え ~ が ~ 天 獄

嗚呼、天国か地獄か、それなりに行き詰まりのパラダイス。
映画を中心に、あくまで個人的好き嫌いで感想紹介。

放浪の画家ピロスマニ

2016年05月06日 | ドラマ
1969年 グルジア 87分 ドラマ/伝記/アート
監督/ゲオルギー・シェンゲラーヤ
脚本/エルロム・アフヴレジアニ、ゲオルギー・シェンゲラーヤ
撮影/コンスタンチン・アプリャチン
出演/アフタンジル・ワラジ、アッラ・ミンチン、ニノ・セトゥリーゼ

(95点) 絵画のような画面構成で描くある貧乏画家の半生

グルジアがソビエトだった頃の芸術映画。
同じ家で姉弟のように育った姉を好きになったがフラれて家を出たピロスマニ。
友人と食料品店を始めるが商売に向いてなく廃業、友人とも疎遠に。
途中、縁談も持ち上がるが、ただ食料品目当てに利用されていると悟り破断。
以来、居酒屋などに絵を描いて細々と食っていく放浪生活に。
しかしその大量に描かれた絵を旅の画家が見て感動。
中央画壇に紹介されるが、新聞では素人画家と酷評され、持ち上げられ落とされ、さらに孤独になっていく。
そんな不遇の画家の半生を淡々と美しい画面構成で描いた逸品。


自分の小遣いで映画を観始めるようになった中学生の頃に予告編を観て、なんてつまんなさそうな映画だろうと思い、何故かずっと心に残っていた。
日本初公開時にはキネ旬で外国映画部門4位に選ばれたそうだが、とくにその後この映画のタイトルを聞くことはなかったのだが、なんのタイミングなのか今頃デジタルリマスターでリバイバル。
テジタルでも修正困難だったらしくリマスター版とは思えないくらい変色で映像がチカチカしているが画面構成の美しさには感動を覚える。
ただ87分と言う短さなのに長く感じる映画でもあった。
「100万本のバラの花束」のモデルになった貧乏画家の話らしいが映画ではそのシャンソンは流れることなくそのエピソードも描かれていない。
公開3週目で夕方から一日一回の上映になっていたが客は4~5人にしか入ってなかった。
ピロスマニが知る人ぞ知る、ほとんどの人が知らない画家であるように、この映画もほとんどの人が知らない名画ではある。
でも知ったら意外となんか忘れられない一本になるのかも。


(2016年5月名演小劇場3階にて会員1,000円にて鑑賞)
  同日鑑賞「スポットライト」「スーパーマンVSバットマン」

マイインターン

2016年03月21日 | ドラマ
2015年 アメリカ(ワーナー) 121分 コメディ/ドラマ
製作・監督・脚本/ナンシー・マイヤーズ
出演/ロバート・デ・ニーロ、アン・ハサウェイ、レネ・ルッソ

(45点)アン・ハサウェイとデ・ニーロは流石なだけの薄っぺらハートフルコメディ。

定年し妻にも先立たれ暇を持て余していたデ・ニーロ。
老人でも雇ってくれると言うので就職。
そこで忙しくしている若き女社長アン・ハサウェイの部下になる。
ジジイの助けなんかいらねー、と相手にしてなかったアン・ハサウェイだったが意外にもスーパージジイだったので、すっかりお気に入り。
仕事だけでなくプライベートでも助けてもらい心の支えに、流石はデ・ニーロ。
そんな二人のアイドル映画。


ペラッペラだ。
アン・ハサウェイが見たいだけで観た映画だったが、確かにアン・ハサウェイとデ・ニーロは魅力たっぷりに描かれていたがストーリーが面白くない。
とくにメール騒動のあたりから怪しくなってきた。浮気騒動とかホテル騒動とか、小さな騒動が起きるが会社コメディとして「いる?」ってなエピソードばかりで毒にも薬にもならないヌルイ映画だった。
とくにデ・ニーロが完璧すぎる。
なんか良く出来たドラえもんが忙しすぎるキテレツ君を助けにやってきてスムーズにみんなハッピーになる話。
何が面白いの?
テンポ良く心地よく美人のアン・ハサウェイを堪能できるしデ・ニーロも良いので、それで十分なのだろうが評判の良い映画で、あまり酷評を見てないが、薄っぺらなハートウォーミング映画で残念。


