脂漏性湿疹・皮膚炎ではなく、シャンプーが残留しているだけだった。

【一見脂漏性湿疹・皮膚炎みたい】

先週ご相談にいらっしゃった女性の話。頭皮が全体にかゆいとおっしゃるし、フケも出ているし、ところどころに赤い湿疹のようなものもあるし、「これは脂漏性湿疹・皮膚炎かな？」と思いました。皮膚科に行って診察してもらっても、脂漏性湿疹・皮膚炎だからとステロイド系の薬とニゾラールローションが処方されたらしい。

抜け毛が異常に多いもので、かなり薄くなりボリウムダウンしていたので、発毛サロンにも相談にいき、そこのケアが皮膚に刺激が強かったので、別のサロンにも通ったらしい。

どちらも、思ったように改善せず、痒み・フケ・赤み・異常な抜け毛は改善しないので、拙著「髪は増える！」をご購入下さった上で、ご相談にいらっしゃったのです。

【発毛サロンと育毛サロン】

発毛サロンでは、抜け毛が500本あり複合型脱毛症と言われ、毛穴に皮脂が詰まっているので取り除かないといけないと言われたらしい。ケアを受けるようになったけど、ケアの刺激が強いのと強く頭皮を洗われたので、怖くなって1ヶ月で止めたらしい。

もう一つ育毛サロンは、理学博士が運営されているサロンでした。ここでも、脂漏性湿疹・皮膚炎の症状は特段ケアを行わずに、育毛のケアを行ったらしいです。

いずれのサロンでも、皮膚科でも、痒み・フケ・赤み・異常な抜け毛の原因が分からず、全く改善しなかったので、ご相談にいらしたのです。
直接拝見したところでは、フケは出ているし、赤みがところどころにあるし、全体が痒いと言うので、脂漏性湿疹の場合に使う製品を使ってみたのです。少し痒みは引くようだし、痒みが引くと赤みが薄くなるので、「脂漏性湿疹のような気がするけど、どうも反応の仕方が中途半端」のように感じました。本当の脂漏性湿疹の時のように、はっきりと反応しないのです。

【大量のシャンプー剤の残留】

弊社では、最初はお湯のみで頭皮を洗います。今回の女性も例に漏れずお湯のみで頭皮を洗ってみたのです。すると、お湯を頭皮に当てると泡が大量に流れ出てくるいのですね。最近はお湯洗いをしている人も多いし、シャンプーの残留に注意している人も多いので、久しぶりにシャンプー剤の残留を見ました。

シャンプーの残留が洗い流れてしまうと、頭皮の痒みは100％無くなり、フケも無くなり、赤みも無くなり、毛にフンワカとボリウムが出て、本人曰く「頭皮がすっきりして、とても軽くなった」とおっしゃるではありませんか。

脂漏性湿疹・皮膚炎ではなく、シャンプー剤の残留が症状を出していたのです。このシャンプーは育毛サロンで使うようにと出されたシャンプーで、謳い文句では天然由来の界面活性剤を使っていて石油系のものは一切使っていないと言います。

ところが、出ている症状は界面活性剤によるタンパク質変性による症状なので、相当頭皮が弱っているところに、シャンプー剤が残留するような方法を採っていたか、ちゃんとした洗髪法を指導されていなかったのでしょうね。

以前にも、ジェルで脂漏性湿疹・皮膚炎のような症状が出ていた方もいらっしゃったので、ヘアケア製品はちゃんと使わないと薄毛の大きな原因になると言えますね。成分ではないのです。