奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その605)

2018-04-21 08:15:00 | 奈良・不比等
先日(平成30年4月14日)より新年度の興福寺仏教文化講座が始まった。連続講話は名古屋大学准教授・近本謙介氏の「南都をめぐる宗教文芸の世界」である。近本謙介(ちかもとけんすけ1965?生れ)氏は九州生まれで阪大文学部卒・大学院博士課程まで大阪大学とのこと。その後、天理大学・筑波大学そして現在は名古屋大学に奉職している。-----
初回と2回目は聖徳太子を取り上げて居られる。表題は「仏教伝来と聖徳太子をめぐる文芸の展開」として話された。内容的には、歴史を扱ってはいないので昨今日本史の世界で注目を集めている「聖徳太子の実在性」については言及の対象外と云われた。聖徳太子がいたとか居なかったとかに関係なく、その後の聖徳太子信仰の広まりを宗教文芸を読み解くことによって学問的に調べて分かったことを教えて下さるのだそうだ。------
歴史好きにすれば聖徳太子の実在性の議論を聴きたい処だが、近本謙介氏の専門領域ではないと云う。従って少々生温(なまぬる)い気はしたが、それはそれで面白いとも云えた。次回からの講話に期待したいと思った。-----
聖武天皇が聖徳太子の生まれ変わりであると云う伝説などお話しされたが、説話の類は年月が経つと信憑性がますます薄れる訳だが、有名な宗教文芸にはどれもその元になっている作品があり、それが今昔物語では中国にその範(はん)のある場合が多いと云う。こうした南都の寺院において書かれた文芸作品は中国渡来の中国僧の貢献も大きかったようだ。

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