(2016年3月TSUTAYA5本1,080円にてレンタル鑑賞)

キャロル

2016年03月14日 | ドラマ
2015年 イギリス/アメリカ/フランス 118分
監督/トッド・ヘインズ 脚本/フィリス・ナジー 撮影/エド・ラックマン
原作/パトリシア・ハイスミス『キャロル』(河出書房新社刊)
出演/ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ
    サラ・ポールソン、ジェイク・レイシー、カイル・チャンドラー

(80点)個人的に同性愛の映画には共感出来ないが、それでも観るべき価値ある一本。

婚約者もいて平凡な幸せが目の前にあるけれど、なんか違うと感じてるテレーズの前にゴージャスな美熟女キャロルが現れる。
時は1950年代、同性愛は罪で病気とされていた時代。
キャロルはそのため愛する娘の親権を取れず苦しんでいた。
テレーズはキャロルに導かれるように自分の本当の姿を見出していくが、二人の関係がそう簡単にいくものではなかった。
けど、けどけど。


『見知らぬ乗客』『太陽がいっぱい』などの作者パトリシア・ハイスミスの妄想から生まれたレズ小説の古典を映画化。
ホモに比べてレズなら嫌悪感は薄いけど、私はあまり同性愛に肯定的ではないと感じた。
それでも人として正いか正しくないかは別。
町山智弘氏が言うようにエドワード・ホッパーの絵のような画面構成が美しく観るべき一本。
都会の孤独を描くホッパーの絵は好きなんだなー。
ミリオン座に行くとこの映画のポスターがかなり目立つところに貼ってあり、一押しされていたので気になった。
テレーズ役のルーニー・マーラーの可愛さで観た映画だったが、この人ドラゴンタトゥーのイカレ女だったのね。その振り幅の大きさに女優だなーと感じ入った。


(2016年2月ミリオン座ポイント倍デーに会員1000円鑑賞)

完全なるチェックメイト

2016年02月14日 | ドラマ
2015年 アメリカ 115分 ドラマ/伝記
監督/エドワード・ズウィック
製作/ゲイル・カッツ、トビー・マグワイア、エドワード・ズウィック
出演/トビー・マグワイア、ピーター・サースガード、
   リーヴ・シュレイバー、マイケル・スタールバーグ

(80点) 米ソ冷戦時代にチェスで米ソ対戦の実話を映画化

時は米ソ冷戦時代。
チェスの世界では長いことソ連が王者の座についていた。
アメリカはムカムカしていたが、そこへ天才ボビー・フィシャーが現れる。
しかし異常に脳を酷使するチェスプレイヤーは、しかも米ソの代理戦争としてのプレッシャーもあり幻想に捕らわれ頭がおかしくなり異常行動を繰り返す。
対戦相手の世界チャンピオンも一見冷静だったが実は壊れていた。
二人とも壊れつつ歴史的名勝負をするのだ。
そんな実話の映画化。


昔、「ボビー・フィシャーを探して」と言う映画があり、タイトルだけは知っていたがチェスプレイヤーの名前だったのね。
おすぎが褒めていたし、囲碁(ヒカルの碁)とか将棋(3月のライオン)のマンガが好きなので魔がさして観てしまったが痛快な映画ではないね。
そうかー何十手も先を読むチェスプレイヤーは脳を酷使してイカれてしまうのかー。
将棋棋士や囲碁の人もそうなんだろうなー。
そんなことを想いつつ観てた。スゲー面白い訳ではないが興味深く鑑賞。
本当は米ソ冷戦繋がりで「ブリッジ・オブ・スパイ」と一緒に観たかったが時間が合わなかった。


(2016年1月ミリオン座にて会員1000円にて鑑賞スタンプ二倍デー)

ブリッジ オブ スパイ

2016年02月07日 | ドラマ
2015年 アメリカ(FOX) 142分 サスペンス/ドラマ
監督/スティーヴン・スピルバーグ
脚本/マット・シャルマン、イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン
出演/トム・ハンクス、マーク・ライランス、エイミー・ライアン
    アラン・アルダ、スコット・シェパード、セバスチャン・コッホ

