環境ジャーナリストの村田佳壽子君から連絡があり、文京シビックセンターで行われた日本ペンクラブ主催の「共謀罪は私たちの表現を奪う」に参加する。
発言者に著名人が多いためか、30分前には既に行列ができていて整理券が配られていた。
●浅田次郎(作家、日本ペンクラブ会長)
法律は一度できてしまうと、どう使われるかわからなくなる。
●雨宮処凛(作家)
沖縄の山城さんのことや、2008年の麻生邸見学ツアー事件など、共謀罪になりそうな事件は既にあった。
●内田驎太郎(絵本作家、日本児童文学者協会理事長)
父親がプロレタリア作家で治安維持法違反で捕まっている。自分は捕まりたくないのでリベラル保守だと言っている。(笑)
●江成常夫(写真家)
過去の戦争前には国家権力の力が強力に働いていた。かつての治安維持法と重なる。
●金平茂紀(キャスター)
(局のキャスターとしてではなく)個人の意見として。まだやっていないことが取り締まりの対象になるのなら、人の内面を取材することが取り締まりの対象になりかねない。
●鹿山リカ(精神科医、作家)
小樽出身である。小林多喜二の「蟹工船」が一時ブームになったが、これからは(治安維持法で拘束され、拷問で虐殺された)小林多喜二そのものが注目されるだろう。
●ちばてつや(漫画家)
(カメラマンのフラッシュがいっせいに)北斎漫画や春画など、かつての日本はおおらかだった。しかしそのおおらかさが失われ、学生たちは自分の描いた漫画が取り締まりの対象になるのではないかとびくびくしている。だからちっとも面白くなくなった。
●長谷部恭男(早稲田大学立憲デモクラシーの会)
(罪状が)277もある共謀罪法は、日常生活に直接係ってくる。
●森絵都(作家、日本ペンクラブ常務理事)
自分が監視カメラに囲まれて生活していることに気づいた。〝守る〟という名のもとに〝監視〟されている。監視はしても国は守ってくれない。
●ビッグ錠(漫画家)
近所の主婦なんかと共謀罪の話をしても知らないと言う。どうしたらいいかわからないし、しょうがないと言う。こういう状況からかつては戦争に入っていった。
●森達也(作家、映画監督)
オウム真理教事件で逮捕されたのは60人ほど。しかし信者1万人がすべて悪人として扱われた。個人ではなく、その人が所属する全体として見られることは恐ろしい。森友問題が自然消滅しつつある。国会議員は追及しても支持率が上がらない。マスコミは扱っても視聴率が稼げないと言う。
●田近正樹(日本雑誌協会人権・言論特別委員会、日本書籍出版協会の自由と責任に関する委員会)
(共謀罪法は)表現の自由がおかされ、表現を萎縮させる。著作権や児童ポルノなど、テロとは関係なさそうな項目が含まれているのはおかしい。
●山口勝廣(写真家、日本写真協会専務理事)
個人情報保護が厳しくなり、街の写真が撮りにくくなった。
●中島京子(作家)
277もある項目のうちテロ対策とは直接関係のない項目がある。それは、その犯罪を取り締まるのではなく、だれかを拘束することを目的に罪状を当てはめるのが目的ではないのか。
なかなかいい集会だった。テレビカメラが入り、大盛況。もちろん公安も紛れ込んでいた。ご苦労さん。