奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1160)

2019-10-27 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「本と生きる(肥田美代子著・ポプラ新書2014刊)」を読んだ。肥田美代子(ひだみよこ1941生れ)女史は、大手前高校、大阪薬科大卒、1965白水貿易入社、1975薬局開業、1979児童文学作家デビュー、1989~2005社会党/民主党に所属し、参議院議員/衆議院議員を務める。“子どもの読書活動の推進に関する法律(2001)”の制定に係わり、その縁で、「本と生きる」が執筆されている。議員を退いてからは、大阪樟蔭女子大学教授を務めるなど、童話作家としての本分を児童教育研究の場で発揮されたようだ。-----

電子メディアの発達に伴い、タブレットやスマホなど電子媒体が紙ベースの図書を圧迫して来ている中で、子供たちの教育においては紙ベースの図書がどうしても必要だとの考えから、学校図書館の再整備(学校司書など)を法制化したのだそうである。-----

公立の小中学校図書館は閉鎖されている学校も多く、日本経済の低迷により税収が減ると真っ先に予算カットの対象となったようである。公立の学校では、エアコンのない学校も多く、文教予算の大方は私学助成であったりして、公立校の図書館にまでは手が回らない状況が続いているのだ。嘗て揃えられていた蔵書は古くなり、更新も儘ならず、閉館の憂き目をみていたのだ。-----

肥田美代子女史は、益々本を読まない若者が増える中で、子供時代からの習慣として紙ベースの本に親しむことが、大人になってからの読書の習慣のためには是非とも必要であると考えておられる。本の文字を寺子屋で憶えて日本は明治の文明開化を果たしたのであるという。有象無象の電子媒体から得られる膨大な情報は、自分で選り好みしなければならないが、紙の本ならその集約(編集と校正)が完成しているものが多いのであると。例に挙げておられるのは、アンデルセンの“マッチ売りの少女”であるが、誰しも子ども時代の絵本の一つや二つ知っていようと。親からの読み聞かせであろうと紙ならではの安心感が強いのだと云う。これこそ本物の本なのであると。

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