(90点) 真面目な映画だけどちゃんと面白い必見のスピルバーグ映画。

米ソ冷戦時代に形式上ソ連のスパイの弁護をすることになった我らがトム・ハンクス。
ところが、全ての人間は平等であると言うアメリカ憲法を貫いてしまい、スパイをちゃんと弁護して非国民扱いを受けてしまう。
そんなときソ連でアメリカ兵がスパイとして捕まってしまう。
死刑にしなかったソ連スパイと交換だ。
さらにベルリンの壁がベルリンに作られ、留学中のアメリカン学生が捕まってしまう。
政府はほっとけと言うが、トム・ハンクスはほっとけない。
各国の思惑が入り混じる中、民間弁護士のトム・ハンクスはソ連スパイ一人とアメリカ捕虜二人の交換をすべくベルリンで決死の交渉に挑む。


実話を基にした骨太の社会派映画だが、そこはスピルバーグ。ちゃんと面白い。人として正義を貫く難しさと大切さを感じさせてくれる観るべき傑作。
小難しそうな映画ではあるがスピルバーグだから、ちゃんと面白いから、イイ映画だから、観ましょう。


(2016年1月中川コロナにて金券1100円にて鑑賞)

ザ・ウォーク (IーMAX 3D版)

2016年01月31日 | ドラマ
2015年 アメリカ 123分 ドラマ/サスペンス/伝記
監督・脚本/ロバート・ゼメキス
出演/ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ベン・キングズレー、シャルロット・ルボン
   ジェームズ・バッジ・デール、ベン・シュワルツ、クレマン・シボニー
   ベネディクト・サミュエル、マーク・カマチョ、スティーヴ・ヴァレンタイン

(90点) 当たり前だが3D大画面で観ることが大前提の映画

綱渡りに魅せられた少年は独学で綱渡りしつつ、もーすぐ完成の世界一のツインタワー、ニューヨークのワールドトレードセンターにワイヤーを張り綱渡ると言う壮大な夢を持ってしまう。
共犯者と言う名の仲間を集め綱渡り師匠から有料アドバイスを受け、違法な挑戦を決行。
そんな実話を3Dと言う見世物映画で完全映画化。


面白いじゃねーか!!
3Dの映像のみしか見どころのない映画かと思いきや仲間が集まって来る中盤が面白い。
逆に後半は3D慣れしちゃって立体感をあまり感じなかった。
でも3Dで観なければ映画館で観なければ意味ない映画。
でもひょっとしたら2Dでもイケんの?
ところで綱渡り師匠の通称パパルディの本名が一度だけ出てくるのだが私はそれを流してしまった。
一緒に観に行った友人によると綱渡り師匠、通称パパルディの本名はオー・マンコスキーだったとのこと。
ヤバイ!
パンフレットにはパパルディとしか乗ってない。
友人はその本名を聞いてしばらく映画どころではなかったらしい。


(2016年1月109シネマI-MAX3D2,600円にて鑑賞)

クリード チャンプを継ぐ男

2016年01月13日 | ドラマ
2015年 アメリカ 133分 ドラマ/ロッキー外伝
監督・原案・脚本/ライアン・クーグラー
出演/シルヴェスター・スタローン、マイケル・B・ジョーダン
   テッサ・トンプソン、フィリシア・ラシャド、アンソニー・ベリュー

(80点) アポロの隠し子がロッキーに師事しチャンプに挑む

俺ロッキー、ロッキー・バルボア。イタリアの種馬さ。
ボクシングから足を洗い、ひっそり暮らしていたが、アポロの隠し子が訪ねてきてトレーナーになってくれと言われてビックリ。
断ったけど俺の中のロッキー魂がうずいて引き受けることに。
クリードジュニアはリア充な生活を送っていたけど隠し子と言う汚名とボクサーの血に導かれ、訳ありチャンピオンと対決することになる。
しかしそんなとき俺ロッキー、ロッキー・バルボアに異変が!!
しかし俺ロッキー、ロッキー・バルボアはクリードジュニアに励まされ頑張る。
だからクリードジュニアも頑張れ。
そんなクリードジュニアの物語り。


