北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「天神さんが晴れなら(澤田瞳子著・徳間書店2023刊)」を読んだ。澤田瞳子(さわだとうこ1977生れ)女史は、同志社大学(文学部/文化史学専攻)卒/同大学院博士前期課程修了。2011“狐鷹の天”で中山義秀文学賞/2013“満つる月の如し仏師定朝”で本屋が選ぶ時代小説大賞&新田次郎文学賞/2016“若冲”で親鸞賞/2020“駆け入りの寺”で舟橋聖一文学賞/2021“星落ちてなお”で直木賞受賞。----------
この本「天神さんが晴れなら」の目次は次の通り。“京都に暮らす”、“日々の糧”、“まだ見ぬ空を追いかけて”、“出会いの時”、“煌めきへの誘い”、“歴史の旅へ”、“唯/書く”----------
この本「天神さんが晴れなら」の内容紹介文は次の通り。小さな出来事が積み重なって月日は過ぎ/我々の日常は歴史になる。その一隅に今/私は短い尻尾を揺らして暮らしている。歴史/食/旅/芸術/そして物語を紡ぐ。直木賞作家が日常の風景を綴ったエッセイ集。きっと多くの人を虜にし続けてきた千年の都に/私自身も既に搦め捕られているのであろう。そんな華やかな檻を愛おしく/また時に苛立たしく感じながら/私は今日も山に囲まれたこの町に暮らす。“京都はんなり暮らし”から15年振り。作家デビュー後は初となる澤田瞳子のエッセイ集。“知らないことを知るのが大好き”と云う著者が出会った様々な出来事をウィット溢れる文章で描く。-----------
澤田瞳子のご母堂/澤田ふじ子も作家であるが/目ぼしい文学賞をお獲りになっていない。娘の瞳子女史がその鬱憤を晴らしてくれた。その区切りがついた今/エッセイは勝手気ままに書ける。これまでの短文を纏める出版社の企画に応じたのも気が軽くなっているからに違いない。