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若木町と朝日町の境にある戸坂峠に山閑人という喫茶店があります。
ここのブログはママさんのお人柄と写真センスの良さで、とても秀逸な内容となっていて、私もブックマークさせて頂いています。
ご主人新里眞紗生先生は、音楽を愛され、絵も、版画も陶芸も漢詩もすべて一流という類まれなるアーチスト。
かっては杵島一刀彫の工房で一世を風靡され、代表作の「かちかち車」「きゃあつぐろ車」は、「世界クラフト・デザイン・コンテスト」で見事グランプリを受賞されたという凄いもの。
これは鼠という作品
そしてこれが・・・『きゃあつぐろ』地元銀行のカレンダーにもなった・・・ただし無断使用で、何にも貰えなかったとのこと・・・・。
生前のピカソのアトリエに飾ってあったという逸話もあるくらいの素晴らしいもの。
そのアーチストである先生の作品の中で、一番大きいものは、現在の喫茶店です。
杵島一刀彫で大成功を収められた先生は、かねてからやりたくて仕方がなかった陶芸の道を推し進めるべく、北方町に大峠窯を興こされます。
(猛くんの油絵・・・耳が聞こえなくなって滅入っていた時、夢でクマノミが出てきて、耳元で「絵を描きなさい」といったそうです。)
長年の試行錯誤の末に、やっと自らが納得できる陶芸作品が完成して、それを見た京都の南禅寺が茶器を全部買い上げたほどの見事な出来栄えで、これから陶芸でも認められる・・・・という時に、信頼して預けていた印鑑と土地の権利書をすべて騙し取られてしまわれたのです。
すべてを失い 無一文になった先生は、失意のどん底の中で、人を避け、ローソク一本の生活を余儀なくされたのち、現在の山閑人のある若木町に土地を借りられたのでした。
(新里眞紗生作 木版画「アダムとイブ」)
土地といっても、荒地もいいとこで、おまけに大きな岩が中央に張り出しているような、とても家など建てられる所ではありませんでした。
しかし、先生は自分の不幸な境遇を呪い、騙した男のことを恨みつつ、それを発奮材料とされ、大きな石を削り、学校の廃材を貰ってきて、なんとその上に家を建てられたのでした。
(猛くんの油絵 わが家)
大きな梁が通されていて、さすがに骨組みだけは人の力を借りたそうですが、失意のどん底でこのような家を立派にたった一人で建てるという一種の生命力には脱帽のほかありません。
喫茶店に行かれれば判るのですが、調度品も、カウンターも椅子も、何もかもが先生の手作りなのですから、驚きます。
そこで先生は絵を描き始め、やがては版画を製作されるようになりました。
(新里眞紗生作 木版画)
インドのシバ神にモチーフを得たシバ神シリーズや、中国の仏塔を描いた壮大な版画作品には、今でも見る人を釘付けにせずにはおれません。
私はその頃に先生と出会い、今でもお許しを得てお付き合いを頂いているのですが、その頃の制作活動とは、まさに鬼神が乗り移ったような凄さ、一度木版に向うと3日くらい寝ないで一心不乱に版画と格闘されていたのでした。
その頃に先生の個展をお手伝いしたり、版画を広くご紹介して回ったりと、少しはお役に立てたのかもしれません。
軌道に乗りかけた木版画の世界も、残念ながら無理な制作活動が祟って、版画家には致命傷ともいえる、重度の腱鞘炎を患われ、涙ながらに版画家の道は断念されました。
現在は自宅兼アトリエの裏手に登り窯を造られて、穏やかなお顔で作陶活動に精を出しておられます。
機嫌がよろしい時はウクレレも弾かれるらしい・・・。
(ご自慢の登り窯で・・・新里先生)
さて、この困難な土地に家を建てられてまもなく、先生のもう一つの大作である、新里猛君が生まれました。
当時は目のクリクリした少し恥ずかしがり屋さんの子供でしたが、やはりカエルの子はカエルなのですね。
(猛くん油絵 秘密の約束)
音楽好きも、絵のセンスも、陶芸も親譲りのアーチストなんです。DNAの恐ろしさを今更ながら感じます。
その猛君の記念すべき初の個展が明日から博多天神大丸のギフトギャラリーで始まります。
文中の絵は新里猛さんの初個展出品作品・・・(山閑人カフェのブログからお借りしてまいりました。ママさん広く宣伝のためです。許してね。)
どうか皆さん是非お運び頂きますよう猛君に成替わりましてお願い申し上げます。
そして、テーブルや壁に何気に飾られている小さなアートにも心ゆすぶられていたのでした。
猛さんの絵も素晴らしいですね。見ているとその世界に引き込まれてしまいそうです。まさに あの空間で生まれたアートだと感じます。
Maimioも出演します。
K&NDと言うバンドがありました
クリームが解散した後のブラインドフェイス的イメージ!??
※クリーム=シークレッツ
K=木こり
N=肉屋
D=土方
ライブ賛成!
この度は素晴らしいご紹介を有り難うございました。
いつのまにか、時は過ぎ行きますね。小さかった子ども達もそれぞれ、アート関係分野で活躍してくれております。
これはDNAの為せる技ですか?笑
私が果たせなかった夢の部分もあるので、私のDNAも少しは混ざっているのかしら?なんちゃってですけれど、本当に改めて拝読致しますと、主人は芸術の神様みたいです。が、すごい探究心と努力が成せる事でもありますね。併しすごい人ではあります。
どんな仕事もそうでしょう、、、きっと、裏では人に言えない苦労が山ほどです。
写真のネズミ、懐かしいです。私はこの干支の中ではうさぎが一番好きです。ヘビも猿も可愛く作ってありましたし。止めてしまったのはしごく残念な思いです。
素晴らしいクラフトデザイナーでした。
あ、サンダース!懐かしいバンド名ですが(主人のバンド)大昔の事で、、、。写真が自宅にはあるのですよ。
あ、居住地は若木町ではなく、朝日町です。m(__)m
そしてK&NDのKが新里さんです
苦難の歴史の中に誕生した猛君の船出ですので、ちゃんと記しておきたかったのです。
プライベートなことに入り込みごめんね。
でもアーチストとしての血を話しておかねばですね。
サンダースの『マジンガーZ』凄い演奏でした。