかと言われてきたのだ。

ここは是が非でも明洞に行ってシャイニーのCDを確保せねばならない。

一泊二日目の真ん中の日に、明洞へ行った。

しばし歩きまわったあと、遙ちゃんのダンナがスマホで確認をとってくれたCDショップで

ようやくゲットした。

 シャイニーがどんなミュージシャンなのかおばあさんの私には見当もつかない。

ただただ、円形脱毛症になった孫を思う友人の望みをかなえてやりたかったのである。  

       

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Kポップ

2018-10-20 21:40:14 | はらから集いてソウル

 時代おくれのわたしは、今回はじめてKポップが韓国のポップで、Jポップが日本のそれであると知った。

ああ、なるほど、「K」と「J」ねえ。

そしてJポップもさることながら、Kポップは今や人気抜群で第二の韓流と呼ばれる勢いらしいことも。

知らないのはおばあさんだけなのだった。

          

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ファン心理

2018-10-19 17:25:20 | はらから集いてソウル

  BTS……とはなんぞや、流行おくれのおばあさんにはちんぷんかんぷんだったが、

防弾少年団、ビッグヒットエンターティメントという人気Kポップスなのだそうである。

事務所に行って彼らに会えるわけではない。分かっていてもファン心理、妹はそこへ行きたいのだ。

じゃあ、まあ、ご希望なら行きましょうかね~~。

遙ちゃんのダンナはあまり気乗りしないふうだが引き受けてくれた。

きっとなんにもないと思うよ~と、弟はせせら笑った。

昼食をすませたあと、遙ちゃんのダンナがそこへ案内してくれた。

弟の予想どおり、小さなありふれた何の変哲もないビルだった。

ダンナは中へ入って行き、事務所の人に確かめてくれたが、

BTSのメンバーがが来ることは絶対にないですと言われて出てきた。

部厚いガラスの扉に張り紙がしてあった。

「このビルの前にプレゼントや手紙を置いていかれてもアーティストにはお渡し出来ません」

ハングル文字の下に、日本語でも書いてあったのでわたしにも読めた。

       

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合流

2018-10-18 22:40:11 | はらから集いてソウル

 ソウルには金浦空港と仁川空港がある。

わたしと妹は仁川、弟は金浦に着くので、姪の遙ちゃん夫婦は

レンタカーを借りてダンナが金浦で弟を迎えたあと仁川に回って私たちと合流した。

二泊三日という短い旅のはじまりである。

「どこか行きたい所はありますか」とさっそくダンナが訊いてくれた。

「ほかにないけど、BTSの事務所の前でユウトくんと写真を撮りたい」というのが妹の希望である。

後部座席にいたユウトくんが、すかさず、いやです、と言った。

「おばあさんがひとりで写真撮ってもらうのは恥ずかしいから、ユウトくんつきあってよ」

 妹は懇願したが、

「ぼくはもっと恥ずかしいからいやです」

 ちなみにユウトくんは中学三年生である。

素直で心優しい少年だが、BTS事務所前での写真撮影だけは、きっぱりと断られた。

         

        

 

 

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妹の実力

2018-10-17 16:09:00 | はらから集いてソウル

 68歳になった妹は、昨年から韓国語を習いはじめた。

夜の教室なのでみんな妹より若い仲間である。

若いひとたちは覚えが早い。

妹は教室のみんなに迷惑をかけられないからとかなり必死になっている。

韓国ドラマも毎夜観ているし、Kポップにもくわしい。

つまり韓国が好きなのである。しかし、まだまだ会話が通じるところまではいかない。

広い仁川空港の到着口へ出るまで、飛行機で一緒だったひとの背中を

しっかりみて歩けと足の遅いわたしをせかす。

「あんた、ひとの背中見ないだって案内のハングルくらい読めないの?」

「読めるわけないじゃない」

ということで、到着口で姪の顔を見つけてようやくほっとした。

     

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あわや

2018-10-16 18:08:32 | はらから集いてソウル

 え? 知らない人のカードで決済されたのですか? 

係員の顔が険しくなった。

 日本の社員ならどんなときでもあくまでにこやかに対応してくれるが、

他国の航空会社の社員はかなり無愛想である。

にこりともしない係員は、役目上、あとには引かない。

このカードの持ち主と連絡がとれなければ搭乗させないと言われた。

まだ朝の八時ちょっとすぎで、広島の旅行社は始業前で連絡がとれない。

最悪、このチケットが無効の場合、空席があれば買い直してもらうと言われた。

 妹は、ああでもない、こうでもない、格安ではあるが間違いなく旅行社から買ったものであると

力説したが、相手は、カード確認が出来なければ乗せられないの一点張り。

妹は広島のおヨメゃんに電話をかけて助けを求めるやら、

すったもんだのあげく、旅行社の誰かと連絡がとれて、

離陸寸前、一番最後の客となって、ようやく乗せてもらえた。

 二時間も前に来ていたのに。滑り込みセーフ。

         

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チェックイン

2018-10-15 14:25:22 | はらから集いてソウル

 チェックインカウンターで妹が差し出したチケットは、

広島のチケットセンターで購入したものである。

航空チケットはカード決済が原則だそうだが、

妹はカードを持たないので現金で買った。

で、小さな旅行社の社長の××××名義のカードが決済に使われていた。

それで係の女性は、××××さんはあなたの知り合いですか、と妹に訊いた。

妹がハイと言っていたら問題はなかったのかもしれない。

ところが慌て者の妹は、いえいえ、知りません、そんなひとまったく知りませんと、

手を強く振って否定した。

 あとで妹に聞くと、ダブルブッキングかと思ったのだそうである。

    

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空港へ

2018-10-13 20:42:10 | はらから集いてソウル

 東京在住の弟は羽田から、広島の妹は福岡からわたしと一緒に発ち

ソウルで合流することになった。

 わたしは80歳である。妹は12歳年下である。

 若い妹に飛行機のチケットの手配をしてもらった。

 ソウルは福岡から一時間ちょっとである。東京より近いと気楽にかまえていた。

ところが前夜になって、はたと気づいた。ソウルは海外である。国際空港まで移動しないといけないのだ。

いや、それだけではないぞ、チェックイン、セキュリティチェック、出国手続きと厄介なことがある。

これはいかん、バアサン二人なので用心にこしたことはない。

よし、二時間前までには空港に着くことにしよう。

 前夜から泊まった妹と二人で、朝は五時半に起きて、タクシー、地下鉄、高速バスを乗り継ぎ、

早々と国際空港に到着した。よゆう、よゆうの到着であった。

      

    ハングル文字にもくずし字があるそうな。 料理屋の箸袋。

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国際結婚

2018-10-11 11:20:28 | はらから集いてソウル

 弟の娘である遙ちゃんは、韓国出身のご主人が東京勤務だったころに結婚した。

息子のユウトくんが生まれたあと彼らは本社のある韓国へ戻った。

その数年後、またご主人の仕事の都合で今度はオーストラリアに移住した。

目下ユウトくんはオーストラリアの中学三年生である。

オーストラリアの学校の冬休みに彼らは浦項(ポハン)のお父さんの実家へ里帰りした。

このあと東京の実家である弟の家にまた彼らは移動する。

その束の間にわたしたちをソウルへ誘ってくれた。

      

 

 

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