令和6年(2024年)は、どんな方法に取り組んだ薄毛のご相談者が多かったでしょうか?それと、どんな薄毛を治す為の育毛情報が多かったでしょうか?
実際にご相談下さったの人たちの内容とネット上に流れている情報を中心に記述します。
■幹細胞上澄み液使用者多発
令和6年(2024年)に入り、急に増えてきたのが幹細胞培養上澄み液を使用しているご相談者です。
ご相談者の話をお聞きしていると、多くは整骨院や美容室でのサービスの一つとして提供されているようです。
「あなたの薄毛の原因は○○にあるから、その原因を解決する為に育毛の方法は○○した方が良いですよ。その為に幹細胞培養上澄み液を利用します。幹細胞培養上澄み液には○○の効果があり、その原因を解決するのに役立つのです。」
上記のような話はなく、単に効果があるから使いましょう。その効果を活かす為にLEDとか高周波低周波を使っているようですね。
幹細胞培養上澄み液には、いろんな成長因子が含まれるので使った時の効果はあるのだと思います。美容外科なんかで提供されている成長因子の注射に近いのかもしれません。整骨院や美容室では医療行為はできませんので、幹細胞培養上澄み液を代わりにつかっているのかな?
■女性の薄毛のご相談者が多い
今年に入り、さらに明確になってきたのが、女性の薄毛のご相談がとても増えたことです。現在のところ8割くらいが女性のご相談者です。
私が育毛相談を仕事として取り組み始めた2000年頃とは、男性と女性の比率が逆転してしまった状態です。それだけ女性の方で薄毛で悩んでいる人が多くなっていると言うことでしょうね。
その為でしょうか、美容外科に通っていた女性、美容室が提供しているサービスを受けていた女性、いろんな育毛方法を渡り歩いた女性ばかりになっています。
お話をお聞きしていると対症療法ばかりで、効果があるけど受けた時や使った時の効果があるが、その効果が長続きしないので薄毛を治せなくてご相談下さるパターンが多いです。対症療法では薄毛は治らないのです。その時は毛に腰が出て良いのですけどね。
■男性は多くないが薬飲用者減少
男性のご相談者は減りました。少なくなった男性のご相談者ですが、いずれの男性もフィナステリドやミノキシジル等の薬の飲用者は急激に減りました。
YOUTUBE等の動画では、医療関係者や飲用経験者が手軽に簡単に安価に治療ができると訴えていますから、薬飲用者ばかりになってもおかしくないのに、不思議な感じがします。
想像するしかありませんが、増毛やウイッグの広告が多くなっているので、薬でダメなら増毛やウイッグで簡単にしてしまう男性が増えているのかな?なんて思ってしまいます。
ただし、男性のご相談を受けたいのではありません。今は薬飲用者がとても多いと推測しています。薬飲用者の場合には、その副作用と言いますか、飲用を止めた後に苦労することが多いのです。
それが分かっているので、薬飲用者のご相談はできるだけ避けたいだけの話です。
■頭皮に老廃物が溜まる?
弊社のご相談者からの問い合わせの中に、「頭皮の老廃物を流せば髪の毛が増えると写真付きで紹介されている。こんな方法を採っても良いか?」と言う質問がありました。
調べてみると、幾つかのサイトやYOUTUBEの動画内で紹介されていました。よく見てみると、どうも頭皮のマッサージ効果で改善しているようでした。
私は、25年以上育毛のご相談を受けていまして、実際に数百人の薄毛の人の頭皮を触っていますが、老廃物が頭皮に溜まっているのを確認したことがありません。頭皮と毛穴にシャンプー等のヘアケア製品が残留しているのは、何百人も見てきました。
頭皮や毛穴に残留しているものは、頭皮の温浴をすれば流れ出てくるので分かりますが、頭皮の内部に老廃物が残留しているなんて、どうしたら確認できるのでしょうか?頭皮を触れば老廃物が残留している部分の皮膚が柔らかく膨らんでいるのでしょうか?
今まで触ったことがないので、老廃物が溜まっていると煽っているだけではないか?としか考えられないです。とすれば、頭皮の適度なマッサージ効果で増えたのではないかと思います。老廃物を流そうと頭皮のマッサージをやり過ぎるのにご注意ください。
■ヤバイ見違える効果
今年に入っての育毛剤の広告に「女性ホルモンを注入」と言う触れ込みで、あり得ない効果を訴えるものが多発しています。FACEBOOKやInstagramやX等のSNSを中心にして告知されていますね。
多分、クリックさせる為の広告だと思いますが、少々ひどい広告だよなと思いますね。ハゲ頭がフサフサに戻るような広告なんですよ。あり得ないでしょ。
広告の先のページを見ると、そんな動画や写真を掲載しているわけではありませんから、問題はないように思いますが、あり得ない効果を表現するって薬機法・薬事法違反になるのではないか?と思いますね。
そんな広告に惑わされないで下さいね。
■高周波低周波・超音波や幹細胞培養上澄み液は対症療法
2000年頃に育毛相談を仕事して取組み始めてから25年の年月の間に、色んな育毛方法や育毛製品・育毛剤・飲用の育毛薬までが発売されてきました。
それらを一つ一つ紹介するには、量が多過ぎてとてもじゃないけどできません。が、一つだけ言えるのは、どの方法も製品も特効薬にはならず、強い後遺症のみが残ってしまい、それらを取り除かないと次の方法や製品を有効に使えなくなっていたと言えます。
それに苦労した25年と言うこともできます。なぜ後遺症のみが残るのかと言うと、いずれの方法も製品も症状のみを治そうとする対症療法であって根治療法ではないからです。
育毛剤や方法で血行を促すことは出来ますが、血行が悪くなっている根本原因(毛細血管の状態や心身の状態・頭皮自体の状態)を改善しているわけではないので、毛細血管や心身・頭皮に負担がかかり痛んだり弱ったりするのです。それが後遺症として残るのです。
高周波低周波は電気刺激で頭皮の健康を促そうとします。これは薄毛の人の頭皮には負担になることが多く、後遺症に苦労することがあります。LEDの照射も同じようなものです。対症療法なので使った時は効果がありますが、その時だけの効果なので中々改善しないだけでなく、頭皮にとっては負担になることが多いです。
超音波は人の外部から超音波で作用しようとするものですから、禁忌事項に脳や脊髄への使用があり、頭部には使えません。特に薄毛になっている人の頭皮や毛細血管は痛んでいることが多いので、使い方も難しいと言わざるをえません。症状に対する対症療法の難しいところかもしれません。
幹細胞培養上澄み液は、外部から薄毛の人の衰えている成長因子を入れ込む方法なので、使った時は効果はあります。
が、薄毛の原因である衰えている状態を改善するわけではないので、効果には限界があり限界を超えると効果が無くなっていきます。アトピーの治療薬であるステロイド剤の使用に近いと思います。
令和6年(2024年)のご相談者の話と育毛情報に関して、育毛の道案内人が感じることを書いてみました。効果の高い物や方法が出てくるたびに、薄毛を治すのに苦労するご相談者が増えているように思います。効果があっても、それに素直に反応しないのが薄毛の人の頭皮と心身なんですけどね。
今年の1年のご講読ありがとうございます。次年度もよろしくお願いします。良き年をお迎えください。