え ~ が ~ 天 獄

嗚呼、天国か地獄か、それなりに行き詰まりのパラダイス。
映画を中心に、あくまで個人的好き嫌いで感想紹介。

チャップリンの独裁者

2023年02月20日 | コメディ
1940年 アメリカ 126分 モノクロ トーキー 風刺/コメディ
監督・製作・脚本/チャールズ・チャップリン
出演/チャールズ・チャップリン、ポーレット・ゴダード

(80点)ヒトラーが全盛期のときに笑いを武器に独裁者と戦争を痛烈に批判した社会派風刺コメディの名作

ドイツによく似た国トメニアでヒトラーによく似たヒンケルが独裁政治を行っていた。
ユダヤ人街にはヒンケルに似た床屋がいて第一次世界大戦の後遺症で長らく入院していた。まだ第一次世界大戦が終わったばかりと思い込んでいてヒンケルの台頭もユダヤ人が迫害を受けていることも知らぬまま数年ぶりに我が床屋に戻って来た。
そこで軍人に暴力を振るわれたり、隣のねーちゃんとイイ仲になったり、強制収容所に入れられたり、脱走したり、何故かヒンケルと入れ替わってヒンケルとは真逆の世界平和を訴える演説をするのであった。

 
反ナチの闘いと家族愛を描いた「ラインの監視」を観たらどおしてもコレが観たくなってしまった。
昨年11月のブラックフライデーの時にチャップリンBlu-ray BOXを衝動買い。父親が映画好きでチャップリンも好きで物心ついた頃からチャップリン映画は慣れ親しんでいたのだった。
Blu-rayのブックレットによればチャップリンとヒトラーは同じ年の四日違いで生まれたとのこと。全くの偶然で同じ時期にチョビ髭スタイルになったらしい。
映画冒頭に「ヒンケルとユダヤ人理髪師が似ているのは全くの偶然である。」とあるが、チャップリンとヒトラーが似ているのも偶然。しかし似てるが故にチャップリンはヒトラーと真逆の方法、恐怖や暴力に対して笑いと救いで闘いに挑む。
製作中、ドイツやヒトラーからばかりでなく当時は同盟国だったアメリカからも妨害を受けたとか。映画が完成し公開されるときにはヒトラーがヤバい奴と言うことは知れ渡っていた。製作中は当たらないと言われ続けた映画も大ヒット。ヒトラーの演説を茶化すことによってヒトラー最大の武器演説を封印させたらしい。
今現在まだ世界はあちこちで戦争をしている。なんか第二次世界大戦が始まるときと似た構造で動いているような。
映画自体はチャップリン喜劇らしく戦争コント独裁者コントのノリで娯楽映画として楽しく観れるので馬鹿なことやってないで映画観て笑っとけばいいのに。

  
(2023年2月19日「ラインの監視」鑑賞直後鑑賞)
余談だがブログ書く際にオリラジあっちゃんの「チャップリンVSヒトラー」解説動画を見たのだが人の描いた書物を解説しているのだが、その熱い弁舌姿にちょっと引くものを感じた。あんなに熱く語っといて映画本編をちゃんと観てないみたい。YouTube動画で演説シーンとかは見てるみたいだが、あの熱弁は芸風とは言え「独裁者」観てから見るとちょっと笑えなかった。まあ多分本当はYouTube動画とかでちゃんと観てるとは思うし、あの熱弁で「独裁者」を観る人がいるなら全然いいのだが。


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