やたらと評判が良いので観た。
ロッキーは3作目ぐらいまでしか観てない。
どこにも感情移入が出来なかったがそれなりに面白かった。
人によってはベストテン級の面白さ。


(2016年1月109シネマにて会員割引デーにて鑑賞)
 同時鑑賞「オレンヂ」

セッション

2015年12月31日 | ドラマ
2014年 アメリカ 107分 ドラマ/音楽/青春
監督・脚本/デイミアン・チャゼル
出演/マイルズ・テラー、J・K・シモンズ
   メリッサ・ブノワ、ポール・ライザー

(70点) 予告編どおりの映画

一流のドラマーを目指し名門音楽大学に入学した青年が鬼教官に認められオーケストラに入るがそのあまりにものシゴキに心身ともに追い詰められていく。

予告見て苦手な映画と思いあえて観なかったのだがやっぱり「今年の一本」として評価されているので観ておくべきかと思って鑑賞。
何回かチャンスはあったが劇場では見逃してしまいDVDにて鑑賞。
劇場で観るべき映画だったのかもしれないが、出落ち映画。
予告やレビューなどである程度内容を知っちゃっていると「そのまんま」の映画なので新たな感動は得られず、でも、思ったほどの嫌悪感もなく普通に見終えてしまった。
鬼教官の演技は凄いなーと思う程度。
もう少しドラマ性がある方が好き。ヒロインがあまりにも意味なし。
何の知識もなく出会いがしらで観たら衝撃を受けたのかなー。


(2015年12月TUTAYA新作5枚1,080円にてレンタル鑑賞)

起終点駅 ターミナル

2015年11月24日 | ドラマ
2015年 日本(東映) 112分 ドラマ
監督/篠原哲雄
原作/桜木紫乃『起終点駅 ターミナル』(小学館刊)
出演/佐藤浩市、本田翼、尾野真千子、中村獅童、泉谷しげる

(70点) 老弁護士のNHKっぽい人情サスペンス

昔の恋人、尾野真千子に再会した裁判官佐藤浩市は家庭を捨てやり直しを決意したところで尾野真千子自殺。その後悔で離婚し出世街道も捨て北海道の最果ての地で弁護士として一人料理の腕を磨くのであった。そこへ本田翼。重い過去と現実背負って軽く登場。佐藤浩市の作るザンギに舌鼓打つ。そんな小粒で良質な人間ドラマ。

それなりに評判が良かったようなので観に行く。
ちょっと思ったのと違う。てっきり親子以上に歳の違う男女の恋愛的な話かと思ったら国選弁護人の人情サスペンスドラマの1エピソードのような映画だった。
しかし尾野真千子と佐藤浩市が同い年と言うのは無理がある。しかし本田翼にあの重い設定は無茶。本田翼はもっとパッパラパーな風俗嬢にしちゃって佐藤浩市とバンバンえっちしてくれたら昭和のこのての映画っぽくなったかも。
それなりに良質の人間ドラマだったけど、誰が見たいのコレ?
しかしまーそれにしてもMy Little Loverのエンディング主題歌はないわー。軽い青春映画みたいになっちゃって合わない合わない。


(2015年11月109シネマにて東映株主券700円にて鑑賞)

岸辺の旅

2015年10月27日 | ドラマ
2015年 日本/フランス 128分 ドラマ/幽霊譚
監督・脚本/黒沢清
出演/深津絵里、浅野忠信、小松政夫、奥貫薫、蒼井優、柄本明

第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で、監督賞受賞作
(80点) 死んだ夫と一緒に死んだ人に会いに行こう

中途半端に子供にピアノ教えてなんとか食ってる深津絵里。
白玉団子をこさえていると三年前に蒸発した浅野忠信がいきなり帰って来る。
俺もう死んだんだよね。身体は蟹に食われてもうないんだよね。
とか何とか言いながらアツアツの白玉団子をアツアツ言いながら食べてるお前は何?とか言う突っ込みもないまま二人は旅に出ることに。
そこには死んだ小松政夫や生きている奥貫薫らがいたりして生者と死者がないまぜ状態。
そんな旅の中で深津絵里は浅野忠信が生前不倫していたことを追及したり不倫相手に会いに行って蒼井優にニヤリされたりしながらも忠信とエッチしたりなんかして、そんでもって別れの時期がやってくる。


