奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2021)

2022-03-06 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「技術とは何だろうか/三つの講演(マルティンハイデガー/森一郎編訳・講談社学術文庫2019刊)」を読んだ。マルティンハイデガー(Martin Heidegger 1889~1976)は、20世紀を代表するドイツの哲学者。現象学から出発して独自の存在論を展開した。代表作は、“存在と時間(1927)”、“カントと形而上学の問題(1929)”、“講演と論文(1954)”など。森一郎(もりいちろう1962生れ)氏は、1986東大(文学部)卒、1990同大学院(哲学専攻)博士課程中途退学。東京女子大学を経て、現在は東北大学(情報科学研究科)教授、専門は哲学。訳書に“ニーチェ/愉しい学問”あり。--------

この本「技術とは何だろうか」の目次は次の通り。“編訳者/前置き”、“物”、“建てること/住むこと/考えること”、“技術とは何だろうか”、“編訳者/後書き”--------

この本「技術とは何だろうか」の裏表紙の抜き刷り文は次の通り。20世紀最大の哲学者/マルティンハイデガーは、1950年代にテクノロジーを巡って幾つかの講演を行った。その中から代表的な3篇「物」/「建てること/住むこと/考えること」/「技術とは何だろうか」を新訳で収録する。甕(かめ)や橋などの具体的な例から出発し、徐々に深まっていく思考/技術に翻弄される時代に生きる者にとって不可欠の一冊。--------

学問の母たる哲学は、18世紀からの急速な科学技術の発展を目の当たりにして、古典哲学の儘(まま)では人類にとって役立たず/無用/無力な学問になり下がってしまう危機を迎えた。そこでハイデガーは、自然科学の偉大さは認めつつ、個々の人間が限りある命を育む中で、大切にしなければならない問題提起を“存在と時間”として取り上げた。人間の存在(実存)と存在し得る時間(個々の寿命)こそが哲学的思考の出発点であるとした。そして生存を継続させるための衣食住を豊かにする技術の捉え方こそが根本課題だと見抜いた。原子力の破壊力と無限のエネルギーを生み出す神秘。ハイデガー以降、哲学は科学哲学の衣を着るしかなくなったのだ。

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