奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1131)

2019-09-28 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「天才と発達障害(岩波明著・文春新書2019刊)」を読んだ。岩波明(いわなみあきら1959生れ)氏は、東大(医学部)卒、都立松沢病院、東大助教授、埼玉医科大学准教授を経て、2012年より昭和大学(医学部)教授である。同附属烏山病院長を兼任し、ADHD専門外来を担当している。精神疾患の認知機能障害や発達障害を研究分野としているとのこと。-----

「天才と発達障害」の章立ては次の通り、“天才と狂気”、“独創と多動のADHD”、“空気が読めないASDの天才たち”,“創造の謎とトリックスター”、“うつに愛された才能”、“統合失調症の創造と破壊”、“誰が才能を殺すのか”となっており、それぞれに世界的な該当有名人を列挙している。もちろん日本人も含めて紹介している。“バカと天才は紙一重”といわれる所以(ゆえん)からの解説は一言もない。“バカは天才とは程遠く、バカはバカでしかない”と言うのが精神病理学者/岩波明氏の信念であるようで、バカにも取り柄があるとか云う生温(なまぬる)い論考は一切登場しない。流石、東大医学部卒だけのことはあって、東大同窓生の中にも、偏差値は頗る高いがコミュニケーションに欠ける人物が多分相当おられて、ひょっとすると岩波明氏自身がその該当人物であったのかも知れないと、この本「天才と発達障害」を読んで邪推した。-----

お笑い芸人が“皆(みんな)とんとん”というような暢気(のんき)な人生模様ではなくて、人間として生れて全力で生き切った天才たちの陰の部分を焙り出している本なのである。野口英世然り、アインシュタイン然り、モーツァルト然り、ビビアンリー然り、田中角栄然り、大村益次郎然り、ダーウィン然り、ドストエフスキー然りと列挙し、最後には日本が今後もこのような天才を生み出すには、教育制度をもっと柔軟にすべきだとも書いている。社会の発展を期するには天才の力に負わねば1mmとも進まないのだからとその必要性を力説している。

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