「銀河鉄道の夜」だね。
銀河鉄道ではなく、JRやバスに乗って生と死の旅をするカンパネルラ夫妻のお話し。
そう思って観たら面白かった。
黒沢清監督の映画は数本観てるけど評価は高いみたいだけど何が面白いのか全然わからないのだが、これは楽しめた。
Jホラーをインテリチックに開拓してきた監督の余裕を感じる死生観を観た気がした。
幽霊やバケモノよりも生きている蒼井優の笑顔が一番怖かったりするが、いい歳こいてるはずなのに清純派ヒロインが通ってしまっている深津絵里も実は怖いのかも。


(2015年10月センチュリーにて有料鑑賞)

グローリー/明日への行進

2015年09月11日 | ドラマ
2014年 アメリカ 128分
監督/エヴァ・デュヴァネイ
製作総指揮/ブラッド・ピット他
出演/デヴィッド・オイェロウォ、トム・ウィルキンソン、カーメン・イジョゴ

(80点) キング牧師の行った抗議運動「セルマの大行進」を映画化

黒人の人権運動に多大な影響を及ぼしたキング牧師がノーベル平和賞を受けた翌年に行った大規模なデモ行進の模様を描いた実録映画。

アメリカにおける黒人の現代史を描いた映画を観ると必ず名前だけ登場する「キング牧師」。
でもキング牧師がどういう人で何をしたかは全然知らなかった。
アメリカでもタブーとされているようで、描き方が難しいのか、映画やドラマであまり直接的には触れられてこなかったみたい。
これを観ただけではちゃんとは分からないが、少しだけわかって観る価値のある映画だと思った。
映画自体よりもこれのメイキングの方が感動しそう。


(2015年7月頃ミリオン座にて有料鑑賞)

海街diary

2015年08月09日 | ドラマ
2015年 日本 127分 ドラマ
監督・脚本/是枝裕和
原作/吉田秋生『海街diary』(小学館『月刊フラワーズ』連載)
出演/綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず
   風吹ジュン、リリー・フランキー、堤真一、大竹しのぶ

(99点) 美人女優4人の写真集のような鎌倉映画

鎌倉で暮らす三姉妹、瀬はるか、長澤まさみ、夏帆のもとに不倫して家を出て行った父親の訃報が届く。
そして自分たちに腹違いの妹、広瀬すずがいることを知る。
通夜で対面したその広瀬すずにいろいろな感情を抱き、綾瀬はるかは鎌倉で一緒に暮らそうと言う。
三姉妹はそれぞれそれなりにしょーもない男とラブラブ。
大竹しのぶ来襲、風吹ジュン死去など普通の参事を経験し、広瀬すずと過ごす一年が過ぎていく。


美しい鎌倉の風景の中で美人を楽しむ写真集のような映画。
いろいろ詰まっているけれど物語は思ったほど感じなかった。
広瀬すず以外若干旬が過ぎてはいるが、それなりに魅力的に撮られていて観ているだけで楽しかった。
特に綾瀬はるかが意外と良かった。細身なのにあのオッパイ。いいなー。
吉田秋生の漫画が原作らしいが、私には海野チカの「四月のライオン」の三姉妹を少し歳をとらせたように見えた。そんでもって主人公の零ちゃんを腹違いの妹にした感じ。そんなわけで「四月のライオン」での一番お気に入りキャラのあかりねーちゃんに相当する綾瀬はるかにうっとり。
長澤まさみもちょっとだけ露出度高めで少しうれしい。
しかし許せんことがひとつ、パンフレットがしょぼい。
カラーコピーか!
写真もたくさん載ってるのに紙質がしょぼい。本当にカラーコピーならコピー代で700円くらいするだろうが、欲しいのはこんなパンフじゃない。パンフのしょぼさでマイナス一点。


(2015年7月中川コロナにて有料鑑賞)

さよなら歌舞伎町

2015年06月01日 | ドラマ
2014年 日本 135分 ドラマ/R15+
監督/廣木隆一 脚本/荒井晴彦、中野太
出演/染谷将太、前田敦子、イ・ウンウ、ロイ、松重豊、南果歩、忍成修吾、我妻三輪子

(80点) ラブホ店長 染谷君の長い一日。なんて日だ!!

