風竿の「人生の達人」烈伝

愛すべき友、仕事・趣味の磯釣り・ゴルフ・音楽、少しの読書などにまつわるあくまで「ヒト」に重点をおいたブログです

鉛筆1本作れない自分

2012年10月31日 23時59分59秒 | 風竿日記

先日武雄中学の一年生の皆さんにした職業講話の授業をした。

何と今日はその生徒からの御礼状がたくさん届けられたんである。

読み進むうちに目頭が熱くなって仕方がなかった。

その授業で私は・・・・・。

「鉛筆1本、ハンカチ一枚作れない自分」という話をしたのだった。

だからみんな人のお力を借りて生きている。

ではお世話になりっ放しではいけないので、君たちは何でお返しをするんだい・・・・。

この歳になってやっと判ったことを教えよう。

それはね、どうして勉強をするのかということ。

それは自分のモノサシを広げて、人のお役に立てるようになるためにお勉強をするのさ。

自分の物差しが相手様より小さかったならば、相手様の本当のお気持ちは判らないでしょう。

だから、自分の直径を広げるために、深く掘り下げてモノを考えるようにするのさ。

世の中で最も尊いことは、自分の周りの人を幸せにすること。

人を幸せにできるには、幅広い適応力が要求されるし、いろんな考え方にも付いていける知識や見識が必要になってくるのさ。

だから鉛筆1本作れない自分であっても、人さまのお役に立てるようなにんげんになるために、一所懸命に勉強しなくてはならないのだよね。

      

そんなことを信用金庫に長く勤めていて判りました。

金融機関は、ただお金を集めて、貸し出すだけが仕事ではありません。

たくさんの皆さんの相談に乗って、幸せになっていただくために存在しているのです。

相談にちゃんと乗れた時には、とても嬉しい気持ちになるのです。

それは相手様が喜ばれるし、幸せになられるからなのです。

どうか、皆さんもまず周りの人を、お父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあさん、御兄弟を幸せにしてあげてください。

それは難しいことではありません。

今のあなたたちにできる精一杯のことでよいのです。

それは「ハイ」という元気のよい返事でもいいし、玄関で履物を揃えることでもいいし、身近なところに一杯人を幸せにする宝物が転がっているのです。

それを今日からさっそく探してみて下さい。

 

そんなお話をさせて頂いたのだった。

そのことをブログに書いて、私の言葉はちゃんと伝わっただろうか・・・・と締めくくっていたが

たくさんの御礼状には、見事に私の話が心に届いていた証が綴られていた。

 「父の授業」のブログはここ

素直な中学生の感性は、乾いた土に水がしみ込むように、ちゃんと吸収してくれていたのだ。

そして、この御礼状は、私の一生の宝物となった。

ちょっぴり自分が成長したような気分。

何のことはない、教えているようで、教えられたのは、実は自分だったのである。