奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1144)

2019-10-11 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「旅だから出逢えた言葉(伊集院静著・小学館文庫2017刊/2013版の文庫化/初出シグネチャー連載:旅先でこころに残った言葉)」を読んだ。伊集院静(いじゅういんしずか1950生れ)氏は、立教大学(文学部)卒、“皐月(1981)”で作家デビューした。“受け月(1992)”で直木賞を受賞している。-----

「旅だから出逢えた言葉」では、伊集院静氏の人生を豊かにしてきた気の利いた言葉を、旅先に絡めて、様々なジャンルから紹介してくれている。伊集院静氏が文武両道のスポーツマンでもあるので、野球を始めとしたプロの話が後半特に多いが、前半にはザビエルであるとか、ロカ岬であるとか、スケールの大きな話題から始まっている。また、クリスチャンである奥方(女優/篠ひろ子)も2度ほど登場する。------

伊集院静氏は今では、日本を代表する作家のお一人となられたように感ずる。多分、出版社にとっても数少ない売れる作家なのだろう。読んでいてもすらすらと読めて、文体は易しくて上から目線でなく、とても素直に読ませてくれるので、人気が高いのだろう。勿論筆力は十分すぎるのだが。-----

人は悲しみを抱えて人生を生きなければならないと、冒頭から、女優/夏目雅子(伊集院静氏の前の妻)のことを言っているのだなと分からせてくれる処など、商売上手であるとも云えるのだが、それを責められない読者心理までお見通しであるかのようで、本当に文章への心配りが行き届いていると思った。良いエッセイ集としてこれからも読み継がれることだろう。

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