なぜか気になる犬なのであった。
それはタイのバンコクでゴルフをした時のこと
今日で最後のバンコクというのに、のんびりすればいいものを
同好の士から誘われるままに、グリーンバレーカントリークラブで芝刈りに勤しんでいた。
そろそろ最終ホールかなあという時に、ティーグランドにチョコンと座っている犬に遭遇した。
小型犬にしてはちと大きい、中型犬にしてはちと小さい
そんな大きさのワンちゃんであった。
その犬は黙って私の方を見ている。
近づいても逃げようとはしない。
何かやるものはないかと小探しするのだが、飲み物の他は何もなし。
5分くらいそのまま、双方見つめあった。
タイの滞在が長引けば家に残してきた愛犬のことも気になってはいた。
そんな折も折り
この犬に出会ったのであった。
しかも・・・・体毛の色もウチの奴に似ていないこともない。
これは、愛犬の想いが海を越え、空を飛び
このグータラで怠惰な、実に頼りない飼い主のことを心配しているのだと思った。
本気でそう思ったのである。
たかが犬のことと云う勿れ。
犬は人間のことをよく理解しているものだ。
さらには老境に差し掛かっている我が家のレオンなど
ひねもす寝ていることが多いのだが、私の体調の悪い時など
自分もあまり調子が良くないくせに、私を気遣うのである。
件の犬は、やがて南国特有の椰子の木の中に消えていったのだが、途中で三度振り返って私を見た。
夜中の1時のフライトで、日本には時差の関係もあって朝の8時頃着いた。
家に帰り着くと愛犬が脱兎のごとく駆け寄ってきた。
抱き上げると、滅多にそこまではしない癖に顔をペロペロと舐めた。
しばし、見つめ合う。
南の国で出会った、あの犬の目と同じ目をしていた。
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