奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その682)

2018-07-07 08:15:00 | 奈良・不比等
「逃げられない世代~日本型先送りシステムの限界(宇佐美典也著・新潮新書2018刊)」を読んだ。宇佐美典也(うさみのりや1981生れ)氏は、東大(経済学部)卒で、経産省に入省したが、2012年に退職した。現在は岡山県立大学客員准教授の他、フリーランサーとして執筆業など多方面に活動している。-----
日本の社会保障制度の破綻は政府の先送りシステムのお陰で、団塊世代を支えてきた団塊ジュニア世代(1971~1975生れ)が高齢者(65歳)となる2036~2040年までは大丈夫だがそれ以降は、団塊ジュニア世代を支える世代ボリューム層が無いので、限界を迎えるそうである。霞が関のエリート官僚もこの問題を解決する事には先送り以外に手が無いので無力感にさいなまれている若手官僚が多いと云う。そしてタイトルの「逃げられない世代」の始まりとなる現在20代から30代の世代(1979~1998生れ)は、自らの身を削りながら団塊ジュニア世代の老後を20年間支えていく事になるのであると云う。文字通り、宇佐美典也氏はその世代の先頭に位置しており、沈みゆく日本経済の中で先送りの通用しない時代を生きなければならないのだと云う。----
先送りの施策ではなくて抜本的な制度改革をする必然に迫られる世代だから、現在の官僚の限界を感じてフリーランスに身を投じたそうであるが、これも辛(つら)いものであるようで、本当は政治家を目指したいのだろうと思われるが、世襲議員の様にカバン・看板・地盤もなく直ぐに立候補も出来ないだろうから、雌伏してはいるが、きっと何時か頭角を現すことをお考えであるのだと思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする