北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「ビートルズ(北中正和著・新潮新書2021刊)」を読んだ。北中正和(きたなかまさかず1946生れ)氏は、京大(理学部)卒、音楽評論家/東京音楽大学講師。日本ポピュラー音楽学会/ミュージックペンクラブジャパン会員。著書に“ロック史”、“毎日ワールドミュージック”、“にほんのうた”など。--------
この本「ビートルズ」の目次は次の通り。“なぜビートルズだけが例外なのか(労働者階級/自作自演/世界で10億枚/変化し続けたグループ/一過性から歴史へ/政治的発言/前例のない文化現象)”、“故郷リヴァプール(田舎者扱い/植民地貿易の拠点/奴隷貿易による繁栄/イギリス初の鉄道/空襲による衰退/リトルアメリカ)”、“ジョンレノンはアイルランド人か(ドイツから取り寄せた25枚/民族と宗教/4人のルーツ/アイルランドの音楽/ボブディランの影響/新天地ニューヨーク)”、“ミンストレルショウの残影(ジョンレノンの祖父の経歴/ブラックフェイス/奴隷解放と黒人霊歌/バンジョーを弾いていたジュリア)”、“スキッフルがなければ(レディマドンナ/手作りの楽器を使い演奏/南部からシカゴへ/エルヴィスにはなれなくとも/ジョンとポールの出会い)”、“作品の源流はどこに(両親も気に入る曲を/ジョンもロック一筋ではない/ポップの定義とは/ロックンロールとロックの関係)”、“カヴァー曲/R&B/ラテン音楽(ジョージの早熟/単なる模倣を超える/キューバ音楽ソンの影響/アイフィールファインもラテンだった)”、“カリブ海/アフリカとの出会い(大戦後に激増した移民/ハンブルクへの道/舞台はマンチェスター/ジャマイカのリズム)”、“60年代とインド音楽(ヘルプに登場したインド人/ゴッドファーザー)”、“二つのアップルの半世紀(モノクロからカラーへ/オリジナリティと創造性/空想は現実より素晴らしい)”、“ビートルズは何故4人組か(放送禁止された危険なエレクトリックギター/既成の価値観が問われた時代/青春物語の終わり)”------
北中正和氏は、自身が音楽評論家として生計を立ててきた人生を振り返り、同世代のビートルズについてその想いを書き残しておかねばならないと気付いて、この本「ビートルズ」を上梓されたようだ。だからなのか、思い付くままに起承転結なしに書いておられるように感じた。でもファンの多いビートルズだから売行きは大丈夫のようだ。