奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その709)

2018-08-03 08:15:00 | 奈良・不比等
「哲学の最新キーワードを読む~私と社会をつなぐ知(小川仁志著・講談社現代新書2018刊)」を読んだ。小川仁志(おがわひとし1970生れ)氏は京大(法学部)卒、名市大大学院博士後期修了にて、現在は山口大学准教授である。専門は公共哲学とのこと。-----
「哲学の最新キーワードを読む」では、次の12のキーワードを列挙して、これからの哲学の生き残り戦略について語っている。「ポピュリズム」「再魔術化」「アートパワー」「思弁的実在論」「トリプルオー(OOO)」「新しい唯物論」「ポストシンギュラリティ」「フィルターバブル」「超監視社会」「ニュープラグマティズム」「シェアリングエコノミー」「効果的な利他主義」-----
哲学自体が科学哲学としてしか生き残れない中で、公共哲学などは、道徳倫理の世界に哲学的思考の生き残りの可能性を探っている様なものであり、この取り組みも余り纏まりが無いのである。哲学の強みであった論理思考についてもAIにその座を明け渡さなければいけない様な時代となっており、アメリカの粗雑な哲学であったプラグマティズムを見直そうと云う動きなど気は確かかと云いたくなるような惨状である。このような哲学ののたうちまわっている様な狭い世界で小川仁志氏は何とか研究活動をなさっているので、見上げたものである。昨今、リベラルアーツの重要性が叫ばれているので、哲学の命脈は幾らかは伸びたようであるが、哲学に弱い日本人世界で、極々少数の哲学者として活動を続けられることを願っておきたいと思った。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 古都奈良・修学旅行と世界遺... | トップ | 古都奈良・修学旅行と世界遺... »

コメントを投稿

奈良・不比等」カテゴリの最新記事