歌舞伎町のラブホテルを舞台に描く群像劇。
染谷君は同棲中の前田敦子には一流ホテルで働いていると言っているが実はしがないラブホ店長。
AVの撮影でやって来たAV女優が妹だったり、パートの南果歩が殺人犯をかくまっていてその日が時効だったり、ホテルの前で客引きをしてる売春婦が殺されたり、バンドをやってる彼女の前田敦子が枕営業の現場を目撃したりと盛りだくさんの一日で精神的にグロッキー。
なんて日だ!


超有名マイナー女優前田敦子の主演映画は駄作「もしドラ」しか観てなかった。
AKB卒業後、地味な映画に立て続けて主演し映画通には評価されつつあるので気にはなっていた。
大好きな青春映画「800」の廣木隆一監督作品で題材的にも気になったので観てみた。
ラブホテルを舞台にした群像劇としては面白かったが歌舞伎町感は感じなかった。
前田敦子は当然脱がないけど、それ以外の綺麗どころの女優さんのヌードは割と多めで嬉しい。
それにしても一日でいろんなことあり過ぎ?


(2015年5月岐阜シネックスにて夕方割引900円にて鑑賞)

バリー・リンドン

2015年05月23日 | ドラマ
1975年 イギリス 186分 ドラマ/歴史劇
製作・監督・脚本/スタンリー・キューブリック
出演/ライアン・オニール、マリサ・ベレンソン、パトリック・マギー、スティーヴン・バーコフ、マーレイ・メルヴィン、ハーディ・クリューガー、レナード・ロシター、アンドレ・モレル

(80点) キューブリックによるの歴史文学超大作。

農民から貴族へと成り上がり転落するバリーの一代記。
父は牛の取り合いの決闘で死に、女手一人で育てられたバリー。
女を取り合って金持ちと決闘し殺してしまって逃亡生活。
いろいろあって軍隊に入ったり逃げ出したり賭博師になったりしつつ貴族の後家さんをちょろまかし成り上がる。
しかし成り上がった貴族生活について行けず後家さんの息子との決闘で負傷。
いろいろあったが結局なにもなかったバリーの一代記をのんびりたんたんと撮り上げた一作。


キューブリック特集でオレンジ、フルメタル、アイズワットと共に上映されていたが本作だけ未見だったので観る。
ネットでの評価が異常に高く、とくに撮影が美しい美しいと言うので期待し過ぎたか、割と普通に観てしまった。
つまんない話だけどつまんなくはない。
三時間飽きることなく観れたが劇場でなければ完賞は無理だった。
貴族へと成り上がる文学作品の典型的で極めつけの一本かも。


(2015年5月名演小劇場一階劇場にて会員招待チケットにて鑑賞)

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ビリギャル

2015年05月08日 | ドラマ
2015年 日本(東宝) 117分 ドラマ/青春
監督/土井裕泰
原作/坪田信貴
『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』
     (株式会社KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊)
主題歌/サンボマスター『可能性』
出演/有村架純、伊藤淳史、安田顕、吉田羊、田中哲司

(85点) 名古屋色の強い有村架純を見る映画

学年でビリの名古屋のギャル有村架純が吉田羊の勧めで伊藤淳史の塾に通い、ノせられて私学の最高学部慶応大学を目指すことに。
みんなに笑われつついろいろありつつ有村架純の大学受験への奮闘の日々が始まった。


まず最初にこのポスターに笑った。
有村架純使って原作の無名モデルの表紙を再現。
それと名古屋が舞台と言うことで観に行った。
面白かった。
メジャー系の名古屋映画として楽しめた。
パンフでは可愛いのに劇中名古屋弁丸出しの有村架純の可愛くなさが素晴らしい。
吉田羊も良し。


(2015年5月109シネマにてファーストデー1100円鑑賞)

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